AIを搭載した沈殿槽自動監視システム「S.sensing TS」の提供を開始~排水処理の安定化を通じてCO2排出量と廃棄物の削減を実現~
@Press / 2022年8月4日 11時0分
栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:門田 道也)は、排水処理の沈殿処理工程において、沈殿槽内の処理状況を自動監視できるシステム「S.sensing TS」を開発し、提供を開始しました。
本システムはAI※を活用して人に代わり処理状況の正常・異常を連続的に判定し、異常時にはその原因を推定して提示します。本システムを用いることで、問題発生時の迅速な原因特定および適切な処置が可能となるため、排水処理の安定運転とともに、最適な汚泥の濃縮管理によりCO2排出量の削減、廃棄物削減にも寄与します。
■背景
排水処理の沈殿処理工程において汚泥の濃縮が不十分な場合、給泥量が多くなるため脱水機の運転時間が長くなり、電力の消費量が増加します。さらに、多くの脱水機は汚泥を圧搾することで脱水しますが、汚泥濃度が低いと十分な圧搾力が得られず、脱水汚泥の含水率が上昇し廃棄物量が増加します。
また、沈殿槽における適正な界面管理・濃縮管理を行うため、目視や界面センサーなどを用いた管理が行われていますが、処理状況の正常・異常を見極め、原因を特定して適切な処置を講じるには専門の技術者や熟練者を必要とし、人材確保が課題となっていました。
これらの課題に対し当社は、AIによる異常判定機能を搭載した自動監視システムを開発しました。
■開発品の特徴
「S.sensing TS」は超音波センサーで沈殿槽の水面から汚泥堆積層までの距離や浮遊する粒子の状態を計測し、AI技術により連続的に沈殿槽内の状況を解析する自動監視システムです。解析結果はWEBを通じて遠隔で確認することができ、異常を検知した際はメールで通知します。AIが自動で連続監視するため沈殿処理の運転管理を省力化できます。さらに、「S.sensing TS」は異常が発生した原因を自動で解析して提示するため、技術者や熟練者ではなくても原因を容易に特定でき、適切な処置を講じることが可能となります。
当社では、これまで様々な現場で蓄積した沈降不良や汚泥の巻き上げ等、多くの事象データをもとに機械学習の精度を向上させており、AIによる判定の精度があがることで最適な運転管理を実現します。沈殿処理が正常化し汚泥の濃縮が安定することで脱水機の運転時間が短縮され、また脱水汚泥の含水率も低減できることで、CO2排出量の削減と廃棄物の削減に寄与します。
■今後の展開
クリタグループは中期経営計画「MVP-22(Maximize Value Proposition 2022)」において、CSRを経営の中核に据え、社会との共通価値の創造に注力しています。今後当社は、「S.sensing TS」の展開を促進し、排水処理の安定化を通じたCO2排出量の削減と廃棄物の削減で、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
<補足資料>
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/320621/LL_img_320621_1.png
「S.sensing TS」適用イメージ
■S.sensing TSについてのお問い合わせ
https://kcr-pg.kurita-water.com/S.sensingTS_Inquiry.html
※:東芝デジタルソリューションズ株式会社のアセットIoTクラウドサービス「Meister RemoteX」、東芝アナリティクスAI「SATLYS」を採用。
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プレスリリース提供元:@Press
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