卵の薄皮「卵殻膜」摂取による肝機能改善効果に関する論文がネイチャー・パブリッシング・グループ運営の電子ジャーナル「Scientific Reports」に掲載

@Press / 2014年12月19日 13時0分

国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区、総長:濱田純一、以下 東京大学)と、株式会社アルマード(本社:東京都中野区、代表取締役社長:鈴江 祐未、以下 アルマード)では、2007 年より産学連携によって、卵殻膜摂食による消化吸収に関する研究を行ってきましたが、このたび、本研究成果をまとめた論文が、世界的な総合科学ジャーナル「Nature」を出版する、ネイチャー・パブリッシング・グループ(NGP)が運営する、オープンアクセスの学際的電子ジャーナル「Scientific Reports(http://www.nature.com/scientificreports)」において、2014 年12 月15 日(月)に掲載されましたので、下記の通りお知らせいたします。
今回掲載された論文は、四塩化炭素誘導肝障害モデルラットが、微粉砕された卵の薄皮である「卵殻膜」の摂取により、肝障害の症状が改善され、炎症や肝繊維化形成が抑制されている方向の様々な変化が見られた、という成果に関するものです。


■論文概要
東京大学総括プロジェクト機構・総括寄付講座「食と生命」加藤久典特任教授の研究グループは、四塩化炭素誘導肝障害モデルラットを用いた実験から、微粉砕された卵殻膜(卵の薄皮部分)の摂取により肝障害の症状が改善され、さらに遺伝子レベルでの解析により炎症や肝繊維化形成が抑制される方向の変化が誘導されることを見出しました。そのメカニズムにはPPARγ-Endothelin 1(※)シグナリングにおける調節によると推察されています。四塩化炭素は肝臓に炎症を誘導し、長期間の投与では肝硬変のモデルとして動物実験において広く用いられています。肝臓機能に着目したのは、初期に行った正常ラットにおける遺伝子発現の網羅的解析により、肝線維化抑制に関わる変化が予想されていたためであり、本研究の成果から、従来、産業廃棄物とされていた卵殻膜の機能性を明らかにすることで、新たな機能性食品の創出や産業への貢献が期待できます。
(※…PPARγ:ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ、Endothelin 1:エンドセリン1)


■社会的意義・今後の予定
卵殻膜は通常可食部とされないので、食品産業においてその大部分が副産物や産業廃棄物として廃棄されており、あまり利用されていないのが現状です。年間7,000 トンあまりの廃棄が試算され、食品産業界では、その利用開発は環境問題などを含めて大きな課題となっています。一方で、卵殻膜は古くから炎症抑制作用を有するということが知られており、本研究ではこの卵殻膜を肝障害モデルラットに給餌し、繊維化形成さらに肝障害を抑制できたことを明らかにしました。ヒトでも同様の効果があるかについては今後の検討課題ですが、ヒトを対象とした試験も準備を進めており、結果を報告できるかと思います。また、他の疾患モデルにおいての検討も順次開始しています。
このように、今後も卵殻膜の有用性についての研究を進めることによって、新たな機能性食品の創出や産業への貢献が期待できます。

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