「分析産業の直面する課題と将来展望」調査報告書を公開
@Press / 2013年9月4日 11時0分
一般社団法人日本分析機器工業会(所在地:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町1-12-3、会長:服部 重彦 / 株式会社島津製作所 代表取締役会長)は、「分析産業の直面する課題と将来展望」に関する調査報告書を、同会の技術委員会が組織する調査委員会が取りまとめました。同内容は9月5日(木)に幕張メッセで開催されている展示会JASIS(ジャシス)内のJAIMAシンポジウムで一般向けに報告します。
同報告書は、第1章、第2章で分析産業がおかれている環境と現状、社会への貢献などの状況、第3章で強みと弱みの解析、第4章で直面する課題、第5章で将来展望について、それぞれとりまとめました。これらを踏まえ、第6章で今後の分析産業の発展のための提言をしています。
手法としては、1)分析産業がおかれている環境と現状を、社会状況、分類別分析機器の生産高などの市場規模、占有率などの内外のレポートからとりまとめ、2)同会の会員企業、一般ユーザー、米国展示会(Pittcon)参加者向けにアンケートを実施。平成13年度、16年度に行った同様の調査データとの比較解析を行いました。アンケートの質問内容は、主に国内外での競争力、阻害要因として考えられるものへの意識調査や分析機器に期待される将来像などについて行いました。また、内外有識者への個別ヒアリングを実施しました。
同報告により結論づけられた提言は、以下のとおりです。
1.海外展開のための支援システムの整備
分析機器の国際競争力を高め、海外市場、特にアジア地区を中心に拡大を図っていくために、1)分析技術支援センターの開設、2)分析者の技術認定制度の創設、3)分析関連規格の利用 を促進する。「高品質の分析が保証される」という日本製品のブランド強化と浸透が必要である。また、分析機器だけでなく、その分析手法、アフターサポート、分析技術者のレベル強化など、分析技術を総合的に支援するシステムが必要となる。そのため、海外展開支援の制度、組織の創設、分析研究者・技術者の資格制度の創設、有資格者のイノベーションを高める社会的な優遇の仕組みの整備などが考えられる。
2.国内における産学官及び産業間の連携推進施策
分析技術を産業として成長発展させるために有効と考えられる産学官および産業間連携に関する施策として、1)分析技術研究開発拠点の形成、2)分析ソリューションプラットフォームの創生、3)分析イノベーション創生プロジェクトの立ち上げが挙げられる。分析ソリューション、イノベーションを実現するために「ニーズ提供者とシーズ技術保持者」が課題を共有し、その解決に向けた産学官-産業間連携プロジェクトの立ち上げが求められる。
3.人材育成のための環境整備
これからの分析の担い手に対する育成事業、現在分析に携わっている人材に対する技術・知識の維持と向上、一般の人々に対する普及活動を継続的に推進する。現在の担い手に対しての国、自治体からの関与は薄く、機器メーカーや有料講習会参加が現状である。単発ではなく入門から上級にいたる一貫したプログラムが必要であり、国、学会、工業会などが積極的に関わり、一定水準のレベル保持に努める必要がある。また、一般への普及も大切であり、分析がもたらす成果、数値の意味などに対する正しい理解が得られることで様々な政策に対する理解が深まると考えられる。活動に対する運用しやすく、長期的な取り組みが可能な補助制度が望まれる。
4.優先的に実現すべき事業及び継続して検討すべき課題
提言では、分析産業の競争力強化に関する視点から、大きな成長がなされる日系企業を含む現地産業を支援することでアジアでの日本のポジショニングの向上を促す海外展開のための支援システム整備は、優先的に実施すべき緊急の課題であるとしている。国内の中小企業支援は、国内産業育成の観点で必要と考えられる。また、診断への分析技術の適用など、メディカル分野への展開も今後重要な課題であるとしている。今回の調査では、検討が不十分であるが、継続して検討すべきと考えられている。
同報告書(冊子)は、9月5日(木)(10:30~16:00)に幕張メッセ国際会議場104会議室で開催するJAIMAシンポジウムにて公開します。報告書の入手は直接事務局宛にお問い合せください。
分析産業の直面する課題と将来展望
目次
第1章 分析産業の現状
1.1 産業を取り囲む社会状況
1.2 産業の現状
1.3 機器の現状
第2章 分析産業の社会貢献
2.1 社会貢献の概要
2.2 産業への貢献
2.3 科学への貢献
2.4 市民生活への貢献
2.5 規制・規格制定を通じての貢献
第3章 分析産業の特徴 -強み・弱みの分析-
3.1 国内市場のここ10年と現状
3.2 競争力の分析
3.3 強み・弱みの分析
3.4 ユーザー向けアンケート(国内)
3.5 ユーザー向けアンケート(海外)
3.6 アンケート調査のまとめ
第4章 分析産業の直面する課題
4.1 前回調査からの経緯
4.2 分析産業発展のための市場拡大
4.3 産学官連携等、様々な形での連携の推進と強化
4.4 分析に関わる人材の育成と人材確保
4.5 分析機器の連携
4.6 規格などの標準化
第5章 分析産業の将来展望
5.1 市場拡大のための対応
5.2 産学官及び産業間の連携推進と強化
5.3 人材の育成・確保
5.4 分析機器間の連携及び標準化
第6章 総括と提言
6.1 海外展開のための支援システムの整備
6.2 産学官及び産業間の連携推進施策
6.3 人材育成のための環境整備
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