養老孟司が「南海トラフ地震」に警鐘。4人の識者と語り合う『日本が心配』2/18発売
@Press / 2025年1月30日 10時0分
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、養老孟司さんの新刊『日本が心配』を2025年2月18日に発売します。2024年8月に続き、2025年1月13日にも「南海トラフ地震臨時情報」が発表されるなど、巨大地震への警戒が高まっています。本書は、養老さんがいま一番危惧している南海トラフ地震について、地震、防災、経済、環境を専門とする4人の識者と語り合った対談集です。災害発生時だけでなく、その後に予測される日本社会の変化を詳らかにし、今こそ日本人が真剣に考える時がきてると警鐘を鳴らしています。
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歴史的データと統計モデルで発生時期を予測
今後30年以内に発生する確率が80%程度といわれる南海トラフ地震ですが、本書の対談者の一人である尾池和夫京都大学名誉教授は、発生時期を2030年代後半から2050年代と予測。その中で、歴史的データや統計モデルを基に2038年を有力視しています。過去の地震は100~200年周期で起きており、昭和東南海・南海地震(1944~46年)から既に80年が経過。震源域は広範囲で最大M9クラスとなる可能性も考えられ、津波被害が大阪や名古屋などにも及ぶと予想される大災害です。これに対して養老さんは「都会的なシステムに依存しきっていると、震災が起きたときに何もできない。食糧やエネルギーを自給自足しながら生活を持続させることが重要だ」と、自給自足とは程遠い現代社会のあり方に懸念を示しています。
「日本が中国の属国になる」という最悪のシナリオ
さらに南海トラフ地震と首都直下地震が同時に発生すれば、東京、大阪、名古屋といった主要都市が壊滅的打撃を受け、日本全体が混乱に陥る可能性があります。元ゴールドマン・サックスアナリストで、現在は小西美術工藝社代表取締役社長のデービッド・アトキンソンさんは、複合災害が起きた場合の最悪のシナリオとして、「日本が中国の属国になる可能性」をあげています。このシナリオに養老さんも「中国が無償で支援してくれるわけはなく、かなり厳しい条件をつけてくる。日本経済にそれを突っぱねる元気もなさそうだ」と災害後の自力復興の難しさを指摘しています。
日本人が生き方を変えるための最後のチャンス
養老さんは、「地震後の日本社会がどうなるかを一番心配している」と本書で明かしています。その上で「南海トラフを境に、エネルギーが供給されない、日常的に水にも困る、食料が足りないとなれば、さすがに日本人も本気になるでしょう。自分の日常に関わってきて初めて、これは現実だと受け止め、思考スイッチがまじめに考えるほうに切り替わるのではないでしょうか。その意味では、南海トラフは日本人が本気で生き方を変えるための、最後の機会になると思う」と地震後に日本人が変化することに期待を寄せています。
『日本が心配』について
本書の構成
第1章 2038年、南海トラフ地震が起こる
尾池和夫(地震学者)×養老孟司
第2章 被災のシミュレーションと復興ビジョン
廣井悠(防災学者)×養老孟司
第3章 巨大地震後の日本経済
デービッド・アトキンソン(経営者)×養老孟司
第4章 復興後、自然環境はどう変化するのか
永幡嘉之(自然写真家)×養老孟司
著者
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養老孟司(ようろう・たけし)
1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。89年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞。著書に、『唯脳論』(青土社・ちくま学芸文庫)、『バカの壁』『超バカの壁』『「自分」の壁』『遺言。』『ヒトの壁』『人生の壁』(以上、新潮新書)、『日本のリアル』『文系の壁』『AIの壁』『子どもが心配』『老い方、死に方』(以上、PHP新書)など多数。
書誌情報
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書名:日本が心配
著者:養老孟司
定価:990円(税込)
判型・製本・頁数:新書判・並製・224ページ
ISBN978-4-569-85866-1
レーベル:PHP新書
発行:PHP研究所
発売日:2025年2月18日
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プレスリリース提供元:@Press
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