スーパーカー・ブーマー必見!京商から「ウルフ・カウンタック」のミニチュアカーが発売!

Autoblog JP(オートブログ) / 2012年7月28日 14時0分

スーパーカー・ブーマー必見!京商から「ウルフ・カウンタック」のミニチュアカーが発売!

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ラジオコントロールカーやダイキャスト製モデルカーの製造販売で知られる京商は、ランボルギーニが1970年代にワンオフで製作した「カウンタック」のスペシャル・モデル、通称「ウルフ・カウンタック」のミニチュアカーを9月下旬に発売すると発表した。店頭に並ぶのはまだ先だが、初回出荷分には見逃せない特典が付くので、発売に先駆けてご紹介しよう。
1976年頃の日本で、それまで怪獣や合体ロボットに夢中だった多くの少年達を、突如としてスーパー・スポーツカーのマニアに変えてしまった「スーパーカー・ブーム」。カメラを片手に街で見掛ける"スーパーカー" を追い求めたり(といっても当時の日本ではフェラーリどころかポルシェでさえ、ほとんどの地域で滅多にお目に掛かることは出来なかったが)、プラモデルやミニカーはもちろん、Tシャツに文房具、果ては消しゴムから王冠まで、スーパーカー・グッズの収集に熱中した日々を懐かしく思い出される方もいらっしゃるだろう。

当時の少年達にはそれぞれ "意中のアイドル・スーパーカー" はあったけれど、最も多くの人気を集めたモデルはやはり、低くて尖った未来的フォルムに跳ね上げ式ドアを持つ「ランボルギーニ・カウンタック」だった。



1974年、「ミウラ」の後継モデルとして発売されたカウンタックは、当時ランボルギーニのチーフ・エンジニアを務めていたパオロ・スタンツァーニのアイディアによって、ミウラではコクピットの後ろに横置きしていた巨大なV型12気筒エンジンを、前後反転させて縦置きするというパッケージングで運動性能の向上を狙った革新的なスーパーカーだった。1960年代までのスポーツカー・デザインとは決別を宣言するかのようなウェッジ・シェイプ(くさび形)のボディは、ベルトーネで数々の先進的なコンセプト・カーを手掛けていたマルチェロ・ガンディーニが描いたもの。よく知られているように「カウンタック」という言葉は、フィアットのお膝元トリノを州都とするイタリア・ピエモンテ州の方言で「すっげーな、おい!」という(のに近い)意味。これまたよく知られているとおり、"カウンタック"とは当時の日本でその綴りを見て英語風に発音してみたものが一般的になった言葉で、世界的には「クンタッシ」または「クンタッチ」という発音でないと通じない。



実はこのカウンタック、1971年のジュネーブ・ショーでプロトタイプが発表されてから、発売に漕ぎ着けるまで3年もかかっている。エンジンの冷却など、いくつかの問題を解決するためにそれだけの時間が必要だったのだが、その間、ミウラなどを所有していた当時のランボルギーニの裕福な顧客達は首を長くして市販化を待ち望んでいた。そしてその中には、カナダの石油王ウォルター・ウルフ氏の名前もあった。

1974年にカウンタックが、熱対策のためにボディに様々なモディファイを加えられ、ようやく市販モデルとして世に出ると、もちろんウルフ氏も真っ先にこれを手に入れた(一説によると、量産2号車とか3号車とか言われているようだ)。しかし、彼はその市販モデルの「カウンタック LP400」には不満を抱く。3年前に彼がジュネーブで見たカウンタック "LP500" は、確か排気量5リッターのV12を搭載していたはずだ。だが、市販モデルのLP400には、ミウラと同じ4リッター・エンジンが積まれている。これでは動力性能がミウラとあまり変わらないではないか。そこでウルフ氏はランボルギーニに、「あのプロトタイプに積まれていた5リッター・エンジンを積んだカウンタックが欲しい」と特別に注文を依頼するのだ。

当時、ボリビアで起こったクーデターにより彼の地におけるビジネスで損害を被った創立者のフェルッチォ・ランボルギーニは、資金難から自動車部門の株式を売却しようと考えていた。結果から言えば、フェルッチォは1971年(カウンタックのプロトタイプが発表された年)にスイス人投資家のジョージ・ヘンリ・ロゼッティ氏に51%の株を売却、1974年(カウンタックが市販された年)にレイネ・レイマー氏に残りの49%を売り、スーパーカー・ビジネスから手を引いてしまう。このように会社の経営が揺れている頃、実業家として成功していたウルフ氏は、ランボルギーニのクルマだけでなく、会社を買い取り、自ら経営に乗り出すことも考えていたようだ。従業員達はスーパー・スポーツカーに対する情熱を持つウルフ氏が会社を買収してくれることを望んでいたという。


こちらが実車のウルフ・カウンタック1号車
話はやや逸れたが、ちょうどイタリアから遠く離れた日本で "あのブーム" が巻き起こる頃、ウルフ氏特注によるスペシャル・カウンタックは完成した。5リッター・エンジンによる強大なパワーを路面に伝えるため、タイヤは「ポルシェ930ターボ」御用達の極太なピレリP7を採用し、ベルトーネが製作したコンセプト・カー「ブラーボ」から拝借した5ホール・デザインのカンパニョーロ製アルミ・ホイールに装着。これをカウンタックのボディに収めるため、フェンダー・アーチには黒く塗られたオーバー・フェンダーが取り付けられた。エンジン・フードの後方には調整式リア・ウイングを装備し、それに合わせてフロントにもリップ・スポイラーが追加されている。

この、"レースカー風モディファイ" が加えられた特別なカウンタックは、強烈な存在感を放ち多くの人々を魅了した。スーパーカー・ブームの只中にいた日本の子ども達も例外ではなかった。彼らにとって、スーパー・ヒーローがしばらく活躍した後さらにパワーアップした次世代ヒーローが登場するという図式は、TVやマンガでよく馴染んだものだった。その1人として当時を振り返ってみると、ウォルター・ウルフとかワンオフとか5リッター・エンジンとかいうことは意識せず、LP400より「もっと強いカウンタック」として認識していたような気がする。当時の多くの子ども達にとって、"クルマの強さ" とは、最高速度。LP400の公称300km/hに対し、もう一方のスーパーカーの雄、「フェラーリ 365BB」は302km/hを標榜していた。大きな羽根を持つそのカウンタックは、BBを上回る最高速度315km/hを謳っていたのである。


こちらが京商製ミニチュアカー
当時の日本では、このウルフ氏が特別注文で製作させたスペシャル・カウンタックは「LP500S」という名前で通っており、プラモデルをはじめとする玩具等の製品にも、その名前が表記されていた。もちろん5リッター・エンジンを搭載しているから「500」であり、ジュネーブでお披露目されたプロトタイプが「LP500」だったから、それと区別するためもあって「S」という文字が付けられたのだろう。その後、このウルフ氏特注カウンタックを量産化したとも言えるエヴォリューション・モデルとして「LP400S」、さらに排気量を拡大した「LP500S」というモデルが発売されたので、ウルフ氏特注のカウンタックには現在ではLP500Sという呼称ではなく、「ウルフ・カウンタック」という通称が一般的に用いられているようだ。



この赤く塗られたウルフ・カウンタックに続いて、ウルフ氏はブルーのボディを持つ "2号車" を注文。その際、件の5リッター・エンジンは新しいブルーの2号車に積み替えられ、赤い1号車は通常の4リッター・エンジンが積まれ売却されたという。そして1978年、スーパーカー・ブームに翳りが見え始めていた日本に輸入され、以後この世界に1台のスペシャル・カウンタックは、何度かオーナーが変わりながらも我が国にあり続け、度々イベント等でその姿を見せてくれている。1979年に公開された松田優作主演のハードボイルド映画『甦る金狼』では、主人公の朝倉哲也が野望を達成し、その成功の証として手に入れたクルマ...という設定でスクリーンにも登場、国会議事堂前を走り抜けるその映像が鮮烈に記憶に残っている方も多いのではないだろうか。



京商は今回のモデル化にあたって、現在このクルマを所有する専門ショップ「アウトモビーリ・ヴェローチェ」の協力のもと、実車に対する丹念な取材を行ったという。跳ね上げ式ドアやエンジン・フードはもちろん、スペア・タイヤを収めるフロント・ボンネットや車体後部のトランク・リッドまで開閉可能。「品川33つ30-82」のナンバー・プレートは、朝倉哲也が乗っていた当時から今もこの個体に付けられているものをそのまま再現している。フロントの "ファイティング・ブル" のエンブレムの上に貼られたカナダの国旗をあしらったマークは、1977年にウルフ氏が興したレーシング・チーム、ウォルター・ウルフ・レーシングのロゴ。ヘッドライト下のステッカーは、当時このカウンタックを取材したドイツの自動車雑誌「ラリー・レーシング」のものだ。



そして、ウルフ・カウンタックまたはカウンタックLP500Sというと忘れられないもう1台、鮮やかなブルーのボディにゴールドのホイールを履いた "2号車" の方が好きだったという方もいらっしゃるはずだ。今回京商から発売されるミニチュアカーは、赤い1号車と青い2号車、"スーパーカー・ブーマー" たちにとっては印象深い2つのモデルを1/18スケールで精密に再現。これらは単なる色違いではなく、ミラーやウイングなど、現在(または近年)確認された実車の姿をもとに細部が作り分けられている。



また、初回出荷分のみの限定特典として、赤い1号車の方にはこのウルフ・カウンタックが日本の公道を走る20分間の映像を収めたDVDが付属。青の2号車にはスーパーカー・ブームの火付け役となったコミック「サーキットの狼」原作者の池沢早人師先生による直筆サイン入りイラスト(フレーム入り)が用意されるという。購入を考えていらっしゃる方には、せっかくだからお早めに予約注文されることをお勧めしたい。価格はどちらも1万5,540円(消費税込み)となっている。



なお、今回の1/18 ウルフ・カウンタックは、ランボルギーニと京商が2013年にともに創立50周年を迎えることから企画された、アニバーサリー・モデルの第1弾および第2弾であるそうだ。おそらく第3弾も計画されているはず。個人的にはウルフ・カウンタック同様、ワンオフで作られて裕福なエンスージァストに販売された、 "あのモデル" の発売を期待しているのだが...。ランボルギーニ好き・モデルカー好きの方は、今年後半から来年にかけて、京商の新製品情報に注目だ。もちろんAutoblogでも、「これは!」というモデルに関しては積極的に取り上げ、お知らせしていく予定なのでお楽しみに。

・京商公式サイト

Gallery: Kyosho Lamborghini Countach LP500S Walter Wolf



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