<外食・中食 調査レポート>外食・アルコール市場 ~伸びる“ちょい飲み”需要のドライバーは?~
@Press / 2014年8月1日 12時0分
外食・中食市場情報サービス『CREST』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:松野 智吏)はこの度、外食・アルコール市場のトレンドについて調査・分析しました。
2014年6月29日、居酒屋大手のワタミが上場以来初の赤字に転落し、居酒屋の1割にあたる60店を閉店すると発表した。同社創業者の渡邊氏は居酒屋事業の不振の原因について「お酒を習慣的に飲む人の減少や、『チェーン店の安心感』が強みにならなくなったため」とコメントしている。
今回のレポートでは、外食でお酒が飲まれる機会についてエヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST[*1]』から探ってみる。
■居酒屋業態の食機会数[*2]は減少傾向
まず2013年における外食市場の食機会数の伸び率(2009年比)をみてみる(図表1)。
【図表1】2013年 外食市場 業態別
食機会数の伸び率(2009年比、食機会ベース、%)
http://www.atpress.ne.jp/releases/49425/img_49425_1.png
外食全体の伸び率は+2.1%と増加。なかでもファミレス業態は+7.9%増と全体以上に伸び率が高く好調の一方で、居酒屋業態は-11.2%と大きく減少している。さらにアルコールが飲まれる食機会に絞ると、外食全体では-10.1%減、居酒屋業態は-13.3%減とその伸び率はさらに減少している。
外食でアルコールが飲まれる食機会が減少する中、居酒屋業態ではその傾向がさらに顕著で、消費者の食機会を増やすことに苦戦している様子がうかがえる。
■14-17時台の“ちょい飲み[*3]”が伸びている
では、減少するアルコールが飲まれる食機会について、喫食シーン別にみるとどうだろう。図表2は外食でアルコールが飲まれる食機会における、滞在時間・時間帯の食機会数の伸び率を分析したグラフである(図表2)。
【図表2】2013年外食・アルコールが飲まれる機会の
滞在時間・時間帯別 食機会数の伸び率(2009年比、食機会ベース、%)
http://www.atpress.ne.jp/releases/49425/img_49425_2.png
時間帯別にみると、外食全体では11-13時台の伸び率が最も高い。一方アルコールが飲まれる機会に注目すると、14-17時台が5年前から唯一プラス成長(+1.1%)しており、さらに滞在時間60分以下に絞るとその傾向が強くなる(+1.4%)。
5年前と比べて全体のアルコールが飲まれる食機会数が減少するなかで、時間帯と滞在時間に注目すると、唯一14-17時台の“ちょい飲み”の食機会数が伸びているといえよう。
■“ちょい飲み”は、「一人で」「配偶者・恋人と」
外食で14-17時台の“ちょい飲み”が増えていることがわかった。では消費者は、どこで、誰と“ちょい飲み”しているのだろうか。
図表3は2013年の外食でアルコールが飲まれる食機会における“ちょい飲み”の業態シェア(上位10業態)である。
【図表3】外食・アルコールが飲まれる食機会
“ちょい飲み”の業態シェア(上位10業態)(2013年、食機会ベース、%)
http://www.atpress.ne.jp/releases/49425/img_49425_3.png
“ちょい飲み”の業態シェアで最も大きいのは和風居酒屋で、続いてラーメン・ぎょうざ店が好まれている。さらに3位の洋風FRは上位業態の中で5年前から最もシェアを伸ばしている業態であった。
また“ちょい飲み”するグループタイプを分析すると、「友人と」や「同僚」よりも、「1人で」「配偶者・恋人と」のシェアが圧倒的に高く、その食機会数も伸びていることは興味深い(特典データ)。
消費者が外食でお酒を飲む機会は減少傾向だが、その飲み方も変わりつつあるようだ。
居酒屋各社が減少する食機会数を取り戻すためには、食機会数が伸びている「14-17時台で、滞在時間60分以下のアルコールを飲む機会」における、「一人で、または配偶者・恋人と」をターゲットとする“ちょい飲み”需要を掴むことが一つのキーとなりそうだ。
また、お酒を飲む機会の中で伸びる14-17時台の需要を取り込むためには、「一人」や「恋人・配偶者」とご飯を食べながらサクッと飲める店舗環境や、ターゲット層に合わせたメニュー戦略がポイントとなるだろう。
7月上旬に大手牛丼チェーン吉野家が、夕方からお酒やつまみを提供する“吉呑み”をスタートすると発表したことは記憶に新しい。暑さの厳しいこの季節に、居酒屋業態だけでなく外食全業態で、いかに消費者の喉の渇きを潤せるかに注目が集まりそうである。
▼本内容をご覧いただいた方への特典(2014年8月末まで)
特典データ「2013年 外食・14-17時台のアルコール市場 滞在時間別グループタイプシェア」を無料でご提供いたします。ご希望の方は下記お問合せ先までご連絡ください。
*1 CRESTとは
外食・中食市場において「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は http://www.npdjapan.com/service/food.html
*2 食機会数とは
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/昼/夕/間食)数
*3 ちょい飲みとは
本記事では“ちょい飲み”を、14-17時台の時間帯で、店舗滞在時間が60分以内の食機会と定義しています。
NPD 最新ニュース:
調査地域が全国へ拡大、さらに60~79歳のシニア層のインサイトを追加し、様々なニーズへのご提案が可能です。詳細情報をご希望のお客様は下記までお問合せください。
【会社概要】
エヌピーディー・ジャパン株式会社
所在地: 〒108-0074 東京都港区高輪3-23-17 品川センタービル13F
代表 : 代表取締役社長 松野 智吏
URL : http://www.npdjapan.com/
【お問合せ】
エヌピーディー・ジャパン株式会社
セールス&マーケティング
担当 : 高橋
TEL : 03-5798-7663
FAX : 03-5798-7665
Email: npdjapan.info@npd.com
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
【関連画像】
この記事に関連するニュース
-
「ワタミ×サブウェイ」は“健康志向”でファストフード業界を脅かす存在に⁉︎ 異例の大型買収を決断したワタミの狙い
集英社オンライン / 2024年10月30日 7時0分
-
ワタミが「サブウェイ」の日本事業を完全子会社化 ファストフード事業に参入…「ワタミのブランドもかなり年を取った。若者に人気のブランドに」渡邉美樹社長
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月25日 11時22分
-
ガストとサイゼ、「ファミレス衰退」での戦略の違い ちょい飲みに適応と、ファストカジュアルへの移行
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 8時30分
-
23年度中食実態調査 コロナ前比で中食利用が増えた意外な業態、減った業態
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年10月11日 22時45分
-
『スズモフェア2024東京』開催のお知らせ~展示ゾーン紹介~ / 鈴茂器工
PR TIMES / 2024年10月3日 13時45分
ランキング
-
1船井電機「給料払えません。即時解雇です」 社員が気づけなかった「3つ」の危険信号
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月30日 7時10分
-
2【速報】NHK子会社で社員が経費200万円以上を私的に不正利用、掃除機など購入 7年間で70件繰り返す
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月30日 15時55分
-
3なぜ今「昭和の町中華」が若者に人気なのか…「ミシュラン掲載ラーメン店」増加のウラで起きている意外な動き
プレジデントオンライン / 2024年10月30日 8時15分
-
4「サブウェイ」なぜワタミに?利点3つ考えてみた 「オーダーが難しい」問題は改善できるのか
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 14時0分
-
5自動車世界生産、6%減=中国で苦戦、認証不正影響も―大手8社
時事通信 / 2024年10月30日 16時34分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください