GfK Japan調べ:2012年 家電・IT市場動向
@Press / 2013年2月20日 18時0分
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:藤林 義晃)は、2012年の家電およびIT市場の販売動向を発表した*1。
【国内家電流通:家電市場規模はエコポイント制度開始前のレベルに回帰】
2012年の国内家電小売市場は前年比11%減の7兆4,800億円となったと見込まれる。エコポイント制度、アナログ停波による映像関連商品の需要が2011年で一巡し、2012年はその反動を受けたことが主な要因である。ただし、2008年以前の家電市場規模は7兆円台であり、結果的にはエコポイント制度開始前の市場規模レベルに戻ったと見ることもできる。一方、家電のインターネット通販は成長を続けており、2012年では家電市場規模全体の1割弱をインターネット通販が占めたと見られる。
【薄型TV:販売台数は前年比60%減の837万台。50インチ以上の大画面の構成比が拡大】
2012年の薄型TV市場は数量前年比60%減の837万台となった。1990年代以降、国内TV市場は年間1,000万台程度で推移してきたが、エコポイント制度、アナログ停波による特需の反動減は大きく、2012年は1,000万台水準を下回る結果となった。メーカー、流通ともに55インチや60インチといった大画面への注力を強めており、50インチ以上の構成比は数量ベースで前年の2%から5%に、金額ベースでは前年の7%から18%に増加した。
薄型TVと共に2011年まで市場拡大を続けていたBlu-ray Discレコーダーは、数量前年比42%減の359万台となった。TV売り場ではオーディオ製品や液晶保護パネルといった周辺製品のラインナップの拡充が見られ、サウンドバーの販売数量は前年の約1.4倍となった。
薄型TV市場規模推移 http://www.atpress.ne.jp/releases/33454/a_1.png
【ポータブルオーディオ・ヘッドホン/ヘッドセット:デバイスの多様化に対応し、安定した需要を維持】
ポータブルオーディオの再生デバイスはスマートフォンへと移行が進んでおり、2012年のポータブルメディアプレーヤー市場は数量前年比20%減の519万台となった。周辺アクセサリー市場はポータブルオーディオデバイスの変化に対応した新製品を生み出すことで安定した需要が見られた。2012年のヘッドホン/ヘッドセット市場は数量前年比3%減の1,935万本となった。内訳をみるとヘッドホン市場は1,306万本と前年から9%減少したのに対し、ヘッドセット市場は前年から13%の増加となった。スマートフォンで音楽を聴く人が増えたことで、ハンズフリー通話も可能なヘッドセットが支持を集めているといえる。
音質の優れた高単価製品の伸長によりヘッドホン/ヘッドセット市場の平均価格は上昇しており、金額ベースでは前年並みとなった。
【パソコン:リテール市場は2006年以来のマイナス成長、リセラー市場は3年連続プラス成長】
パソコン市場全体は数量前年比2%増の1,528万台となった。
リテール市場は同4%減の645万台と、タブレット端末*2へのシフトも影響し、6年ぶりのマイナス成長となった。タイプ別に見ると、ノートPCが数量前年比1%減、デスクトップPCが同13%減といずれも減少に転じており、特に地デジ特需の反動減がみられるデスクトップPCの落ち込みが顕著だった。3年ぶりのOS刷新となるWindows 8は、発売後の四半期(2012年10-12月期)で数量構成比24%に達したが、Windows 7と比較すると新OSの立ち上がりとしてはやや緩やかであったと言える。平均価格は依然、下落傾向にあるため、金額ベースの前年比は13%減となった。
リセラー市場は数量前年比7%増の538万台となった。2014年のWindows XPのサポート終了に向け、企業のリプレース需要は堅調であった。
【タブレット端末:数量前年比2倍超の300万台に到達】
2012年のタブレット端末市場は前年比2.2倍の300万台に達した。リテール市場は同75%増の197万台(家電量販店は同88%増の128万台、携帯電話専門店は55%増の69万台)となった。画面サイズ動向を見ると、新製品発売が相次いだ7インチクラスが前年から12%ポイント拡大し、数量構成比28%を占めた。通信方式別では、回線契約を伴わないWi-Fiモデルが前年から12%ポイント拡大し、同56%を占めた。7インチクラスやWi-Fiモデルの需要の高まりには、端末代金や通信費用を抑えながら、新しい機器を試したいという消費者ニーズがあるとみられる。
タブレット端末市場規模推移 http://www.atpress.ne.jp/releases/33454/b_2.png
【デジタルカメラ:市場全体は6%減となるも、ミラーレス一眼は56%増と拡大】
2012年のデジタルカメラ市場は、数量前年比6%減の897万台となった。コンパクトカメラが同11%減の727万台となる一方、レンズ交換式カメラは同21%増の170万台と3年連続でプラス成長を記録した。レンズ交換式カメラの内訳を見ると、一眼レフは前年並みの93万台に留まったものの、ミラーレス一眼は同56%増の77万台へと急拡大した。性能の向上に加え、旧モデルの値頃感が増し、コンパクトカメラからアップグレードしやすくなったことが追い風となったと考えられる。数量ベースではマイナス成長となったデジタルカメラ市場だが、ミラーレス一眼およびハイエンドの一眼レフの販売増により、金額ベースでは5年ぶりのプラス成長へと転じた。
【携帯電話:スマートフォン市場の拡大が続く】
2012年の携帯電話市場は前年並みの3,783万台となった。スマートフォンは数量前年比63%増の2,550万台となり、携帯電話販売数に占める構成比は前年の44%から67%へ拡大した。スマートフォン市場が急速に立ち上がってから2年が経ち、割賦支払いを終了したユーザーが端末を買い替え始めたことが、市場を押し上げた。買い替えが促進された背景には、スマートフォンの急速な進化がある。CPUコア数がデュアルコア以上の数量構成比は前年の25%から81%へ、LTE対応端末はほとんどない状態から42%へ伸長した。このような高機能端末では、動画のストリーミング再生などのコンテンツをより快適に楽しむことができるため、初期のスマートフォンからの買い替えを喚起しているとみられる。
携帯電話市場規模推移 http://www.atpress.ne.jp/releases/33454/c_3.png
【冷蔵庫:数量前年比3.5%増のプラス成長】
2012年の冷蔵庫市場は、猛暑や厳しい残暑などから好調に推移し数量前年比3.5%増の495万台となった。消費者の節電意識もプラス成長を後押ししたと推測される。この5年間をみると、2012年は、エコポイント制度などの特需があった2010年の523万台に次ぐ販売台数となった。容量クラス別の数量構成比は、小容量(200L以下)が前年から横ばいの35%、中容量(201L以上400L以下)が2%ポイント縮小し22%、大容量(401L以上)が1%ポイント拡大し43%となり、大容量クラスが僅かに構成比を伸ばした。特に501L以上の伸長が著しく、4年間で数量構成比は7%ポイント伸長し、15%を占めた。また、消費電力削減の動きは引き続き進展し、年間消費電力250kwh以下の数量構成比は前年から19%ポイント拡大し40%を占めた。
【クリーナー:数量前年比2%増と3年連続のプラス成長】
2012年のクリーナー市場は数量前年比2%増の804万台となり、3年連続のプラス成長を記録した。シリンダタイプ(キャニスタータイプ)は、サイクロン式が前年並みとなったものの、紙パック式の縮小が響きマイナス成長となった。スティックタイプでは、充電式がその利便性から同タイプを牽引し、数量前年比13%増となった。スティックタイプにおける充電式の数量構成比は前年から12%ポイント伸長し32%を占めた。ロボットタイプは家事負担軽減ニーズなどから前年に続き好調に推移し、数量前年比56%増となった。大手メーカーの新規参入により選択肢が広がったことも販売を後押しした。
タイプ別の数量構成比はシリンダタイプが4%ポイント減少の65%、スティックタイプが1%ポイント増の14%、ハンディータイプが1%ポイント増の14%、ロボットタイプが2%ポイント増の5%となった。
クリーナー市場規模推移 http://www.atpress.ne.jp/releases/33454/d_4.png
【コーヒーメーカー:エスプレッソマシンが拡大し、市場は8%成長】
2012年のコーヒーメーカー市場は数量前年比8%増の179万台となった。ドリップ式が前年並みにとどまる中、エスプレッソマシン、インスタントコーヒーマシンが市場を拡大した。
ドリップ式では、耐久性・保温力に優れたステンレスポットタイプが販売を伸ばし、ドリップ式における数量構成比は前年の22%から28%へ増加した。
エスプレッソマシンは数量前年比29%増と伸長した。エスプレッソ、カプチーノなど多様なアレンジを自宅で手軽に楽しめる製品の魅力に加え、売り場の拡大や積極的な販促が行われたことも拡大を後押しした。また、エスプレッソマシンの96%を占めるポーションタイプでは、手頃なモデルが増加し、購入者層の裾野拡大に貢献した。
数量構成比は、ドリップ式が74%へ縮小し、エスプレッソマシンが前年から2%ポイント増加し16%となった。
*1 全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、総合ネット通販など)からPOSデータなどを収集し、統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計しています。
*2 タブレット端末:スマートフォンとネットブックの中間に位置する機器。タッチスクリーンを備え、iOSやAndroidといったパソコンとは異なる軽量OSを搭載。
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
URL: http://www.gfkrt.com/japan/
プレスリリース全文(その他市場規模推移グラフ含む)はこちらからもご覧いただけます。
http://www.gfkrt.com/imperia/md/content/documents/2012_consumerelectronics_and_appliance_market.pdf
@Pressリリース詳細ページ
提供元:@Press
【関連画像】
この記事に関連するニュース
-
フィットネス・ヘルスケアデバイスが2年間で20%以上伸長 - 運動・健康意識の高まりが生む新たな市場 -
@Press / 2024年10月24日 11時0分
-
バッテリーの販売数量は前年比15%増と好調 ー2024年9月の自動車用タイヤ・エンジンオイル・バッテリー販売速報ー
@Press / 2024年10月22日 11時0分
-
約6割強が4800万画素以上のカメラを搭載 -数字でみるスマートフォン端末-
@Press / 2024年10月17日 11時0分
-
「ピュレグミ」展開の菓子メーカー・カンロ SNS映えが業績を後押し
Finasee / 2024年10月16日 7時0分
-
シリアル市場、健康志向を背景に需要拡大 グラノーラ・コーンフレークが好調に推移
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年10月9日 1時0分
ランキング
-
1リモートワーク廃止の流れは経営者の支配欲求? 日本企業が「アマゾンに続け!」となるのは危険
東洋経済オンライン / 2024年10月29日 7時0分
-
2「NHK受信料不要テレビ」 小売り各社が注力も、大手家電メーカーは“控えめ”なワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月29日 7時10分
-
3「戻ってよかった」"出戻り転職"がうまくいくコツ 50代の「出戻り」が歓迎されたのには理由がある
東洋経済オンライン / 2024年10月29日 7時20分
-
4申請を忘れると18万円の損…FPが注意喚起「年末調整」で絶対に見落としてはいけない"記入欄"と添付書類
プレジデントオンライン / 2024年10月29日 7時15分
-
5女川原発2号機を午後に再稼働、東日本大震災後の東日本で初…福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉
読売新聞 / 2024年10月29日 13時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください