非正規雇用がうつ・不安障害の発症に及ぼす影響を発表 男性と未婚女性の非正規労働者は4年間のうつ・不安障害の発症が2倍と判明

@Press / 2014年9月5日 15時0分

 日本医科大学 衛生学公衆衛生学(所在地:東京都文京区)の可知 悠子らは、「非正規雇用がうつ・不安障害の発症に及ぼす影響」に関する全国規模のコホート研究(※1)により、男性や未婚女性の非正規労働者は、正社員と比較すると、4年間のうつ・不安障害の発症が2倍になるということを発表します。この研究結果は2014年9月1日(月)に「Scandinavian Journal of Work, Environment & Health」で発表したものとなります。
 ※本研究は「平成24-27科学研究費補助金 若手研究(B)(24790516)」の助成を受けております。


■非正規雇用がうつ・不安障害の発症に及ぼす影響に関する研究の概要
1.背景
 非正規雇用は雇用が不安定であり、所得などの処遇も低いため、メンタルヘルスの悪化につながる可能性があります。非正規雇用がメンタルヘルスを悪化させるかどうかについて、欧米ではコホート研究による知見が報告されていますが、我が国ではこれまで同様の報告がありませんでした。

2.研究方法
 厚生労働省が実施している全国規模のコホート研究である『中高年者縦断調査』のデータを分析し、非正規雇用がうつ・不安障害の発症に及ぼす影響を検討しました。2005年のベースライン調査に参加し、うつ・不安障害のなかった被雇用者15,222名(男性8,486名、女性6,736名)を2009年まで最大4年間追跡して、うつ・不安障害の発症の有無を調べました。

3.解析結果のポイント
<男性の非正規労働者>
 男性の正社員と比較して、うつ・不安障害の発症リスクが有意に高い傾向がみられました(調整後ハザード比(※2)1.79:95%信頼区間:1.28-2.51)。

<女性全体>
 非正規雇用とうつ・不安障害の発症との間に有意な関連はみられませんでした。しかし、婚姻状況別に分析を行ったところ、未婚女性の非正規労働者は、未婚女性の正社員と比較して、うつ・不安障害の発症リスクが有意に高い傾向がみられました(調整後ハザード比6.27:95%信頼区間:1.80-21.76)。

 男性と未婚女性の多くは主な稼ぎ手であり、おそらく不本意で非正規雇用として働いている層と考えられます。本研究ではこのような層でメンタルヘルスが悪化する可能性が明らかになりました。

4.発表雑誌
雑誌名 :Scandinavian Journal of Work, Environment & Health
     2014 Sep 1:40(5):465-72
タイトル:Precarious employment and the risk of serious psychological
     distress: a population-based cohort study in Japan
著者名 :Yuko Kachi, Toshiaki Otsuka, Tomoyuki Kawada
DOI番号 :10.5271 / sjweh.3442

(※1)コホート研究
ある要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、疾病の発症率を比較することで、要因と疾病発症との関連を調べる研究

(※2)調整後ハザード
1を超えている場合は、うつ・不安障害の発症に影響を及ぼす他の要因の影響を考慮した上で、非正規労働者におけるうつ・不安障害の発症のリスクが正社員に比べて高くなることを示す。

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