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「ビサクロン」を含有したウコンエキスに二日酔い改善につながる新機能を確認― 8月30日に「日本食品科学工学会第61回大会」にて発表 ―

@Press / 2014年9月1日 13時30分

ウコンエキスが肝細胞傷害抑制活性に及ぼす影響
ハウス食品グループ本社とハウスウェルネスフーズは、ウコンエキス中の成分「ビサクロン」の機能性を新たに発見し、二日酔いの改善につながる機能について、一連の研究により科学的に確認しました。
この研究成果を、2014年8月28日から30日まで中村学園大学(福岡市城南区)で開催された「日本食品科学工学会第61回大会」で発表しました。


【研究の背景】
ウコン(ターメリック)は、カレーに欠かすことのできないスパイスです。ハウス食品グループは、長年にわたり、その色素成分であるクルクミンに着目したウコン研究に取り組み、ウコンのもつ機能を科学的に確認してきました。
研究を進めていく中で、ウコンエキス中には二日酔いの改善を促す成分が含まれていることが示唆されたため、ウコンの機能性成分について探索を開始しました。


【ウコンの精油成分中に含まれる「ビサクロン」の新たな機能性の発見】
二日酔い低減効果のひとつとして、エタノールによる肝細胞傷害を抑制する活性を調べる試験を行った結果、ウコンエキスにはクルクミノイド(※1)よりも強い活性があることがわかりました[図1参照]。これをもとに、ウコンエキス中のクルクミノイド以外の活性成分の探索を行い、新たな活性成分として「ビサクロン」(※2)を特定しました[図2参照]。
(※1)クルクミン関連化合物の総称で、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンが含まれます。
(※2)精油成分の一種で、ビサボラン型セスキテルペン類に分類される化合物です。ビサクロンに関連する報告はきわめて少なく、機能に関する研究はこれまでほとんど行われていません。

[図1]ウコンエキスが肝細胞傷害抑制活性に及ぼす影響
http://www.atpress.ne.jp/releases/50524/img_50524_1.jpg
(※)肝細胞傷害抑制活性=各区の生存率/コントロールの生存率×100

[図2]ビサクロンの構造式
http://www.atpress.ne.jp/releases/50524/img_50524_2.jpg


【二日酔いモデルにおけるビサクロン含有ウコンエキスの作用】
二日酔いに対するビサクロン含有ウコンエキスの影響を調べるために、飲酒後の「自発運動量」を指標にして、動物試験による検証を行いました。
その結果、対照群では自発運動量が前日の30%程度に減少しました。これに対して、ビサクロン含有ウコンエキス群では前日の70%程度にとどまり、自発運動量の低下を抑えることがわかりました[図3参照]。

[図3]自発運動量に与える影響(19時~22時、3時間の累積)
http://www.atpress.ne.jp/releases/50524/img_50524_3.jpg


【アルコール摂取時、ビサクロン含有ウコンエキスに期待される機能】
口から摂取したアルコールは、20%が胃から、80%が小腸から吸収されます。体内に取り込まれたアルコールは、肝臓で人体に有害なアセトアルデヒド、無害な酢酸、水と二酸化炭素の順に代謝されて、最終的に尿や呼気で体外に排出されます。アルコールを多量に摂取するとアセトアルデヒドに加えて活性酸素も産生されます。活性酸素が過剰に産生されると、体の成分と反応し、さらには肝臓の細胞を傷害します。また、活性酸素が過剰に産生される状況下では、炎症性サイトカインの腫瘍壊死因子α(TNF-α)などが産生され、肝細胞の障害がさらに悪化します。
アルコール摂取時の体内の反応に着目した研究を行い、ビサクロン含有ウコンエキスに以下の機能があることを明らかにしました。

(1) アルコールにより誘導された酸化ストレスを抑制する機能
飲酒により発生する活性酸素から細胞を守る「グルタチオン」を指標として、動物試験による検証を行いました。マウスにエタノールを投与すると、酸化ストレスにより対照群では還元型グルタチオン濃度が低下し、酸化型グルタチオン濃度が上昇します。一方、ビサクロン含有ウコンエキス群では、還元型グルタチオン濃度の低下と酸化型グルタチオン濃度の上昇がそれぞれ抑えられ、酸化ストレスが抑制されていることがわかりました。

(2) アルコールにより誘導された炎症を抑制する機能
炎症を誘導することが知られている「TNF-α」と「インターロイキン6(IL-6)」を指標にして、動物試験による検証を行いました。マウスにエタノールを投与すると、対照群では「TNF-α」と「IL-6」が増加しましたが、ビサクロン含有ウコンエキス群では、「TNF-α」の増加が抑制される傾向が示され、「IL-6」の増加が抑制されました。
また、「TNF-α」による炎症をどのくらい抑えるのか、「血管細胞接着分子1(VCAM-1)」の発現量を指標として、培養細胞を用いた試験による検証を行いました。その結果、ビサクロン含有ウコンエキスの添加量に依存して、炎症が抑えられることがわかりました。

(3) アルコールにより誘導された肝障害を抑制する機能
肝機能を調べる血液検査で広く使われている「AST」と「ALT」を指標にして、動物試験による検証を行いました。「AST」と「ALT」は、からだを構成するアミノ酸をつくる酵素で、肝細胞に多く存在することが知られています。これらはアルコールで肝細胞が損傷すると、血液中に流れ出て値が増加するため、肝細胞がどのくらい損傷しているのかを知ることができます。マウスにエタノールを投与すると、対照群では血中「AST」と「ALT」が上昇しましたが、ビサクロン含有ウコンエキス群では、血中「AST」と「ALT」の上昇が抑制されることがわかりました。


<参考>
ウコン研究所サイト
URL: http://ukonken.jp/bisacurone/ (期待の成分ビサクロン)

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press

【関連画像】

ビサクロンの構造式自発運動量に与える影響

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