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第57回米国血液学会年次総会における急性前骨髄球性白血病治療薬「タミバロテン」の中国における治験結果の発表について ― GNIグループ子会社GNI-EPS(香港)と東光薬品工業が共同開発 日本発の新薬を輸入薬として中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)に登録申請中 ―

@Press / 2015年12月7日 14時0分

アジア発グローバル創薬メーカーである株式会社ジーエヌアイグループ(本社:東京都中央区 取締役・代表執行役社長兼 CEO:イン・ルオ 以下、GNIグループ)は、「第57回米国血液学会年次総会」において、2015年12月6日、「タミバロテン」の中国における治験結果が、本治験の治験総括医師であり、中国医学科学院血液病医院 教授である王建祥M.D.、PhD(Jianxiang Wang, MD、PhD, Institute of Hematology, Hospital of Blood Diseases, CAMS, Tianjin, China)により、オーラルプレゼンテーションで発表されたことをお知らせします。

本治験では、中国国内で行った「タミバロテン」に関する比較臨床試験の結果、中国における再発急性前骨髄球性白血病症(以下、再発APL:Acute promyelocytic leukemia)の標準的治療法であるオールトランス型レチノイン酸(以下、ATRA:All-trans retinoic acid)及び三酸化砒素(以下、ATO:Arsenic Trioxide)の併用療法と比較して、「タミバロテン」及びATOの併用療法は同等以上の有用性と安全性が示されました。

王建祥医師は、「このように我々が実施した比較臨床試験において、再発APL症例の治療におけるタミバロテン及びATOの併用療法の有効性及び安全性を示すことができた。タミバロテン及びATOの併用療法は標準的治療法であるATRA及びATOの併用療法と比較して劣ることがない有効性・安全性を有しており、再発APLの治療において新たな選択肢として有用な治療法であると考えられる」と述べています。

なお、「タミバロテン(商品名:アムノレイク錠2mg)」は、現在、GNIグループの子会社であるGNI-EPS (HONG KONG) Holdings Ltd.(本社:香港 代表者:イン・ルオ 以下、GEP-HK)と東光薬品工業株式会社(本社:東京都足立区、代表取締役社長:小林洋一、以下、東光薬品工業)が共同で中国への輸入薬として中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA:China Food and Drug Administration)に登録申請中です。

また、「第57回米国血液学会年次総会」(ASH:American Society of Hematology、HP: http://www.hematology.org/Annual-Meeting/ )は、米国フロリダ州オーランドで2015年12月5日から8日まで開催されています。


■アブストラクト日本語訳要約
演題「再発急性前骨髄球性白血病患者を対象としたタミバロテン/ATO併用療法の有効性及び安全性について」
(セッション番号:615、2015年12月6日(日)10時15分より(米国太平洋時間)Orange County Convention Centerにおいて、オーラルプレゼンテーション)

目的  :再発急性前骨髄球性白血病患者を対象とした
     タミバロテン/ATO併用療法の有効性、安全性の検証
症例数 :71例
試験方法:多施設施設共同、非盲検、無作為化、並行群間比較臨床試験
投与方法:対照群<ATRA/ATO併用投与>
     ・ATRA 25mg/m2/day 最大56日間 経口投与
     ・ATO 0.15mg/kg/day(1日最大投与量10mg)最大42日間 静脈内投与
     試験群<タミバロテン/ATO併用投与>
     ・タミバロテン 6mg/m2/day 最大56日間 経口投与
     ・ATO 0.15mg/kg/day(1日最大投与量10mg)最大42日間 静脈内投与
主要評価項目:完全寛解率

<試験結果>
・脱落症例も含む薬剤が投与された全症例 Full Analysis Set(FAS)を解析対象集団とした場合の症例数は対照群及び試験群共に35例であった。FASにおける完全寛解率は、試験群80.00%、対照群54.29%で、試験群の完全寛解率は対照群に比べ有意に高かった(P=0.0220)。
・脱落症例を除いたPer Protocol Set(PPS)を解析対象集団とした場合の症例数はそれぞれ対照群27例、試験群33例であった。PPSにおける完全寛解率は試験群84.85%、対照群70.37%、両群間の差は14.48%で、その97.1%信頼区間は-9.06%から38.01%となり、非劣性の設定条件であるΔ=0.10を満たしたことから、試験群の対照群に対する非劣性が証明された。
・完全寛解に達した症例の内、分子生物学的完全寛解に達した症例数は、対照群に比べ試験群で多かった。
・重篤な有害事象は対照群3例(脳内出血2例、レチノイン酸症候群1例)、試験群1例(I型呼吸不全)に認められたが、重篤な有害事象の発現率においては、両群間に有意な差は認められなかった。
・発現した主な副作用は高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、皮膚症状、ALT上昇、AST上昇等の一般的に見られる所見で、これらの発現率に両群間で有意な差は認められなかった。
・重篤な有害事象であるレチノイン酸症候群の発症に関連性があるとされる白血球増加症の発現率は対照群に比べ試験群で有意に低かった。

<考察>
・タミバロテン及びATOの併用療法は標準的治療法であるATRA及びATOの併用療法と比較して劣ることがない有効性・安全性を有しており、再発APLの治療において新たな選択肢として有用な治療法であると考えられた。
*原文は、第57回米国血液学会年次総会の公式HP: https://ash.confex.com/ash/2015/webprogram/Paper80431.html をご確認ください。


■「タミバロテン(商品名:アムノレイク錠2mg)」について
「タミバロテン(商品名:アムノレイク錠2mg)」は、再発・難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)に対する治療薬で、日本国内において2005年に東光薬品工業が製造販売承認を取得し、同年より販売を開始しております。GEP-HKと東光薬品工業は、同製剤を中国において、輸入医薬品候補として臨床試験の実施など、共同開発を進めておりました。2015年2月には、臨床試験の中間解析を実施し、その結果が良好であったことから、2015年10月にCFDAへ輸入薬登録申請を行いました。

登録が承認されるまでには、約1~2年の審査期間が見込まれますが、この間に、GEP-HKと東光薬品工業は、業務提携契約に従って、同製剤の市場導入の準備に着手する予定です。

本医薬品が承認されれば、GNIグループにとって中国において特発性肺線維症患者に対する承認薬である「アイスーリュイ(中国語:艾思瑞(R))」に次ぐ2つ目の承認薬となり、同じく希少薬である、アイス―リュイの販売経験や、構築された有数の販売チャネルを活かした市場展開を行います。


■タミバロテンの受賞歴
1) 日本癌学会(2015年10月):「急性前骨髄球性白血病治療薬タミバロテンの開発研究」に対して2015年度のJCA-CHAAO(Chugai Academy for Advanced Oncology)賞を受賞しています。JCA-CHAAO賞は、新たな抗がん剤・治療法に関わる研究・開発を行い、日本のがん医療の発展に多大に貢献する成果物(POCまでの活動・新薬・機器を含む)を創出した個人又はグループの功績を称え授与されるものです。
2) 公益社団法人日本薬学会(2006年3月):「平成18年度創薬科学賞」
3) 独立行政法人科学技術振興機構(2006年7月):「第31回井上春成賞」
など


【付帯資料:急性前骨髄球性白血病(APL)について】
急性前骨髄球性白血病(APL)は急性骨髄性白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。染色体異常によってつくられるPML/RARαという異常分子が、前骨髄球の分化・成熟過程を阻害することにより、異常な前骨髄球が無秩序に増え、骨髄や末梢血中で増加します。

オールトランス型レチノイン酸(ATRA)やタミバロテン(商品名:アムノレイク(R))はこの白血病が有するPML/RARαという異常分子に特異的に働く分子標的薬で、抗がん剤治療とは異なり、白血病細胞を破壊するのではなく、より成熟した細胞に分化させることで治療効果を発揮します。

ATRAが用いられるようになって、急性前骨髄球性白血病の治療成績は劇的に改善しましたが、一部にATRA耐性を獲得し、難治性化する症例があり、耐性克服が今日の課題になっています。タミバロテンは急性前骨髄球性白血病細胞に対しATRAを上回る分化誘導作用を有し、連日投薬によっても優れた薬物動態が得られるという優れた特性があることなどから、ATRA耐性を克服する可能性が期待されています。

APLは、急性骨髄性白血病の約15~20%を占める希少疾病です。2005年度の推定では、日本における患者数は約500人~700人で、そのうち、約200人が「再発又は難治性」と推計されます。人口比率から推定すると中国における潜在的な患者数は日本の約10倍(5,000~7,000人)と推計されます。

本文中にもありますが、中国国内で行った臨床試験の結果、中国におけるAPL標準的治療法であるATRA及び三酸化砒素(ATO)の併用療法と比較して、タミバロテン及びATOの併用療法は同等以上の有用性と安全性を示しました。

本登録申請が承認されれば、本剤は中国における再発APLの治療において、新たな選択肢として有用な治療法を提供できるものと考えられます。


■東光薬品工業株式会社( http://www.medicine.co.jp/toko/ )について
東光薬品工業株式会社(本社:東京都足立区新田3丁目8番19号 代表取締役社長:小林 洋一)は、医療用医薬品・一般用医薬品(主に外用剤)、医薬部外品、化粧品等の研究開発、製造、販売を行っています。また、1998年より新薬開発に取組み、2005年に急性前骨髄球性白血病治療薬「アムノレイク錠2mg(一般名:タミバロテン)」の承認を取得し、製造販売をしています。一人ひとりの豊かな「生活」に貢献できる企業として、3つの「生」:「生命、生活、生きがい」をテーマに健康を科学します。


■株式会社ジーエヌアイグループ( http://www.gnipharma.com/ )について
株式会社ジーエヌアイグループ(東証マザーズ:2160 本社:東京都中央区日本橋本町2丁目2番2号 取締役・代表執行役社長兼 CEO:イン・ルオ)は、アジア発グローバル創薬メーカーとして「希少疾患向け医薬品を世界の患者の皆さまにお届けすること」をミッションとしています。中国と米国に研究開発、臨床開発部門を、中国に製造拠点および販売部門を有し、独自の事業モデルが注目されています。

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プレスリリース提供元:@Press

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