「オーラルケアに関する生活者調査」の結果 9割以上の歯科専門家※が生活者の歯みがきについて「みがき癖によって特定の場所がみがけていない人が多い」と回答。一方、6割の生活者は「歯みがきはある程度できている」と自己評価。毎日歯みがきしていても、きちんとみがけていないことも多い結果に ※歯科医師および歯科衛生士
@Press / 2022年6月8日 11時0分
ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、快適で清潔な暮らしを送るための新しい生活習慣の定着化に向けて、様々な情報発信をしています。
毎日の歯みがきを含めたオーラルケアについて、歯科専門家からみた生活者のオーラルケアと、実際に生活者が行っているオーラルケアについて、それぞれ調査を実施しました。
<オーラルケアに関する歯科専門家調査概要>
・調査期間 2021年10月13日(水)~10月21日(木)
・調査対象 全国、患者さんに実際に衛生指導を行っている歯科医師131名、
歯科衛生士35名 計166名
・調査方法 WEBアンケート
<オーラルケアに関する生活者調査>
・調査期間 2021年12月6日(月)~12月8日(水)
・調査対象 全国、20代~60代、男女、各500名、計1,000名
・調査方法 WEBアンケート
調査は、歯みがき以外のケア(歯間清掃、舌清掃など)についても実施しましたが、今回は歯みがきに関する調査結果をご紹介します。
1. 調査結果
(1) 歯科専門家からみると、毎日歯みがきはしていても、みがけていない人が多い
歯科専門家からみて、「生活者の歯みがき(ブラッシング)についてどう思うか」質問したところ、「みがき癖によって特定の場所がみがけていない人が多い」と回答した人は91.6%(5段階評価で「そう思う」「まあそう思う」と回答した人の割合の合計)、「回数はそれなりにしているが歯垢が落とせていない人が多い」と回答した人が82.5%(同)と、多くの生活者がきちんとみがけていないことが浮き彫りになりました。(図1)
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/313115/LL_img_313115_1.jpg
図1
一方で、生活者に対し「普段の歯みがきがどの程度できていると思うか」を尋ねると、「できている」と肯定的に回答した人は約6割(7段階評価で、「しっかりできている」「かなりできている」「ややできている」の合計)、逆に「できていない」と回答した人は約2割(「全くできていない」「ほとんどできていない」「あまりできていない」の合計)でした。生活者の自己評価では、多くの人がある程度はきちんとみがけていると思っている結果となりました。(図2)
以上のことから、生活者は毎日歯みがきしていても、自分で思っているほどきちんと歯はみがけておらず、歯垢のみがき残しがあることが推察されました。
図2
https://www.atpress.ne.jp/releases/313115/img_313115_2.jpg
(2) ハブラシの当て方や動かし方にも問題点を指摘
歯のみがき方については、歯科専門家の見方では、「ブラッシングのストローク(ハブラシを動かす大きさ)が大きすぎる人が多いと思う」「ブラッシング圧(ハブラシを歯や歯ぐきに当てる力)が強すぎる人が多いと思う」の回答者がそれぞれ7割以上となり(5段階評価で「そう思う」「まあそう思う」と回答した人の割合の合計)、ハブラシの動かし方や力の入れ方にも問題がある人が多いと推察されました。(図1)
生活者調査では、二者択一として「自分は適度な力でみがけている」と「実際どのくらいの力でみがけばいいかわからない」のどちらに当てはまるか尋ねたところ、「みがけている」が約53%、「わからない」が約47%となり、適度な力でみがけていると自己評価している人がやや多い結果となった一方で、半数近くの人が実際の適度な力の入れ加減はわからないという結果でした。
力を入れすぎてみがく「オーバーブラッシング」やハブラシを大きく動かしてゴシゴシみがくことは、歯ぐきや歯を傷めることがあるため日々のケアで注意が必要です。しかし、実際のケアの注意点がわかっていない人、できていない人もある程度の割合でいると考えられました。
(3) 歯科専門家が挙げた、生活者の歯みがきで、できていない部分とNG事例
実際に患者さんの口の中を見ている歯科医師や歯科衛生士からみた、患者さんのブラッシングがうまくできていない点を自由回答で得ました。回答例の一部を示します。
・みがけていないのに、みがいたつもりになっている。
・強くみがかないと、みがいた気がしない人が多い気がする。歯をみがくのに、歯ぐきをやたらに傷つけて安心している人が多いのに驚かされる。
・総じてみがけている人でも奥歯の内側、また下の前から3番目の歯や、歯と歯の間はみがけていなくてプラーク及び歯石が付いてる事が多い。
・歯をみがくことはできていることが多いが、歯肉や歯間部をみがけていない方が多い。
・一番みがけると安心しているのか、上の前歯の根元部分も意外とみがけていない。
(一部専門的な用語はわかりやすく言い換えています)
これらはあくまで一例で、自由回答の内容は多岐にわたりましたが、口の中でうまくみがけていない部位がどこかを指摘する内容が最も多い回答でした。
次に、毎日しているものの意外ときちんとできていない人も多い、歯のみがき方について改めてご紹介します。
2. 歯みがきの3つの基本
歯をみがく大きな目的のひとつは、むし歯や歯周病、口臭などの原因となる歯垢(プラーク)を除去することです。そのためには、次の3つの基本を心がけましょう。
(1) ハブラシの毛先をみがきたい場所にきちんと当てる
(2) 毛先が広がらない程度の軽い力でみがく
(3) ハブラシは小刻みに動かす
歯みがきの3つの基本
https://www.atpress.ne.jp/releases/313115/img_313115_3.jpg
(1) ハブラシの毛先をみがきたい場所にきちんと当てる
ハブラシの毛先が当たらなければ歯垢や汚れは落ちませんが、つい漫然と動かしていることもあるかもしれません。意識して、みがきたい場所に毛先を当てることが大事です。歯と歯の間など曲面にきちんと毛先を当てるためには、凹凸に合わせてハブラシの「つま先」(先端)や「かかと」(後端)を活用するとよいでしょう。(図3)
また、歯と歯ぐきの境目はハブラシを45゜くらいの角度で当てて歯垢を落とします。(図4)
図3
https://www.atpress.ne.jp/releases/313115/img_313115_4.jpg
図4
https://www.atpress.ne.jp/releases/313115/img_313115_5.jpg
(2) 毛先が広がらない程度の軽い力でみがく
強すぎる力で歯をみがくオーバーブラッシングをすると、みがいた時に歯ぐきや歯を傷めることがあるばかりか、日常的に繰り返すと「歯ぐき下がり」などの原因にもなりかねません。(図5)
また、ハブラシを強く当てると毛先が開いて毛が倒れてしまうため、毛先がみがきたい場所に当たりにくくなり、歯垢を落としにくくなることもあります。
強くみがく方が、汚れが良く落ちそうな気はしますが、必ずしもそうでないばかりか、弊害も生じかねないので、毛先が広がらない程度の軽い力でみがきます。
図5
https://www.atpress.ne.jp/releases/313115/img_313115_6.jpg
(3) ハブラシは小刻みに動かす
ハブラシを大きく動かすと、毛先が歯と歯の間に届かず、歯垢を上手に落とせません。5~10mmを目安に小刻みに動かし、1~2歯ずつていねいにみがきます。
6月4日から6月10日は「歯と口の健康週間」です。この機会に毎日の歯みがきをはじめとするお口のケアを見直してみてはいかがでしょうか。また、定期的な歯科通院をし、歯科専門家によるお口のケアや健診も受けましょう。
関連情報 「歯医者さんに聞いた、歯みがき・歯間清掃・舌清掃のあるある間違いケア」
https://lidea.today/articles/003225
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