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弘前大学と雪印メグミルクの共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」健康ビッグデータ解析より乳製品を多く摂取する人は収縮期血圧が低いことが示されました

@Press / 2025年1月29日 11時0分

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国立大学法人弘前大学(学長:福田眞作、以下「弘前大学」)と、雪印メグミルク株式会社(代表取締役社長:佐藤雅俊、本社:東京都新宿区、以下「雪印メグミルク」)の共同研究講座『ミルク栄養学研究講座(英語表記:Department of Precision Nutrition for Dairy Foods)』で、今回、青森県弘前市岩木地区住民の牛乳を含む乳製品の摂取量と血圧に関して研究した結果、牛乳・乳製品を多く摂取する人は収縮期血圧が低いことが示されました。
本研究成果は、高血圧研究に関する国際学術雑誌である「Hypertension Research」に掲載されました(2025年1月22日付)。

本研究は、岩木健康増進プロジェクトの健康ビッグデータを有する、弘前大学COI-NEXT拠点の参画機関として実施しました。
弘前大学と雪印メグミルクは、『ミルク栄養学研究講座』で、今後も健康ビッグデータ解析により、乳製品摂取と健康状態の関係を明らかにし、雪印メグミルクが強みとする骨や乳酸菌などの深耕に加え、ミルクの新たな健康価値を研究してまいります。
※収縮期血圧:心臓が収縮した時の血圧(数字の大きい方の血圧・上の血圧・最高血圧)
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/424249/img_424249_1.png

■発表概要
論文題名 高塩分摂取、低乳製品摂取集団において、乳製品摂取量は収縮期血圧および高血圧リスクと部分的に逆相関を示す:岩木健康増進プロジェクト健診データの
横断解析
(英語原題:Dairy consumption has a partial inverse association with systolic blood pressure and hypertension in populations with high salt and low dairy diets: cross-sectional data analysis from the Iwaki Health Promotion Project
掲載誌 Hypertension Research. 2025, in press;
https://doi.org/10.1038/s41440-024-02088-6

■論文掲載内容のポイント
日本人成人を対象とした健康ビッグデータを用い、牛乳・乳製品摂取と血圧について分析。牛乳・乳製品摂取量と収縮期血圧および高血圧リスクの間に逆相関が認められたことで、日常的な乳製品摂取は、収縮期血圧を低く維持し収縮期高血圧のリスク低減しうることが示されました。110種類の血液検査結果より、その作用には乳製品に豊富に含まれるリンが関与していることも示唆されました。
【論文の要約】
〇背景および目的
高血圧は心血管疾患の主要なリスク要因である。過剰な塩分摂取は高血圧につながるが、食塩摂取量が多い日本人の罹患率は高いままである。牛乳・乳製品の高血圧予防作用は複数報告されているが、日本人のように塩分の高摂取かつ牛乳・乳製品の低摂取の集団において、一般住民を対象とした研究は限られていた。また、牛乳・乳製品と血圧を関連付ける因子については十分に明らかにされていなかった。
そこで本研究では、青森県弘前市岩木地区の地域住民における牛乳・乳製品摂取量と、血圧の関係について解析するとともに、血液検査の測定結果に着目した検討を行った。

〇方法
■対象者:2015年岩木健康増進プロジェクト健診において、牛乳・乳製品摂取量および血圧の検査結果を有する健診参加者1,071名

■測定について
(1)乳製品摂取量調査:牛乳・乳製品摂取量は食事歴法により算出。
(2)血液指標測定:外部機関に測定を委託した血液検査の測定値、および測定値から算出される指標をあわせた合計110種類の血液指標を解析に使用。

■解析について
牛乳・乳製品摂取量が血圧にどのような影響を与えているか、血圧に関与する年齢、性別、食塩摂取量などの因子で調整を行いながら解析した(重回帰分析)。

〇結果
健康ビッグデータを解析した結果、以下のような結果が示されました。

■対象者1,071名における全体解析の結果
・普通および高脂肪の牛乳・乳製品の摂取量が多いほど、収縮期血圧が低くなる関連性
■降圧薬非服用者795名に限った解析の結果
・普通および高脂肪の牛乳・乳製品または乳製品全体の摂取量が多いほど、以下の結果が示された
(1)収縮期血圧が低くなる関連性
(2)収縮期の高血圧リスクが低くなる関連性

■血液指標の解析結果
・リンの代謝に関連する3つの血液指標(血中無機リン濃度、副甲状腺ホルモン、インターロイキン6)が普通および高脂肪の牛乳・乳製品摂取量および血圧のいずれにも相関

これらの結果より、日本人のような高塩分摂取、低乳製品摂取集団において日常的な牛乳・乳製品摂取は、収縮期血圧の上昇を抑制し、高血圧リスクを低下させることが示された。
また、その作用には乳中に豊富に含まれるリンが関与していることが示唆された。

【関連リリース】
・ミルク栄養学研究講座の開設
2023年4月14日発表:https://www.meg-snow.com/news/2023/18433/
・論文発表
2024年5月30日発表:https://www.meg-snow.com/news/2024/22667/
タイトル:「健康ビッグデータ解析より、骨代謝や骨強度は、日常的な牛乳・乳製品摂取と関係することが示されました」
・岩木健康増進プロジェクト健診
2024年7月11日発表:https://www.meg-snow.com/news/2024/22885/
タイトル:「岩木健康増進プロジェクト健診にて糖化年齢健診を行いました」

●「ミルク栄養学研究講座」の目的
弘前大学が実施してきた「岩木健康増進プロジェクト」の超多項目健康ビッグデータ解析による健康因子としての腸内菌叢の役割を解明するため、乳製品摂取をはじめとする食事パターンと腸内菌叢の関連において集団および個人の健康状態への影響を調べることを目的としています。
●弘前大学COI-NEXT拠点とは
弘前大学では、2022年10月に文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されました。弘前大学COI-NEXT拠点では、健康を基軸に、若者が地域で働きたいと思える成長産業として魅力的なヘルスケア産業を創出することによって、地域の人々を健康にしながら経済発展し、全世代の人々が生きがいをもって働き続けることができ、心身共にQOLの高い状態での健康寿命を延伸する、well-beingな地域社会モデルの実現をめざしています。これまでの弘前大学COI拠点の成果を発展的に承継し、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指すプロジェクトです。

●岩木健康増進プロジェクトと弘前大学COI拠点
弘前大学が青森県弘前市岩木地区で2005年から継続実施している大規模合同健康調査で、約3,000項目という世界に例のない膨大な健診項目を設けることで、巨大な健康ビッグデータを記録しています。弘前大学では、2013年に文部科学省・JSTによる「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」に採択され、岩木健康増進プロジェクト健診の超多項目健康ビッグデータの解析により、認知症・生活習慣病などの早期発見を可能にし、予防方法の創出と検証を行い、その成果を社会実装する研究活動を弘前大学COI拠点で展開しました。
(2013~2022年)

【報道関係者の方向けお問い合わせ先】
・弘前大学医学研究科 事務部 0172-39-5538


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プレスリリース提供元:@Press

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