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~別府温泉藻類 RG92が糖化型脱毛症を抑制~糖化による新規脱毛メカニズムを提唱 第8回 世界毛髪研究会議にて発表

@Press / 2014年5月20日 11時30分

AGEは間葉系 - 表皮系相互作用を阻害し脱毛症を惹起する
 ヘアケア、スキンケアに関する研究開発および総合サービスを提供する株式会社サラヴィオ化粧品(本社:大分県別府市、代表取締役社長:濱田 拓也)は、エイジング研究を進め、新たに糖化物質(AGE)による脱毛・薄毛のメカニズムを解明しました。

 年齢とともに増加する終末糖化産物(AGE)は、多くの老化現象に深く関与していることが知られていますが、これまでにAGEと毛髪成長および脱毛症の関係は未知のままでした。

 当社は、発毛の根幹をなす毛乳頭細胞の機能や間葉系 - 表皮系相互作用に及ぼすAGEの影響についての調査を行ってまいりました。その結果、AGEは毛乳頭細胞においてNF-κBを介して炎症性サイトカインの発現を増強させることにより、毛母細胞の増殖を抑制することが判明しました。

 さらに、当社が別府温泉で発見した藻類(RG92)から抽出したエキスが、AGEによる炎症性サイトカインの誘導を抑制することを見出しました。

 以上のことから、AGEは年齢とともに進行する脱毛症の原因物質であり、RG92は糖化誘導型の脱毛症を抑制する有効な機能性原料であると考えられます。

 この研究成果を第8回 世界毛髪研究会議<2014年5月14日(水)~17日(土)、韓国、済州国際コンベンションセンター>において発表しました。


【研究の背景】
 AGE(Advanced Glycation End products、終末糖化産物)は、糖とタンパク質、核酸、または、脂質の非酵素反応による結合、すなわち、糖化によって生成される最終産物の総称を指します。AGEは加齢にともない体内に蓄積し、認知症や動脈硬化性疾患等の発症に関与することがわかっています。AGEは炎症性サイトカインの発現を亢進させることで、様々な細胞機能にダメージを与えます。このような老化物質であるAGEに着目した最先端の研究が世界中の研究機関で進められています。

 老人性脱毛症の発症率も年齢とともに高まります。頭部全体における毛包のミニチュア化や毛髪の細毛化を特徴とする老人性脱毛症は、50~60歳頃から発症します。その原因として、ミトコンドリア機能の低下や酸化ストレスの増加が示唆されています。一方、男性型脱毛症は頭頂部と前頭部における毛包のミニチュア化を特徴とします。その作用メカニズムとして、男性ホルモンが毛乳頭細胞に作用し、TGF-β1、DKK-1、IL-6等のサイトカインを過剰分泌させ、これらが毛母細胞の増殖を抑制することが知られています。男性型脱毛症の発症も老化と関連しています。

 老人性脱毛症や男性型脱毛症だけでなく、女性型脱毛症などの発症においても、老化との関連性が示唆されますが、これらの脱毛症と糖化現象との因果関係は調べられていません。今回、当社は、世界に先駆けて糖化と脱毛症の関連性を調べる研究に着手し、AGEが間葉系 - 表皮系相互作用に変調をきたし、脱毛症を導くことを見出しました。


【研究成果の概要】
(1) AGEは毛乳頭細胞や表皮ケラチノサイトの増殖には影響を与えない
 毛乳頭細胞、あるいは、表皮ケラチノサイト(毛母細胞のモデルとして使用)をAGE含有培地で培養しても、それらの細胞増殖活性に変化はありませんでした。

(2) AGEは間葉系 - 表皮系相互作用を阻害する
 毛乳頭細胞(間葉系細胞)をAGE含有培地で培養し、その培養上清を用いて表皮ケラチノサイト(表皮系細胞)を培養すると、その増殖活性は有意に抑えられました。このことから、AGEは毛乳頭細胞に働きかけ、何らかの脱毛シグナルを分泌し、この阻害因子が毛母細胞の増殖を抑制することが示唆されました。

(3) AGEは毛乳頭細胞における炎症性サイトカインの発現を増加させる
 上記の脱毛シグナル因子の正体を解明するために、AGEを作用させた毛乳頭細胞の遺伝子発現解析を行いました。その結果、AGEは脱毛因子として知られている一連の炎症性サイトカイン(IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8、TNF-α)の発現を顕著に増加させることがわかりました。

(4) AGEはNF-κBを介して炎症性サイトカインの発現を増強する
 炎症性サイトカインの発現はNF-κB経路を介して亢進されることが知られています。そこで、NF-κB阻害剤を用いた実験を行ったところ、AGEによる炎症性サイトカイン(IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8、TNF-α)の発現が抑制されることを確認しました。この結果は、AGEで惹起された炎症性サイトカインの発現はNF-κB経路を介していることを示唆しています。

(5) AGEとテストステロンは相加的にIL-1αの発現を増加させる
 男性型脱毛症は老化が関連する代表的な脱毛症です。そこで、男性型脱毛症の主な原因因子である男性ホルモンとAGEの作用の関連性を明らかにするため、テストステロンの存在下・非存在下におけるAGEの作用について調査しました。その結果、AGEとテストステロンを併用処理すると、IL-1αの発現量が相加的に増加することがわかりました。この結果は、AGEが男性型脱毛症の発症を早める可能性を示唆しています。

(6) RG92はAGEによって誘導される炎症性サイトカインの発現を抑制する
 当社は、新規天然成分の探索、機能解析、またそれらを用いた商品の開発を行っています。
 当社が発見した別府温泉藻類(RG92)からRG92エキスを作製し、AGEの作用に対する効果を検証しました。その結果、RG92エキスはAGEにより毛乳頭細胞から誘導される炎症性サイトカインの発現上昇を抑えることがわかりました。このことから、RG92エキスは糖化に関連する脱毛・薄毛の予防・治療に効果的であると考えられます。


【今後の研究】
 本研究では、エイジング研究の観点から糖化と脱毛症の関連性を調査しました。年齢に伴って増加するAGEが脱毛症の原因物質になるという可能性を示し、糖化による新規の脱毛症発症機構を提唱しました。また、別府温泉で発見した温泉藻類から作製したRG92エキスがAGEによる発毛抑制作用を解消することを見出しました。今後は、当研究成果に基づき、糖化誘導性の脱毛症に特化したヘアケア商品を開発していく予定です。また、毛髪以外の皮膚関連細胞に対する生理作用や老化現象との関連性についても調査することで、美容と健康に関するRG92配合化粧品のラインナップを充実させていく予定です。


【発表者】
宮田 光義、末松 実佳、御筆 千絵、加世田 国与士
(いずれも株式会社サラヴィオ化粧品 中央研究所)


【学会発表に使用した資料(抜粋)】
<AGEは間葉系 - 表皮系相互作用を阻害し脱毛症を惹起する>
http://www.atpress.ne.jp/releases/46529/img_46529_1.jpg
<RG92エキスはAGEが惹起する炎症性サイトカインの発現を抑制する>
http://www.atpress.ne.jp/releases/46529/img_46529_2.jpg
<糖化による新規脱毛メカニズム>
http://www.atpress.ne.jp/releases/46529/img_46529_3.jpg
http://www.atpress.ne.jp/releases/46529/img_46529_4.jpg


【会社概要】
名称  : 株式会社サラヴィオ化粧品
所在地 : 大分県別府市大字鶴見1356-6
代表者 : 代表取締役社長 濱田 拓也
設立  : 2006年7月20日
資本金 : 6,300万円
業務内容: スキンケア、ヘアケア、メークアップ、
      化粧品、健康食品の製造販売
URL   : http://www.saravio.jp

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press

【関連画像】

RG92エキスはAGEが惹起する炎症性サイトカインの発現を抑制する糖化による新規脱毛メカニズム 1糖化による新規脱毛メカニズム 2

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