急性骨髄性白血病の再発因子、前白血病幹細胞を発見

@Press / 2014年2月26日 13時15分

ジョン・ディック博士
がん撲滅とがんのオーダーメイド医療で世界的に高い評価を有する、プリンセス・マーガレット病院がん研究センター(カナダ・トロント)※1のジョン・ディック(John Dick)博士率いるがん研究グループが、本日、前白血病幹細胞を発見したことを発表しました。

この幹細胞は、がん発生の第一段階で、急性骨髄性白血病(以下AML)の再発を引き起こす原因のひとつと考えられています。今回の発見は、幹細胞をターゲットにすることで、白血病の早期診断や効果的な薬剤開発に繋がると期待されています。

ディック博士によると、英科学誌ネイチャー電子版にも掲載された前白血病幹細胞の発見は、正常な細胞がAMLに変化するまでの過程を理解する上で飛躍的な一歩となりました。また、この幹細胞を診断に生かせれば、治療の効果が得られる患者を個別に特定できる可能性があるため、がんのオーダーメイド医療を進展させることにも繋がります。

前白血病幹細胞は、ディック博士の研究グループに、プリンセス・マーガレット病院がん研究センターの専門医やオンタリオがん研究所で高度な解析法を開発した遺伝子研究者なども加わり、大勢の患者のサンプルをもとに100を超える白血病遺伝子のゲノム解析を行うことで、発見に至りました。この研究には、ヒトの細胞に拒絶反応を示さない特殊なマウスで、ヒトAMLを成長させる実験も含まれています。

ディック博士は、トロント大学分子遺伝学部の教授や、OCIRでがん幹細胞プログラムのディレクターなどを兼務しており、20年以上にわたる研究の中で1994年に白血病の幹細胞、2007年に結腸がんの幹細胞をいち早く発見し、がん幹細胞分野の先鞭を付けました。

AMLは浸潤性が強く、最近の研究では、骨髄で発症することが明らかになっています。また、AML患者の約25%で、遺伝子「DNMT3a」の変異が原因となり、前白血病幹細胞が異常な成長を遂げることも判明しています。

ディック博士は、以下のようにコメントしています。
「今回の発見によって、がんの治療効果が高まることになり、ごく初期段階でがんを克服できる可能性があります。研究では、化学療法がAMLに効果的なケースもあると分かった一方、前白血病幹細胞には、化学療法の影響が及びません。この幹細胞が次のAMLの成長を引き起こし、最終的には再発してしまうため、幹細胞をターゲットにすることが有効なのです。」

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