IEEE予測 2035年までに車からハンドル、クラクション、バックミラー、アクセル、ブレーキ・ペダルがなくなる?!
@Press / 2014年7月17日 9時30分
IEEE(アイ・トリプル・イー)は、自動走行車の未来について普及のための障害、自律技術、未来の自動車の機能、地域別の普及の可能性など専門家の意見を調査しました。この調査には、自動走行車の分野の研究者、関係者、大学生、団体メンバー、行政機関職員など200人以上が参加しました。
■普及の障害になるものとは?
自動走行車の普及の妨げとなる6つの障害について調査対象者に質問したところ、法的責任、政治、需要者承認(消費者にどれくらい受け入れられるか)が上位にあげられる一方で、コストやインフラ、また技術的な側面に関しては大きな障害にはならないと考えられていることがわかりました。
IEEEメンバーのPurdue School of Engineering and Technologyの電子およびコンピューター・エンジニアリング学部長を務めるヨウビン・チェン教授は、次のように述べています。「日常生活を根本から変える可能性を持つ技術が登場したときは、その技術が適切に使用され、人類の利益となるように、法律と政策を確立する必要があります。インテリジェント自動車の場合は特にそうです。法的責任や政策などの基本要素が定まると、技術とインフラが生まれ、インテリジェント自動車はより広く受け入れられるようになります。」
■未来の自動車
搭載する自律機能が増えると、現在一般的に使われている車の機能を持たない自動車を製造できるようになります。従来の車の機能がいつ大量生産車から消失するかを質問したところ、回答者の大半は、2030年までにバックミラー、クラクション、サイドブレーキがなくなり、2035年にはハンドルとアクセル、ブレーキ・ペダルもなくなると考えていることがわかりました。さらに、75%を超える人が、それまでに米国の全50州で自動走行車の使用を認める法案が可決されると予想しています。
IEEEフェローのイタリアのパルマ大学でコンピューター・エンジニアリングの教授を務め、VisLabの設立者でもあるアルベルト・ブロッギ氏は、次のように述べています。「自動走行車業界は、この数年間に技術向上とメーカーの受け入れ態度の両面で驚くほど成長し、消費者による受け入れのタイムテーブルに大きな影響を与えました。科学者と自動車メーカーは共同で、近い将来の自動走行車の生産を念頭に最新の自動車に搭載する自律機能を段階的に増やす努力をしています。広く受け入れられるには、まず、この技術を信頼足りうるレベルまで高めることが重要です。」
■動的自律技術
自律型走行車の開発には、技術の進歩が最も重要です。回答者の半数以上は、最も重要な技術としてセンサー技術(56%)をあげ、ソフトウェア(48%)、高度運転支援システム(47%)、GPS(31%)がこれに続きました。
IEEEメンバーのドイツカールスルーエ工科大学で教授を務めるクリストフ・スティラー氏は、次のように述べています。「自動走行車には、知覚とも言うべき計算上の意思決定を行うために、道路やその周辺環境に関する絶え間ない情報が必要です。センサーは、高度な知覚シナリオを実現するための、最も重要かつ信頼できる技術であり、小型で目立たず、信頼できるデータを提供してくれます。また、センサー技術は比較的安価であり、手頃な価格の自動走行車の製造に大きく寄与します。」
自律型自動車が安全に道路を走行するには、センサー以外にも、道路のデジタル・マップの作成が必要です。世界の完全なデジタル・マップの完成までどの程度の期間が必要になるかを質問したところ、回答者の約74%が今後15年以内に実現すると予測していることがわかりました。
■自動走行車の普及の地域別可能性
自律型自動車は世界中で有益であると考えられていますが、約過半数の54%が自動走行車の恩恵を最も受ける地域として北米を挙げ、次いで欧州が28%、アジアが17%と答えています。
【調査について】
この調査は、6月8~11日にミシガン州ディアボーンで行われた「IEEEインテリジェント自動車シンポジウム」の出席者と、電子メールを通じてIEEEのIntelligent Transportation Systems Society(インテリジェント輸送システム・ソサイエティ)のメンバーを対象に行われました。参加した専門家の業界経験には、大学生から20年以上の経験を持つ専門家までの幅があります。結果の分析により、すべての経験レベルを通じて一貫性があることが明らかになりました。このことから、自動走行車業界の将来に関する知見を得る上で、業界での経験年数が関係しないことがわかります。
【IEEEについて】
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上(日本国内のIEEE会員数は約14,000人)のエンジニアや技術専門家の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、活動を通じて世界中の工学やその他の技術専門職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電気・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版。2,000以上の現行標準を策定し、年間1,300を超える国際会議を開催しています。
詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。
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プレスリリース提供元:@Press
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