「都市計画を巡る訴訟の抱える問題」新日本法規WEBサイト法令記事を2024年12月5日に公開!
@Press / 2024年12月5日 15時40分
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新日本法規出版株式会社(所在地:愛知県名古屋市中区栄1丁目23番20号、代表取締役社長:河合誠一郎)は、新日本法規WEBサイト法令記事「都市計画を巡る訴訟の抱える問題」を2024年12月5日に公開しました。
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執筆の背景
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どの分野の先生がどんなテーマの記事をご執筆いただけるかは公開までのお楽しみです。
今回のテーマは「都市計画を巡る訴訟の抱える問題」
都市計画は、望まない立ち退き、都市施設による環境悪化、再開発への強制参加など、多くの人の生活に多大な影響を与えることがあり、訴訟に至るケースは多い。それにもかかわらず、裁判所が行政の判断を違法とした事例がほとんどない理由について考える。
行政法的に見ると、都市計画を巡る訴訟には、処分性の壁、原告適格の壁、行政裁量の壁、時間の壁などがあると考えられる。
処分性の壁は、段階的に進む都市計画事業に対して、都市計画決定などの初期の段階では、処分性が認められず行政訴訟の対象とされないという問題である。下級審では奈良地裁平成24年2月28日判決など都市計画決定に処分性を認めた事例もあるが、高裁で破棄されている。
原告適格の壁は、都市計画法は公益保護を目的としており、個別住民の利益を保護するものではないとされ、都市計画事業の範囲内の者は別として、周辺住民らには原告適格が一切認められなかった。行政事件訴訟法改正や小田急大法廷判決(平成17年12月7日判決)を経て、事業の影響が大きく及ぶ可能性がある者には認められるようになったが、それでもなお、未だ限定された範囲の者にしか原告適格が認められていない。
行政裁量については、小田急小法廷判決(平成18年11月2日判決)「都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であり、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられている」として、都市計画について極めて広範な行政裁量の余地を認めている。
さらに、都市計画の中には戦前に定められたものもあり、半世紀以上が経過して、それを前提とした多くの既成事実が積み重ねられている。これが時間の壁である。
こういった多くの壁に阻まれてきた結果、都市計画について本案判断で行政の判断が違法とされ、それが確定した事例は、過去に1件しかない。伊東市における都市計画道路を巡る訴訟(東京高裁平成17年10月20日判決、行政の上告棄却)は、判決確定により都市計画が変更された唯一の事例である。
このように、ほとんどの訴訟が行政勝訴で終了しているものの、これまでの壁を打ち破る下級審の判断も出てきており、今後もチャレンジしていくことで司法判断を変えるきっかけになることが望まれる。
都市計画を巡る訴訟に立ち塞がる様々な壁について、過去の判決を挙げて解説した「都市計画を巡る訴訟の抱える問題」は下記より全文お読みいただけます。
執筆者
日置雅晴(弁護士)
「都市計画を巡る訴訟の抱える問題」
https://tinyurl.com/2cvd5qj2
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