可夢偉が自己最高位を記録した、F1第10戦ドイツGP決勝リポート!

Autoblog JP(オートブログ) / 2012年7月22日 22時51分

可夢偉が自己最高位を記録した、F1第10戦ドイツGP決勝リポート!

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2012年F1第10戦ドイツGP決勝レースが22日、ホッケンハイム・サーキットで行われた。昨夜お伝えした結果速報に続いて、画像を追加しながらレースのリポートをお届けしよう。


前日の予選は第2ラウンドが始まるときに雨が激しくなり始め、タイムアタックのタイミングで大きくラップタイムに差が出るという状況。出遅れたザウバーの小林可夢偉は13番手に終わる。そして逆に雨が減り始めた第3ラウンドでは、ウェットの路面で見事な走りをまとめたフェラーリのフェルナンド・アロンソがトップ・タイムを記録。2番手は惜しくも地元でポール・ポジションを逃したレッドブルのセバスチャン・ベッテル。同じくレッドブルのマーク・ウェバーは3番手タイムを記録したが、ギアボックスを交換したため5グリッド降格となる。代わって2列目につけたのはメルセデスのミハエル・シューマッハとフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグというドイツ勢が続く。3列目はウイリアムズのパストール・マルドナドとマクラーレンのジェンソン・バトン。同じくマクラーレンのルイス・ハミルトンと、降格して来たウェバーが4列目に並ぶ。なお、予選で12番手のタイムを記録したザウバーのセルジオ・ペレスは、他車を妨害したとして5グリッド降格となり、代わって可夢偉が1つ上がり12番グリッドからのスタートとなった。



そして晴れ渡った日曜日、現地時間14時(日本時間21時)に決勝レース開始。まずポール・ポジションのアロンソが上手いスタートを決めて一歩リード。ベッテル、シューマッハ、ヒュルケンベルグと続いて、バトンが1つ順位を上げて来た。後方では接触があったらしくマシンのパーツが散乱する。1周目の6コーナー、タイヤが温まりやすいというマシンの特性を武器に、シューマッハがベッテルに仕掛けるが、ベッテルはこれを何とか抑える。アロンソ、ベッテル、シューマッハ、ヒュルケンベルグ、バトン、マルドナド、ウェバー、ハミルトンという順に1周目のコントロール・ラインを通過。フロント・ウイングをなくしたフェラーリのフェリペ・マッサらがピットへ。

3周目、ハミルトンの左リア・タイヤがパンク。スタート時に散らばったパーツの破片を拾ってしまったらしい。大幅に速度を落としてピットへ戻る。「このままリタイアするか」というやり取りがドライバーとチームの間で交わされたようだが、結局タイヤを履き替えて「走行可能」と判断されたらしく、レースに復帰。

4周目頃になると、トップのアロンソと2位走行中のベッテルとの差がわずか0.5秒にまで接近。3位のシューマッハはやや引き離される。小林可夢偉は11位に順位を上げている。

7周目、10位にまたひとつ順位を上げた可夢偉の前に、ザウバーのチームメイト、セルジオ・ペレスが出る。可夢偉は他の大勢とは異なり硬めのミディアム・タイヤを装着してスタートしていたのに対し、ペレスはソフト・タイヤを選択。チーム内で作戦が分かれたため、先にピットインしなければならないペレスを前に出した、ようにも見える。

8周目、好調バトンがヒュルケンベルグを抜いて4位へ。11周目にはコーナーでシューマッハのインを刺し、3位に上がる。

この辺りで1回目のタイヤ交換に向かうマシンが出てくる。10番手スタートから2つ順位を上げていたロータス・ルノーのキミ・ライコネンが、11周目を走り終えてピットへ。次の周では5位走行中のヒュルケンベルグと、7位のウェバーがピットへ向かう。ウェバーがコースに戻ったときには、ライコネンに先行されてしまった。

14周目を走り終えたところでシューマッハがタイヤ交換。軟らかめのソフト・タイヤを続けて装着。ライコネンとヒュルケンベルグの後ろでコースに戻ったが、すぐに2人をパスする。

17周目が終わったとき、4位まで順位を上げていたペレスがタイヤ交換へ。次の周にはトップのアロンソ、さらに1周後にバトン、20周目を終えたところでベッテルがピットイン。上位陣はここで硬めのミディアム・タイヤを選択したようだ。

21周目、ライコネンがシューマッハを抜き返す。22周目を走り終えるところまで引っ張って、可夢偉がタイヤ交換へ。

各車1回目のタイヤ交換を終えたところで、順位はトップがアロンソ、2位ベッテル、3位バトン、4位にライコネンが上がって来て、5位シューマッハ、6位ヒュルケンベルグ、7位ペレス、8位ウェバーと続いて9位に小林可夢偉だ。

25周目、フォース・インディアのポール・ディ・レスタに抜かれた可夢偉だが、同じ周回でまた抜き返し、9位を守る。その前では、ヒュルケンベルグのマシンをペレスが攻める。ザウバー対フォース・インディア。決勝レースにおけるマシンの速さはザウバーの方が勝っているように見えるが。



ペレスとウェバーに抜かれて順位を落としていたヒュルケンベルグが31周目を走り終えたところで2回目のタイヤ交換へ。

33周目、6コーナー(このコースの抜きどころの1つ)で可夢偉がウェバーをオーバーテイク。7位に上がる。

序盤のトラブルが尾を引いて周回遅れになり、ベッテルとバトンの間を走っていたハミルトンだったが、35周目、DRS(可変リアウイング:一時的に空気抵抗を減らし最高速度を上げて前車の追い越しに使える装置)を使って、2位走行中のベッテルをオーバーテイク(してしまう)。優勝争いをしているベッテルとしては、周回遅れのマシンに邪魔されてはかなわない、とばかりに手を上げて抗議する。

36周目を終えたところでシューマッハが2度目のタイヤ交換へ。軟らかめのソフト・タイヤに履き替える。

1位アロンソと2位ベッテルの間は、ハミルトンを挟んで約2秒。ハミルトン、今度はアロンソをつつき始める。あのパンクがなければ...と思わせる速さだ。

39周目、ライコネンも2度目のタイヤ交換。可夢偉はペレスの前へ出る。

40周目が終わったところでバトン、ペレス、ウェバーらがタイヤ交換のためにピットへ。マクラーレンのピット・クルーたちは、「この日最速のピット作業タイム」を叩き出してバトンを後押しする。



さらに次の周、トップのアロンソと2位のベッテルが同時にタイヤ交換へ向かう。2台はそのままの順位でピットを出るが、コースに戻ったときには、"爆速" のピットストップを済ませていたバトンがベッテルの前へ出ることに成功。周回遅れのハミルトンがベッテルの前に出て "抑えて" くれたこともあり、バトンはチームに助けられた。

小林可夢偉は43周目を走り終えて2回目のタイヤ交換へ。ヒュルケンベルグの後ろ、7位でコースに戻ったが、最速ラップタイムを記録しながらこれを追い回し、46周目にオーバーテイク、6位に上がる。

47周目頃になると、トップのアロンソと2位のバトンの差は0.6秒程度。バトンはブレーキングでタイヤをロックさせてしまい、フロント・タイヤにフラット・スポット(ロックしたタイヤのある一部だけが路面に削られ、平らな箇所ができてしまうこと)を作ってしまったようだが、振動の出ているマシンでそれでも優勝目指してアロンソを追う。



小林可夢偉は最速ラップタイムを更新しながら、前を行くシューマッハを追い掛ける。52周目にはその差が4秒。レースはまだ残り15周あるから、追いつくのではないか、と思ったその時、シューマッハが3回目のタイヤ交換へ。可夢偉は直接対決をせずに5位へポジションを上げる。

これで順位は1位アロンソ、2位バトン、3位ベッテル、4位ライコネン、5位小林可夢偉、6位ペレス、7位シューマッハとなる。

58周目、とうとうハミルトンがピット内でマシンを止めてリタイア。やはりマシンはダメージを負っていたようだ。

バトンにピットから「燃料のミクスチャーを上げろ(そうすることでパワーを上げてトップを狙え)」との無線が入る。自己ベスト・タイムを出しながら逃げるアロンソ。バトンの後ろにはベッテルが近づく。

レース終盤の64周目、トップのアロンソと2位バトンとのタイム差は約2.5秒。バトンと3位ベッテルの差は1秒を切る。これでベッテルはDRSが使えるのだが、レッドブルのマシンは最高速度が他のマシンと比べてもう一つ伸びない。おまけにベッテルのマシンはKERS(運動エネルギー回生システム:ブレーキング時に発生するエネルギーを蓄えておき、一時的な加速装置として用いることができる装置)にトラブルを抱えているようだ。だからなかなかバトンを抜くところまで行けない。

レースは残り1周となった66周目、ベッテルはバトンのアウト側に並んでコーナーに入り、コースの外にはみ出しながらも、コーナー出口でバトンの前へ出ることに成功。だが、この「コースの外に1度出て、戻ったときにアドバンテージを得た」ということが審議の対象となる。



67周のレースを終えて、先頭でチェッカーフラッグを受けたのはフェルナンド・アロンソ。ポール・ポジションからスタートして実質的には1度もトップを明け渡さない、見事なレース運びだった。2位はセバスチャン・ベッテル、3位がジェンソン・バトンという順位でゴールしたが、ベッテルには先述の審議の結果、レース後に「20秒加算」というペナルティが科せられる。というわけでこの3人が表彰台に立ち、かつて3度のワールド・チャンピオンに輝いた名ドライバー、ニキ・ラウダによるインタビューを受けたけれど、ベッテルは結局5位まで降格。代わって3位にはキミ・ライコネン、そして4位に小林可夢偉が入った。

可夢偉は終盤、3回目のタイヤ交換をしたメルセデスに更新されはしたが、2ストップ作戦のドライバー達の中では最速ラップを記録するという速さを見せた。これまで5位は2011年のモナコ、2012年のスペインで記録しているが、4位は自己最高リザルト。予選での出遅れ(雨が強くなり始め、全車が慌ててコースインする中、可夢偉のザウバーはまだ給油ホースがささっていたそうだ)がなければもっといけたかも...と思わずにいられない。だが今年のザウバーと可夢偉の速さなら、残り10戦で表彰台に上れる可能性は十分ありそうだ。




最終的な決勝レースの結果順位は以下の通り。

優勝 フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
2位 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
3位 キミ・ライコネン(ロータス・ルノー)
4位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
5位 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
6位 セルジオ・ペレス(ザウバー・フェラーリ)
7位 ミハエル・シューマッハ(メルセデス)
8位 マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
9位 ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア・メルセデス)
10位 ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
11位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
12位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
13位 ダニエル・リカルド(トロロッソ・フェラーリ)
14位 ジャン・エリック・ベルニュ(トロロッソ・フェラーリ)
15位 パストール・マルドナド(ウイリアムズ・ルノー)
16位 ヴィタリー・ペトロフ(ケータハム・ルノー)
17位 ブルーノ・セナ(ウイリアムズ・ルノー)
18位 ロマン・グロージャン(ロータス・ルノー)
19位 ヘイキ・コバライネン(ケータハム・ルノー)
20位 シャルル・ピック(マルシャ・コスワース)
21位 ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT コスワース)
22位 ティモ・グロック(マルシャ・コスワース)
23位 ナレイン・カーティケヤン(HRT コスワース)

次戦ハンガリーGPは一週間後の7月29日、日本時間では21時に決勝レースがスタートだ。

では最後にレース後に収録された可夢偉のコメントをどうぞ。

<関連動画はこちら>


Gallery: 2012 F1 German Grand Prix



Image Credit: Jens Meyer, Frank Augstein, Sascha Schuermann, Michael Probst/AP | Lars Baron, Mark Thompson/Getty | Sauber Motorsport AG

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