“効き目のあるフレーズ、効き目のないフレーズとは?”「“限定モノ”に弱い女性」は本当だった!「普段よく見聞きする食料品の訴求フレーズにおける効果」調査~ “そのフレーズ、お客さんにしっかり響いていますか?” ~
@Press / 2014年4月17日 13時30分
総合広告会社の株式会社協同宣伝(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:滝沢 平)では、このたび、【「言葉」をテーマにした自主調査・第2弾】として、「普段よく見聞きする、食料品の訴求フレーズにおける効果」の実態調査を実施いたしました。
今回は「首都圏1都3県」(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を対象とし、各都県内に現居住する20代~60代の男女1,000名の皆様の声を、「一般消費者の最新実態」として把握した調査となっております。
食料品(飲料含む)の店頭やショッピングサイト等の「売場」では、購入直前時点での消費者の関心や購入意向を高めようと、多くの「訴求フレーズ」が使われています。その中には、昔から「定番」的に使われているものから、「お得感」や「信頼感」を強調しているものや、その他 趣向を凝らした物言いまで、実に多彩なフレーズが見られます。これら各々の狙いは肝心の消費者の購買行動において、どの程度達成されているのでしょうか?「情報の受発信」を取り巻く環境が日々変化している今、「購入」の主役である消費者の最新実態として、これらを把握しておく必要性は非常に高いと思われます。そうした問題意識から、消費者の「購入」意思決定プロセスの視点も取り入れた定量検証を行いました。
以下、その主な結果をご報告します。
― 消費者の「購入」意思決定プロセスに沿って、
「第1フェイズ/気になって注意を向ける」⇒「第2フェイズ/買ってみようかと検討を始める」⇒「第3フェイズ/買ってみようという思いが強くなる」⇒「第4フェイズ/最終的に買おうと決心する」という「購入以前」4フェイズと、さらに「購入後」の「第5フェイズ/買った後で、そのことを友人・知人達と話す」の計5フェイズ各々での「きっかけになる」とした上で、
その該当度合をポジ/ネガ5段階で設問、その加重平均スコアで全般傾向を確認しました ―
*調査対象の「訴求フレーズ」としては、「食料品」対象によく見聞きするものの中から、「価格を中心とした数字」自体が唯一最大の影響要因と思われるもの(例:「半額」「40%off」等)や、プレミアムキャンペーン等における「景品」自体に大きく依存すると思われるもの(例:「抽選で~が当たる」「もれなく~プレゼント」等)を含まない30フレーズを任意抽出しました。
― cf.後述<参考>
■≪第1フェイズ/気になって注意を向ける≫ベスト5は、
…『本日限り』『お買い得品』『今なら増量』『期間限定』『季節限定』。
まず、最初のフェイズ「気になって注意を向ける」における全体ベースでのベスト5は、『本日限り』『お買い得品』『今なら増量』『期間限定』『季節限定』となっています。(【図1】参照)
顔ぶれとしては、「限定モノ」(「…限り」「今なら…」を含めて)が4つ、しかも「本日」-「今」-「期間」-「季節」と、その「限定(時限)」度合が高い順にランクインしており、これらの「“今だけ”感」訴求は確実に「効果」に繋がっているようです。(また、別問での該当理由<FA>を参照すると、『季節限定』については、特に食料品として「旬なカンジ」といった魅力も加わっているようです)
その他では、『お買い得品』が第2位に入っています。このフレーズは、以降「購入意思決定フェイズ」が進むにしたがってランクを落としていきますが、ここでの第1フェイズにおける「最初の訴求」効果としては、高いアピール力を持っているようです。
【図1】「気になって注意を向けるきっかけになる」ベスト5
http://www.atpress.ne.jp/releases/45481/img_45481_1.jpg
【全体】
1位 本日限り 【+0.36】
2位 お買い得品 【+0.28】
3位 今なら増量 【+0.274】
4位 期間限定 【+0.269】
5位 季節限定 【+0.19】
また、明らかな傾向が見て取れるのは、男女間での大きな格差です。女性は、男性に比べて「あてはまる」度合が非常に高くなっており、「訴求フレーズ」の影響をより受けている(つまり、より効果的)と言えます。(たとえば男性は、全体で第3位の『今なら増量』でさえもスコアは僅かながらマイナスになっています)
実は、この「女性が男性を大きく上回る傾向」は、今回設定した5フェイズの全てにおいて共通でした。少なくとも食料品における「訴求フレーズ」の場合、実際の効果が見込める「女性」消費者の心をいかにして掴むことができるかが非常に重要と言えます。
■≪第1フェイズ/気になって注意を向ける≫ワースト5は、
…『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』『●秒に1つ売れています』
『CM放映中』『絶賛発売中』
『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め』。
一方、ワースト5を見ると、下位から順に『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』『●秒に1つ売れています』『CM放映中』『絶賛発売中』『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め』となりました。(【図2】参照)
これらの5つのフレーズは、その順位こそ違うものの、男女共通での「ワースト5」を構成しており、このうち特に『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』は男女とも最下位となっています。また、『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め』もワースト5に入っています。当然ながら、「タレント・有名人」「プロ/シェフ・料理研究家」が具体的に「誰」なのかによって、その様相はかなり変わってくるものと思われますが、「アドボケイト」「シェア」等の時代のキーワードが表わす「推奨 / 拡散」効果に大きな注目が集まっている今、そのお薦め情報の発信源が「友人・知人」以外の場合、その効果も発信サイドの思惑通りとはいかず、かなり限定的になってしまう危険性が大きそうです。
【図2】「気になって注意を向けるきっかけになる」ワースト5
http://www.atpress.ne.jp/releases/45481/img_45481_2.jpg
26位 ★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め 【- 0.46】
27位 絶賛発売中 【- 0.48】
28位 CM放映中 【- 0.49】
29位 ●秒に1つ売れています 【- 0.54】
30位 ☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め 【- 0.68】
次に、性別でのランキング(ベスト5/ワースト5)を示したものが【図3】です。
■≪第1フェイズ/気になって注意を向ける≫
特に女性において、“限定モノ”フレーズの有効性が特徴的。
女性のベスト5では、5つのうち、トップ3を含む4つが「限定モノ」で占められています。一方、男性では3つに留まっており、巷間でよく言われる「“限定モノ”に弱い女性」が実証された形です。
さらに、フレーズの顔ぶれを男女別に見てみると、男性では第5位に『ワケあり商品』が入っています。一般的に女性に比べて“理屈好き”と言われる男性像とダブって見える点も興味深いところです。
【図3】「気になって注意を向けるきっかけになる」-性別/ベスト5&ワースト5
http://www.atpress.ne.jp/releases/45481/img_45481_3.jpg
【女性】
1位 本日限り 【+0.64】
2位 今なら増量 【+0.56】
3位 期間限定 【+0.55】
4位 お買い得品 【+0.52】
5位 季節限定 【+0.48】
… …
26位 ★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め 【- 0.25】
27位 ●秒に1つ売れています 【- 0.31】
28位 絶賛発売中 【- 0.32】
29位 CM放映中 【- 0.34】
30位 ☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め 【- 0.52】
【男性】
1位 本日限り 【+0.08】
2位 お買い得品 【+0.03】
3位 今なら増量 【- 0.01】
4位 期間限定 【- 0.02】
5位 ワケあり商品 【- 0.09】
… …
26位 CM放映中 【- 0.64】
27位 絶賛発売中 【- 0.65】
28位 ★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め 【- 0.67】
29位 ●秒に1つ売れています 【- 0.76】
30位 ☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め 【- 0.83】
■≪第4フェイズ/最終的に買おうと決心する≫
- ベスト5は、
『本日限り』『今なら増量』『期間限定』『季節限定』『広告の品』。
- ワースト5は、
『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』『CM放映中』
『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め』
『●秒に1つ売れています』『絶賛発売中』。
次に、「購入」直前の決定フェイズ「最終的に買おうと決心する」における全体ベースでのベスト5は、『本日限り』『今なら増量』『期間限定』『季節限定』『広告の品』。(【図4】参照)
上位4つは、上記の「気になって注意を向ける」と共通の“限定モノ”フレーズでしたが、ここでは第5位に『広告の品』が入っています。いかにも「購入直前」らしいフレーズとも言えそうですが、文字通り、最終的な“背中の一押し”効果が垣間見られます。
一方、ワースト5は、『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』『CM放映中』『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め』『●秒に1つ売れています』『絶賛発売中』で、上記「気になって注意を向ける」とも全く同じセットとなっており、どうやらこれらのフレーズは、現在の消費者の「購入意思決定プロセス」には貢献しにくい傾向が見て取れます。
【図4】「最終的に買おうと決心するきっかけになる」-全体/ベスト5&ワースト5
http://www.atpress.ne.jp/releases/45481/img_45481_4.jpg
【全体】
1位 本日限り 【+0.16】
2位 今なら増量 【+0.01】
3位 期間限定 【- 0.04】
4位 季節限定 【- 0.05】
5位 広告の品 【- 0.08】
… …
26位 絶賛発売中 【- 0.56】
27位 ●秒に1つ売れています 【- 0.582】
28位 ★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め 【- 0.583】
29位 CM放映中 【- 0.60】
30位 ☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め 【- 0.69】
■≪第5フェイズ/買った後で、そのことを友人・知人達と話す≫
ベスト5― “限定モノ”の他、ここでは『新発売』がランクイン。
最後に、「購入後」の情報拡散フェイズとして、「5.買った後で、そのことを友人・知人達と話す」では、ベスト5が『季節限定』『期間限定』『新発売』『本日限り』『数量限定』。【図5参照】
【図5】「買った後で、そのことを友人・知人達と話すきっかけになる」
-全体/ベスト5&ワースト5
http://www.atpress.ne.jp/releases/45481/img_45481_5.jpg
【全体】
1位 季節限定 【- 0.28】
2位 期間限定 【- 0.31】
3位 新発売 【- 0.40】
4位 本日限り 【- 0.42】
5位 数量限定 【- 0.44】
… …
26位 販売数○個突破 【- 0.68】
27位 愛され続けて○○年 【- 0.68】
28位 「~(内閣総理、農林水産等)大臣賞」受賞 【- 0.699】
29位 絶賛発売中 【- 0.700】
30位 ●秒に1つ売れています 【- 0.71】
ここでは、他フェイズと同様に上位を占めた“限定モノ”の中でも、『季節限定』がトップとなっており、(前記の通り)食料品ならではの「旬」感が話題へのモチベーション要素となっている可能性を感じます。
また、特に目を引くのが『新発売』です。他の「購入以前の4フェイズ」では、そのいずれにおいてもベスト10入りも無かったものの、この「購入後/拡散フェイズ」では急上昇しています。やはり、友人・知人達との話に出す際に求められる「話題性・ニュース性」の文脈において『新商品』という事実は親和性が高いことが推定されます。その意味では、“買わせるフレーズ”というより、買った後に“広げさせるフレーズ”と言えるのかもしれません。
一方、ワースト5は『●秒に1つ売れています』『絶賛発売中』『「~(内閣総理、農林水産等)大臣賞」受賞』『愛され続けて○○年』『販売数○個突破』。
ここでの顔ぶれは、他の「購入以前の4フェイズ」とは明らかに趣を異にしており、いずれも「話題」にする際、「話」としての(“それがどうした”といった)ストーリー的展開性が非常に限定的と思われるフレーズが並んでいます。また、一般的な生活者の意識として、自らの消費経験を話題に出す際には、どこか「得意げ」にも似た感情を伴うことも多く、その意味合いでは「使えない」物言いである可能性も高く、少なくともこれらのフレーズを拠りどころにした情報拡散の見込みは低いと言えそうです。
=<参考/調査対象・30の訴求フレーズ>=
1.「本日限り」、2.「期間限定」、3.「季節限定」、4.「数量限定」、5.「絶賛発売中」、6.「新発売」、7.「NEW!(新しくなった)」、8.「CM放映中」、9.「広告の品」、10.「お買い得品」、11.「目玉商品」、12.「キャンペーン実施中」、13.「売り上げナンバー1」、14.「売れてます」、15.「販売数●個突破」、16.「●秒に1つ売れています」、17.「『モンドセレクション』受賞」、18.「『~(内閣総理、農林水産等)大臣賞』受賞」、19.「お値打ち価格」、20.「先着●名様」、21.「お一人様●個限り」、22.「『●●●(TV番組)』で紹介されました」、23.「『■■■(新聞・雑誌)』で紹介されました」、24.「店長おすすめ」、25.「『★★★(プロ/シェフ、料理研究家等)』のお薦め」、26.「『☆☆☆(タレント・有名人)』のお薦め」、27.「まとめ買いでお得」、28.「愛され続けて○○年」、29.「ワケあり商品」、30.「今なら増量」
- ※実査時の各語の提示順については、完全ランダマイズ化を行った
【調査実施概要】
「『普段よく見聞きする 食料品の訴求フレーズにおける効果』に関する実態調査」
~そのフレーズ、お客さんにしっかり響いていますか?
*対象者/サンプルサイズ(有効回収ベース):
首都圏1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)に現居住する20~60代の一般男女個人
― 合計1,000名(「性×年代」別の各セル毎に100名を割付)
*調査方法:登録パネルを活用したWEB調査
*調査期間:2014年3月19日(水)~20日(木)
*質問項目:
<各訴求フレーズに関する、買物時の意思決定フェイズ別での該当度合:5ps(段階評定)>
1.「気になって注意を向ける」きっかけになる度合
2.「買ってみようかと検討を始める」きっかけになる度合
3.「買ってみようという思いが強くなる」きっかけになる度合
4.「最終的に買おうと決心する」きっかけになる度合
5.「買った後で、そのことを友人・知人達と話題にする」きっかけになる度合
6.全対象30フレーズの中で、「買ってみよう」という思いが最も強くなるフレーズ(SA)
7.(6で選択したフレーズに関して)「買ってみよう」という思いが最も強くなる理由(FA)
8.買い物をする際、具体的に買う商品(銘柄等)の事前計画度(5ps)
9.購入を決定する際、店頭やショッピングサイト等の広告内容参考度合(5ps)
*実査機関:アイブリッジ株式会社
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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