デジタルサイネージを活用した新たなアプローチ

@Press / 2013年3月19日 15時0分

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 電通が発表した「日本の広告費」によると、2012年(1~12月)の日本の総広告費は5兆8,913億円で前年比103.2%と、5年ぶりに前年実績を上回った。媒体別にみると、マスコミ4媒体の広告費は前年比102.9%となる2兆7,796億円で、そのうちテレビ広告費が前年比103%となったほか、新聞広告費、雑誌広告費もそろって増加した。また、屋外広告や交通広告、POPやチラシ、展示・映像などを含むプロモーションメディア広告費も2兆1,424億円と5年ぶりに前年実績を上回っている。

 そのプロモーションメディア広告の中でも、ポスターや屋外看板に変わる新しいプロモーションツールとして、ここ数年、注目を集めているのがデジタルサイネージだ。デジタルサイネージは、デジタル技術を使って、平面ディスプレイなどに映像や情報を流すことで、より視覚的に情報を発信できる新たなメディアとして、大型商業施設やホテル、駅などを中心に導入が進んでいる。しかし、ディスプレイなど機材にかかるコストの問題や、有効的なアプローチ方法を模索し、導入に踏み切れないといった事業者も多く、なかなか裾野を広げられていない状況にもあった。

 そんな中、これまでは比較的不特定多数の人々に対して、視覚的な効果を使い情報を一方的に発信するケースが主流だったが、ここ最近では、ピンポイントにターゲットをセグメントし、特定の層に向けてより効率的に訴求するための手段として、デジタルサイネージが活用されるケースも見受けられるようになってきた。その一例が、医療分野におけるコンサルティング事業などを展開する医療情報基盤(廣済堂グループ)が先日開始した、日本初の医療従業者を対象にしたデジタルサイネージ事業だ。この新たなプロジェクトは、同社がデジタルサイネージ機器を病院に設置し、院内の業務情報に加え、医療関連企業や一般企業などのPR情報も配信していくというもので、デジタルサイネージというメディアの新たな可能性を示す試みとして注目されている。

 まず、このサービスの最大の特徴は、広告枠を購入するクライアントが、医療従事者という特定のターゲットに向けて、ダイレクトに自らの商品やサービスを訴求できるという点だ。病院で働く医療スタッフはあまりにも多忙なため、医療施設や医療従事者を対象としている企業サイドとしてはアプローチすることさえ難しい状況にあった。しかし、病院に設置されたデジタルサイネージの広告枠を利用すれば、病院情報の間に、多くの医療従事者に対し自社の訴求したい情報を映像として自然な形で流すことができるというわけだ。可処分所得が多いとされる医療従事者に向けてピンポイントにアプローチできる点で広告を出す側としては大きな効果が期待できるだろう。実際にこのプロジェクトが公式に発表されてから、運営を行う医療情報基盤には、製薬会社や医療機器会社をはじめ、不動産業者や自動車メーカーまで多様な業種から問い合わせが増え始めているという。

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