IEEEメンバー 標準化キュレーター西 宏章氏の提言 日本のスマートグリッドが世界標準になる日

@Press / 2012年8月2日 15時0分

西 宏章 氏
 IEEE(アイ・トリプル・イー)は、IEEEメンバーで、IEEE P2030作業部会メンバー慶應義塾大学准教授の西 宏章氏が、日本のスマートグリッド標準化のカギを提言します。

 電気は、インフラサービスの一つです。近年、特に震災以降において、電気を使う法人や一般家庭(電力需要側)の電力利用に対する要求が多様化しています。電力供給に関連した様々な話題が報道されていますが、今後の流れや各種キーワードは、電力需要側の要求と電力供給の多様化という観点により、一つにまとめることができます。

 まず、電気料金値上げの問題があります。高騰する燃料費を賄うことが目的であるとされていますが、選択幅のない一方的な料金設定には反対意見が多数見受けられます。電力自由化が行われている国では、料金制度を自由に設定できるため、例えば自然エネルギーの電力がどの程度含まれている電力を利用するか、といった契約の差異で電気料金が変わるなど、様々な料金体系が提示されています。日本でも、均一料金の他に、昼夜間格差電力メニューが設けられていますが、さらに、多様な要求にこたえることは、インフラサービスにとって重要といえます。

 例えば、主要各国の料金体系を見てみますと、イタリアの大手電力会社Enelの場合、「sera」:19時から深夜1時までの6時間が割安(-16%)、「weekend+」:週末が平日よりも割安(-22%)、「Otto sette」:平日20時から7時までの11時間、および週末が割安(-6%)といった例が示されています。また、イギリスのSSEは、2012年6月末現在、「Standard Energy」料金を基本として、2年間固定料金とする「2YR FIXED PRICE PLAN 2」、3年間固定料金とする「Price fix8」、これらのオプションとして、スマートエネルギーサービスオプション「iplan」、省エネに対する報酬制度「betterplan」、ポイント制度である「Argos」「energyplus Argos」、基金制度である「energyplus Plus」、100%再生可能エネルギーによる電力を利用する「oplan」などがあります。終了しましたが、グリーンエネルギーを利用する「RSPB energy」といったプランも提供されていました。
 フランスEDFのOption Tempoも興味深い料金体系です。フランス国旗に合わせた「Red」、「White」、「Blue」の料金基準があり、「Red」は、需要ひっ迫が見込まれる日中に対して適用される料金体系で、日中非ピーク時の10倍近い料金が設定されます。11月から3月の22日に適用され、最大で休日を除く5日連続で適用可能です。「White」は、比較的高い需要が見込まれるときの料金で非ピーク時の約2倍の料金となります。年間で休日以外の43日間に適用されます。「Blue」は、それ以外の300日に適用される昼夜別料金となります。これらの色は、前日17:00に電子メールやインターネットで公開され、メータや家電の表示が変更されます。そして、当該日午前6時に新しい色が適用されます。
 同様の料金制度は他でも取り入れられており、米国のPG&Eでは3時間ごと、同じく米国のAmeren(AEE)では、翌日1時間ごとの料金がインターネット上で公開され、それに従って課金されます。また、PG&EのSmartACでは、電力逼迫時に6時間を限度として電力供給側が空調を15分間隔で制御する制度があり、このプログラムに参加すると制御機器を無料に導入できるとともに、報奨金を受け取ることができます。米国のGB&Eでも、PeekRewardsとよばれる、エアコン制御率に応じた報償額制度があります。
 日本でもこの流れを取り入れるべく、経済産業省より「BEMS*1アグリゲータ」*2と呼ばれる案件・公募が提示され、多くの企業がこの公募に応募し、当初の採択予定件数10件を大きく上回る21件が採択されています。

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