社団法人全国学力研究会、東京大学の推薦入試導入についての見解を発表

@Press / 2013年3月15日 13時0分

 教育に関するシンポジウム・講演会の開催や、教材開発などを行なっている社団法人全国学力研究会(所在地:東京都港区、理事長:河本 敏浩)は、このたび、東京大学の推薦入試導入に対する見解を発表いたしました。

 2013年3月に、東京大学が推薦入試導入を打ち出しましたが、批判の多い推薦入試をなぜ導入しようとするのか、現在起きつつある教育の世界の地殻変動を視野に入れ、その背景について分析をいたしました。東京大学が導入を検討している秋入学制度も今やうやむやになりつつありますが、これに加えて、批判の多い推薦入試になぜ東京大学が乗り出すのか、という疑問を抱く方も多いと考えられます。
 そういった疑問に対して、昨今の教育環境を踏まえ、本協会では以下のような見解に至りました。


■推薦入試導入の背景
【海外との競争を見据えた変革】
 東京大学が推薦入試を導入する要因を挙げるならば、今後、東京大学が入学者集めに苦戦する可能性が大いにあるということです。そのライバルとして考えられるのは、米国、英国の大学です。

 現在、ハーバードやイェールなど、米国の一級大学への入学を前提とした高校生対象の塾が東京で林立しつつあり、米国の一級大学に進学しようとする高校生は、今や無視できない勢力になりつつあります。

 また、そういった塾の登場だけでなく、米国大学の気風を誇る秋田の国際教養大学の偏差値上昇も、こういったグローバル志向の流れを象徴しています。

 文科省は愛知県の旭丘高校など5校を国際バカロレア導入実験校(※)として選定しました。この国際バカロレアを意識する高校生は、グローバル選抜へ向かうことを前提として学習を行います。

 米国の一級大学は優秀な高校生を世界中からスカウトしており、高校生にとって大切なのは、優秀だと思われる実績を積む事で、ペーパー試験は条件の一つに過ぎません。東京大学の推薦入試導入は、このグローバル化したスカウト競争に名乗りを上げるということです。

※“国際バカロレア”とは:インターナショナルスクールや各国の現地校の卒業生に、国際的に通用する大学入学資格を付与する仕組みです。


■推薦入試導入が与える影響
【東京大学用のカリキュラムを持った私立校・予備校の存在】
 この東京大学の推薦入試が順調に拡大していくかというと、その道筋には大きな障害が存在しています。

 導入までにネガティブキャンペーンにさらされることは必定で、その批判の主流は、東京大学に合格者を輩出することをもって威信を保っている私立中・高一貫校と予備校です。特に前者は、東京大学入試を意識した問題を中学1年生の頃から使用しているので、制度が大きく変化すれば、そのノウハウが無効になってしまうからです。東京大学の推薦入試導入に対する私立高校、予備校関係者のコメントがネガティブに流れていますが、それはこういった背景を考慮すれば、当然のことと言えます。

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