高速発射気泡による「針なし注射器」の開発に成功 ~ マイクロレベルの気泡で高精度の試薬輸送を実現 ~

@Press / 2014年12月2日 17時30分

開発した「針なし注射器」全長 約10cm
芝浦工業大学(東京都江東区豊洲/学長 村上雅人)機械工学科の山西陽子准教授は、針を使わずに気泡の圧力で試薬や遺伝子までも体内に届けることのできる「針なし注射器」の開発に成功しました。


市販の針なし注射器はバネの力で液体を高圧で発射し、皮膚を貫いて筋肉に薬剤を投与するものなどが開発されてきましたが、これは神経を傷つける恐れや、多少の痛みを感じるなどの問題がありました。

山西准教授は2012年に、液体中で電圧をかけることで高速発射されるマイクロレベル(1/1000)の気泡の破壊力を利用して細胞を切開、試薬や遺伝子を輸送できる「マイクロバブルインジェクションメス」を開発し(特許第5526345号)、細胞への新しい遺伝子導入デバイスを提案しています。

今回このデバイスの構造を改良することで、空気中でも使用可能、直接皮膚に押し当てるだけで、注射技術の習熟度に関係なく、痛みを伴わずに高精度で試薬を目的の場所へ輸送することのできる新たな注射器を開発しました。今後はさらなる構造の最適化を図り、企業と連携するなどして実用化を目指していきます。

<開発した「針なし注射器」全長 約10cm>
http://www.atpress.ne.jp/releases/54529/img_54529_1.jpg

<「針なし注射器」の構造 穿孔最小径 約4μm>
http://www.atpress.ne.jp/releases/54529/img_54529_2.jpg


■気泡による細胞加工技術「マイクロバブルインジェクションメス」(2012年)

細胞手術を行うなどのマイクロデバイスの操作には医師の高度な熟練技術が必要で、決して扱いやすいものとは言えません。また、最も一般的な電子医療機器のひとつである「電気メス」は、高周波の強力な電気を当てて細胞壁を切開するために細胞に熱ダメージを与えてしまう欠点がありました。
そこで2012年、山西准教授はマイクロレベルの微細な孔を空けると同時に、試薬輸送のできる「マイクロバブルインジェクションメス」を独立行政法人科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(さきがけ)の一環として開発しました。これにより、液体中で電圧をスイッチとして微細気泡を連続して打ち出す圧力で、マイクロレベルの空間でも試薬をまとった気泡を、医師の高い技術がなくとも安全に目的の場所へ、高精度で輸送することを可能としました。

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