<水を考えるプロジェクト マスコミセミナー イベントレポート>気候の変化から水の飲用需要が高まる初夏の健康問題 急増する食中毒、熱中症などの注意点と対策を紹介
@Press / 2015年6月12日 17時30分
“水”の安全性や選び方、活用方法を改めて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」(事務局:東京都渋谷区)では、暑くなり始め、気候変化から水の飲用需要が高まる時期ということで、食中毒・熱中症など水に対する健康問題について改めてご紹介させていただくため、2015年6月11日(木)に、【初夏に気をつけたい水の問題。水を考えるセミナー】と題したマスコミセミナーを開催いたしました。
食のニュースや事件などがきっかけとなり、安全な食品選びのためにトレーサビリティ(生産、処理・加工、流通・販売等の段階で、食料品の移動を把握すること)への関心を持ちはじめる人が増加。2011年の東日本大震災や妊娠・出産をきっかけに、飲み水の安全性に関心を持つ人も多くいるようです。当プロジェクトは、食品だけでなく、日常生活に欠かせない“水”の安全性や選び方も重要だと考え、飲用水の安全性に興味を持ち、理解した上で飲用水選びの大切さに気付いていただくことを目的に2015年3月に発足いたしました。
今回のセミナーでは、「熱中症や食中毒など初夏に気になる水問題について傾向・現状の事例」、さらに、「どうすれば対策できるのか」、また、「近年話題となっている水の安全性(飲用の観点から)について、生活者が水の安全性の点で留意すべきこと」について、当委員会のメンバーである、矢野 一好 先生(公立大学法人 首都大学東京 客員教授)、井上 正子 先生(医学博士・管理栄養士 日本医療栄養センター所長)、橋本 淳司 様(水ジャーナリスト/アクア・コミュニケーター/アクアスフィア代表)の3名にご講演いただきました。
【講演(1)】『暑さと共に発生する食中毒について これからの時期水の衛生面で気をつけるべき点と対策 ほか』
例年6~8月の暑くなる時期に発生する細菌性食中毒について、首都大学東京 客員教授 矢野 一好 先生より、我が国における細菌等による水系感染事例と併せ、この夏身近な飲料水を利用するとき生活者がとれるちょっとした注意事項などをご講演いただきました。
生活者ができる水利用に関する注意点として、(1) 塩素消毒の効果が減少しているかつ、蛇口付近で雑菌が増えている可能性がある1日の水道水の使い始めは、蛇口を開けてしばらく流す、(2) ペットボトル水を利用する際は細菌の混入を防ぐため、「口のみしない」「飲み切り」を心掛ける(ボトル水でも原水の種類によっては、開封後に混入した菌が増えにくい“RO水”もある)の2点をご紹介いたしました。
◇矢野 一好 公立大学法人 首都大学東京 客員教授 保健学博士(北里大学)
一般財団法人機能水研究振興財団 理事、東京都食品安全情報評価委員会 副委員長、北里大学 衛生学部卒業(保健学博士)。東京都健康安全研究センター 微生物部長、一般財団法人北里環境科学センター 微生物部長、特定非営利活動法人バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事を経て現職。
【講演(2)】『7月の熱中症本格化を前に、改めて知っておくべき熱中症のメカニズムと対策法 ほか』
気温が上昇する中、水の摂取量が不十分であることにより、熱中症が増え始める初夏。日本医療栄養センター所長 井上 正子 先生より、熱中症と大きく関わりのある脱水症につて、近年家庭で発生する高齢者の熱中症についてご講演いただきました。
気になる脱水症の対策として、利尿作用のあるお茶やコーヒーの摂取、糖分を多く含むジュースの摂取ではなく、できるだけこまめに少しずつ水分を補給する(1.2Lの水を1回150mlずつ8回に分けて飲む)こと、経口補水液や、RO水にミネラルを加えたもの等、ミネラル分を含む水の飲用を推奨。また、高齢者の熱中症患者の半分を占める室内での熱中症に対しては、夏の暑い日に重い飲用水の持ち運びをしなくてもよい、ウォーターサーバーの活用をお勧めされています。
◇井上 正子 医学博士・管理栄養士 日本医療栄養センター 所長
女子栄養大学卒業。昭和大学 医学部にて学位取得。元北里大学 保健衛生専門学院教授・順天堂大学 医学部・日本大学松戸歯学部・女子栄養大学YSK講師。1989年日本医療栄養センターを設立。「医学」と「栄養学」の両見地から、「水と健康」及び「健康をつくる食生活」について情報発信している。主な著書に「現代生理学」「ミネラルウォーターBOOK」、「栄養学と食のきほん事典」など。
【講演(3)】『水の安全とトレーサビリティ(水はどこで生まれ、どのようにしてここまできたのか)水の種類と選び方』
ニュースや事件などがきっかけとなり、安全性やトレーサビリティに対しての注目が集まっていることから、水ジャーナリストである橋本 淳司 様より、全国民の水の安全性に対する意識調査をはじめ、「水道水」「ペットボトル水」「逆浸透膜で処理した水(RO水)」の違い、どういった成立ちで出来ているのかをご講演いただきました。
講演では、水の安全性に対する意識の高い地域の飲用水活用事情を紹介。埼玉県民の4名に1人がミネラルウォーターを利用している現状、福岡県では他都道府県の3倍のウォーターサーバー利用者がいるなど、これらの都道府県では飲用として水道水を利用するのではなく、水を積極的に“購入”している実態を紹介いたしました。また、「地元民がおいしいと感じる水ランキング」「水の安全性意識ランキング」でともに1位を獲得した熊本県に注目。安全な水を次の世代に引き継ぐために県を上げて取り組んでいる事例など、水のトレーサビリティに着目した内容となりました。
◇橋本 淳司 水ジャーナリスト/アクア・コミュニケーター/
アクアスフィア橋本淳司事務所 代表)
週刊「水」ニュース・レポート発行人、NPO法人地域水道支援センター理事、NPO法人WaterAid Japan 理事、NPO法人 日本水フォーラム節水リーダー、水課題を抱える現場を調査し情報発信、国や自治体への水政策提言、子どもや一般市民を対象とする講演活動を行う。現在、水循環基本法フォローアップ委員として国の水基本政策策定をサポート。静岡県立三島北高等学校スーパーグローバルハイスクール推進会議委員として水学習を通じたグローバル人材育成を行う。
■『水を考えるプロジェクト』プロジェクト概要
●プロジェクト名: 水を考えるプロジェクト
●設立年月日 : 2015年3月4日(水)
●活動目的 : 飲用水の安全性に興味を持ち、きちんと理解した上で
飲用水を選ぶ・飲むことを啓発する。
●参画メンバー : 井上 正子
(医学博士・管理栄養士 日本医療栄養センター所長)
橋本 淳司
(水ジャーナリスト/アクア・コミュニケーター/
アクアスフィア代表)
矢野 一好
(公立大学法人 首都大学東京 客員教授
保健学博士(北里大学))
●サイトURL : http://www.mizu-kangaeru.jp/
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プレスリリース提供元:@Press
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