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<「保温調理」に関する共同研究報告第二弾>猛暑到来!「保温調理」とカレーで美味しく夏を乗り切る 真空保温調理器でジャガイモの煮崩れを簡単にコントロール

@Press / 2013年6月27日 9時30分

図表1 図表2
サーモス株式会社(本社:東京都港区、社長:樋田 章司)は、調理科学の専門家である佐藤 秀美先生との共同研究第二弾として、当社のロングセラー商品「シャトルシェフ」を使って、ジャガイモに関する「保温調理」特性について実験しました。


ジャガイモは、夏の定番食カレーに使われる人気食材ですが、煮過ぎると崩れてしまうといった特徴があります。今回は様々な加熱条件のもと、ジャガイモの煮崩れの原因を解き明かし、ジャガイモ調理において保温調理にはどのような優位性があるのか検証しました。その結果、ジャガイモの煮崩れには加熱条件が密接に関係しており、保温調理はジャガイモの煮崩れを簡単にコントロールできることがわかりました。
今年1月にNASAゴダード宇宙研究所から、2013年の世界の平均気温は、観測史上最高となる可能性が高いことが発表されました。ジャガイモを使ったカレーは、材料を切って煮るだけで手間がいらず、スパイスの疲労回復効果も期待されており、猛暑にぴったりのメニューです。さらにシャトルシェフを使えば、沸騰させた余熱の力で調理するので、火を使う時間を短くでき、エアコンの消費も軽減できます(※サーモス調べ)。シャトルシェフを使ったカレーで、美味しくヘルシーに猛暑を乗り切ることが可能です。


<実験結果サマリー>
(1) ジャガイモ調理に対する悩みは「煮過ぎると崩れてしまう」という声が多数
(2) ジャガイモの煮崩れは、デンプン、加熱時間、外部からの力によって起こる
(3) 煮崩れを起こしているジャガイモほど、“味がよくしみ込んでいる”と感じられる
(4) 軟化後の保温時間によって、ジャガイモをネットリもしくはアッサリした食感に
(5) メニューに合わせて、保温鍋でジャガイモの煮崩れを簡単にコントロール


<佐藤 秀美先生考察>
本実験結果から、保温調理では、保温前の加熱時間の長短でジャガイモの仕上がりを簡単にコントロールできることがわかりました。肉ジャガのように“煮崩れ”が好ましい料理では、やや長めに加熱した後に保温調理すれば煮汁を高温に保てるため、弱火でグツグツ煮続けたような“煮崩れ”が起こります。逆に、スープ煮のような“煮崩れ”を避けたい料理では、短時間加熱後に保温調理時間を長めにすれば、煮汁の温度を適温に保ちつつ煮汁の対流が防げるため、“煮崩れ”が抑えられます。
「カレーにはジャガイモ!」というご家庭も多いことでしょう。ジャガイモの煮え方によって、カレーの味は大きく変化します。ジャガイモがトロトロに煮崩れすれば“まろやかなカレー”、煮崩れしなければ“香味豊かな、パンチのあるカレー”に仕上がります。いずれにしてもカレーは食欲を刺激し、数々のスパイスの健康効果で、夏バテの体には嬉しいメニューです。
保温調理中は火を使わなくても弱火で食材をグツグツ煮ている状態と同じです。ガス火で室温が上がることもなく、吹きこぼれ等を気にして台所に居る必要もありません。保温調理なら、夏でも気軽に、カレー作りを楽しめそうですね。

佐藤 秀美(さとう ひでみ) 学術博士(食物学)
横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。
学術博士。専門は食物学。大学で非常勤講師を務めるかたわら、東京栄養食糧専門学校を卒業し栄養士免許を取得。
研究者と主婦の目線で料理や栄養を研究。
著書に『おいしさをつくる「熱」の科学』、『カラダと健康の疑問に答える、栄養「こつ」の科学』(いずれも柴田書店)など。


(1) ジャガイモ調理に対する悩みは「煮過ぎると崩れてしまう」という声が多数
ジャガイモは年間を通じて流通しているため、カレーや肉じゃが、豚汁、シチューなどさまざまなメニューに使われています。中でもカレーは男性が奥様に作って欲しい料理1位に選ばれるなど、子供から大人まで大人気のメニューです[図表1]。しかし20~60代の520名の主婦を対象にWEBで調査したところ、主婦の約4割がジャガイモ調理に対して「煮過ぎると崩れてしまう」(38.1%)という声が多いことがわかりました[図表2]。
http://www.atpress.ne.jp/releases/36683/1_1.jpg

(2) ジャガイモの煮崩れは、デンプン、加熱時間、外部からの力によって起こる
それではジャガイモの“煮崩れ”はどのような過程を経て起こるのでしょうか。“煮崩れ”は<1>デンプン含量、<2>加熱条件、<3>外部からの物理的な力によって起こります。
はじめに煮崩れには、ジャガイモに含まれるデンプンが大きく関わっています。ジャガイモの表面組織のデンプンが煮汁を吸ってふくらみ(膨潤し)、表面の組織そのものが剥がれ落ちる、あるいは表面のデンプンが煮汁に溶け出すことで煮崩れが始まります。同じジャガイモでも、男爵の方がメークインよりも煮崩れしやすいのは、男爵の方がデンプン含量が多いためです[図表3]。
煮崩れの引き金となるデンプンの膨らみ具合(膨潤度)は、加熱時間、煮汁に浸っている時間で異なります。デンプンは熱や水が与えられるほど膨潤度が大きくなります。つまり加熱時間や煮汁に浸っている時間が長いほど、煮崩れしやすいのです。
さらに、“鍋から取り出す”、“加熱中にかき混ぜる”、など、デンプンの膨潤で軟らかくなったジャガイモに物理的な力が加わることも、煮崩れの原因になります。煮ている間に煮汁の対流の影響でジャガイモ同士がぶつかりあうことも、ジャガイモに物理的な力が加わることを意味します。つまり、煮汁が少なければ煮崩れが起きやすく、煮汁が多ければ煮崩れが起きにくいのです[図表4]。
http://www.atpress.ne.jp/releases/36683/2_2.jpg

(3) 煮崩れを起こしているジャガイモほど、“味がよくしみ込んでいる”と感じられる
煮崩れ”と“味のしみ込み”は密接に関係しています。[図表5]は味のしみこみと煮崩れの関係性をまとめたものです。煮汁は組織が崩れた(“煮崩れ”を起こした)部分から、ジャガイモ内部へ侵入してきます。つまり、味がよくしみ込んでいるジャガイモは、“煮崩れ”を起こす、あるいは起こし始めています。
http://www.atpress.ne.jp/releases/36683/2_2.jpg

(4) 保温時間の違いで、ジャガイモはネットリ、もしくはアッサリした食感に
ジャガイモの煮崩れと加熱時間・保温時間の関係について調べました。実験では普通鍋と保温調理鍋(以下 保温鍋)を使い、4通りの加熱パターンで同一時間ジャガイモを加熱しました。
普通鍋<1>は「沸騰後、弱火にしてグツグツ煮続ける」、普通鍋<2>は「沸騰後火を弱め、ジャガイモに竹串が入るくらいで火を止めて放置し、余熱でジャガイモを軟らかくする」という一般的な調理法を想定。保温鍋<3>は「沸騰後火を弱め、ジャガイモに竹串が入るくらいで保温する」、保温鍋<4>は「沸騰後火を弱め、少し煮てから保温する」(保温鍋<3>に比べて保温時間が長い)で設定しました。その結果、グツグツ煮続けると(普通鍋<1>)、余熱を利用した時よりも(普通鍋<2>)、煮崩れが大きくなることがわかりました[図表6]。
次に、ジャガイモに竹串が入るぐらい加熱した後に火を止め、余熱を利用した時と(普通鍋<2>)と保温した時では(保温鍋<3>)、保温した方が煮崩れが大きいことがわかりました[図表7]。これは保温鍋では火を止めた後も煮汁が高温に保たれるため、ごく弱火で煮続けた時と同じだからです。
さらに、同時間でジャガイモに火を通す場合、加熱時間を長くして保温時間を短くした時(保温鍋<3>)と加熱時間を短くして保温時間を長くした時(保温鍋<4>)を比べると、加熱時間が長く保温時間が短い方(保温鍋<3>)が“煮崩れ”が大きいことがわかりました[図表7]。これは、保温鍋<3>では煮汁の温度が調理時間全体を通して高くなるためです。
ジャガイモは、煮崩れが大きい状態の時にはネットリした食感に、逆に煮崩れが小さい時にはアッサリした食感に仕上がります。つまり、調理時間が同じなら、加熱時間を長くして保温時間を短くすれば煮崩れしてネットリした食感のジャガイモに、加熱時間を短くして保温時間を長くすれば煮崩れていないアッサリした食感のジャガイモに仕上げることができるのです。
http://www.atpress.ne.jp/releases/36683/3_3.jpg

(5) メニューに合わせて、保温調理鍋でジャガイモの煮崩れを簡単にコントロール
実験結果から、保温鍋では、保温前の加熱時間の長短でジャガイモの仕上がりを簡単にコントロールできることがわかりました。
ジャガイモ料理は、煮崩れが求められる料理と、煮崩れを避けたい料理に分かれます。肉じゃが等の“煮崩れ”が求められる料理には長時間加熱/短時間保温が向いています。表面がとろけてネットリしつつも、口に入れるとジャガイモのホクホク感が味わえ、しかも味がよくしみ込んだ肉じゃがに仕上がります。
逆に、カレーや洋風スープ、ポトフ等、“煮崩れ”を避けたい料理は短時間加熱/長時間保温が向いています。 ジャガイモが煮崩れないためにスープがデンプンで濁ることがなく、軟らかいながらもサラっとした食感のジャガイモを味わえます。
カレーの中でも、ジャガイモがトロっと煮崩れたカレーが好きな方もいれば、ジャガイモの形がちゃんと残っているカレーの好きな方もいると思います。好みに応じて保温調理鍋をうまく活用してみてはいかがでしょうか。


●実験概要●
実験場所  :佐藤 秀美先生自宅
実験期間  :2012年11月~2013年1月
実験目的  :ジャガイモの煮崩れに対する保温調理の優位性を検討する。
比較対象鍋 :(1) 真空保温調理器「(シャトルシェフ」)
       (2) 普通鍋(「シャトルシェフ」の内鍋)
       ※加熱機器:IHコンロ
試料    : ジャガイモ(約100g/個の男爵イモ)を4つ切にしたもの
       一回の加熱個数は16個(23.0g±0.2g/個) 計368g
       煮汁(しょうゆ・砂糖・うま味調味料)600g(塩分濃度1.2%)
各加熱法概要:ジャガイモと煮汁を鍋に入れて火にかけ、
       所定時間、加熱/放置/保温
       全工程終了時の煮汁の塩分濃度:1.3%
       普通鍋<1>では工程2の途中と工程3の開始前に
       水分蒸発相当量の熱湯を90ml、計2回(180ml)加水
測定項目  :(1) 温度 DATA COLLECTOR(安立計器株式会社、AM-7002)
       (2) 塩分 ポケット塩分濃度計(株式会社アタゴ、PAL-ES1)
       (3) 外観等の観察


【真空保温調理器「シャトルシェフ」について】
商品URL: http://www.thermos.jp/product/cooker/shuttlechef/index.html

真空保温調理器は、「調理鍋(内鍋)」と、それを保温する「保温容器」の2つで1セットという構成です。
保温容器は、魔法びんと同じ高真空断熱構造のため、熱を外に逃がしません。
よって、調理鍋(内鍋)で料理の材料を沸騰後、その調理鍋を保温容器に入れることで、余熱で調理ができます。
なお、保温調理とは、短時間火にかけた後に保温して、余熱を利用して食材に火を通す調理方法です。


【サーモス株式会社について】( http://www.thermos.jp/ )
世界で初めて魔法びんを製品化して以来、サーモスは優れた断熱技術とユニークな発想で、真空断熱マグ、保温弁当箱など生活を快適にする製品を皆様にご提供しています。魔法びんの高度な真空断熱技術に生活快適発想をプラスしたサーモスのさまざまな製品は、世界120ヶ国以上で愛されています。


【本製品に関するお問い合わせ先】
サーモス株式会社 お客様相談室
TEL:0256-92-6696

@Pressリリース詳細ページ
提供元:@Press

【関連画像】

図表3 図表4 図表5図表6 図表7シャトルシェフ

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