空冷式データセンターにおける二相式ダイレクトチップ冷却を使った実証検証を開始東京都産業労働局のGX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業に採択
@Press / 2024年11月20日 14時0分
◆二相式ダイレクトチップ冷却を搭載した高性能サーバーを既設データセンターに導入し高性能化を図る
◆サーバー電力の省エネ化と、既存データセンターの設備活用によるCO2排出低減を目指す
三菱重工業株式会社(東京都千代田区、社長:泉澤 清次、以下:三菱重工)、NTTコミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:小島 克重、以下:NTT Com)、NECネッツエスアイ株式会社(東京都港区、代表取締役執行役員社長 兼 COO:大野 道生、以下:NECネッツエスアイ)は、二相式ダイレクトチップ冷却※1を搭載した高性能サーバーを稼働中のデータセンターへ導入し、既存設備を大幅改造することなくデータセンターの冷却能力を高める実証検証を12月から開始します。(以下:本実証)本実証は、三菱重工の二相式ダイレクトチップ冷却を使ったデータセンターへの導入が、東京都産業労働局よりGX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業に採択されたことを受け実施します。
本実証により、サーバー電力の省エネ化と、既存データセンターの設備活用によるCO2排出低減を目指します。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/417650/img_417650_1.png
コールドプレート取付けイメージ
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/417650/img_417650_2.png
二相式ダイレクトチップ冷却コンポーネントイメージ
1.背景
生成AI等の普及に伴いGPU等の高性能なプロセッサーの利用が増加している一方、消費電力が大きく発熱量が高いため設備の増強が必要となっています。そのようなプロセッサーを搭載した高性能サーバーに対応するため、新設のデータセンターでは最新の冷却ソリューションを採用できますが、既設のデータセンターでは、既存設備の入替えが必要となり設備投資の増大が課題でした。そのため、既設データセンターにおいて、既存設備を有効活用することで設備投資を圧縮し、消費電力を削減しながら高発熱サーバーの冷却に対応するソリューションが求められています。
2.本実証の概要
本実証は、NTT Comの東京都内にある稼働中の空冷式データセンターで、三菱重工が提供する二相式ダイレクトチップ冷却を使用し高性能サーバーの冷却を実施します。二相式ダイレクトチップ冷却では、サーバー内部のプロセッサー上のコールドプレートに水ではない絶縁性冷媒を二相式(液体/気体)で循環させ、冷却を行います。水を使用しないため万が一サーバー内冷媒漏洩が起きても故障の心配がありません。また、二相式によりプロセッサーの熱を効率的に排出し、自律制御による冷媒循環で電力効率を高めます。また、NECネッツエスアイはIT機器の構築およびサーバー稼働の実証を三菱重工とともに実施します。
本実証によって、従来型の空冷データセンターにこの二相式ダイレクトチップ冷却を適用することで、稼働中のデータセンターへ既存設備を大幅改造することなく、高性能サーバーの導入を実現します。本実証により、既存設備を有効活用することで、高発熱サーバー需要に対応したサービスを検討し、GXに資する製品とサービスの社会実装を目指します。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/417650/img_417650_3.png
プロジェクトの体制
3.各社の役割
三菱重工業株式会社:プロジェクト統括、二相式ダイレクトチップ冷却の提供および実証
NTTコミュニケーションズ株式会社:データセンターサービスの提供
NECネッツエスアイ株式会社:サーバー調達、IT負荷・保守性検証
4.今後の展望
三菱重工グループは、将来的な市場の伸長が予想されるAIデータセンターに対し、高い信頼性と高効率の電源・冷却システム・監視システム、統合制御をワンストップで提供して、カーボンニュートラル社会の実現と地球環境保全に貢献していきます。
NTT Comは、持続可能な社会を実現するため、二相式ダイレクトチップ冷却を活用したソリューションに加えて、新しい通信ネットワークのIOWN APN※2や液冷方式のサーバー機器に対応したコロケーションサービスであるGreen Nexcenter(R)の提供を進めています。グリーンICTを活用して生成AIや高性能GPUといったお客様のニーズに応えていきます。
NECネッツエスアイは、当社の強みである総合的なSI力を活かし、カーボンニュートラルに寄与する次世代データセンター向けソリューションの展開、サポートを通じて、地球環境保全に貢献していきます。
※1:二相式ダイレクトチップ冷却とは、サーバー内部の半導体チップ(プロセッサー)上のコールドプレートに絶縁性冷媒を二相式で循環させ、水を使用しないで冷却する技術です。
※2:IOWNとは、スマートな社会の実現に向けた光関連技術および情報処理技術を活用したネットワーク・情報処理基盤のことです。「IOWN(R)」は、日本電信電話株式会社の商標または登録商標です。APNとは、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入したオール光ネットワークです。
関連リンク
【ダイレクトチップ冷却ご紹介サイト】
https://www.mhi.com/jp/products/infrastructure/direct_chip.html
【GX関連新技術等の社会実装化 採択取組企業等】
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/10/01/18.html
【液冷方式サーバー機器に対応した超省エネ型データセンターサービス「Green Nexcenter(TM)」の展開を開始】
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/1004_2.html?msockid=00cdba2a41a36f6128cfae19407b6ed1
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