大波乱のスタートとなったF1第12戦ベルギーGP決勝リポート!

Autoblog JP(オートブログ) / 2012年9月3日 11時0分

大波乱のスタートとなったF1第12戦ベルギーGP決勝リポート!


2012年F1第12戦ベルギーGP決勝レースが2日、スパ・フランコルシャン・サーキットで行われた。昨夜お伝えした結果速報に続いて、レースのリポートを画像を加えてお届けしよう。
土曜日に行われた予選では、マクラーレンのジェンソン・バトンが2009年のモナコGP以来となるポール・ポジションを獲得。2番手タイムを記録したザウバーの小林可夢偉がフロント・ローに並び、日本のファンを沸かせた。予選3番手だったウイリアムズのパストール・マルドナドは、他車の走行を妨害したとペナルティを課せられ、3グリッド降格。替わって2列目にはロータス・ルノーのキミ・ライコネンとザウバーのセルジオ・ペレスが並んだ。チャンピオンシップ・ポイントで現在首位にいるフェラーリのフェルナンド・アロンソは5番グリッドからのスタートだ。



そして日曜日の決勝レース。24台のマシンがフォーメーション・ラップを終えてスターティング・グリッドに着くと、なんと最前列に並ぶ可夢偉のマシンのフロント・ホイール付近から煙が出ている。ブレーキが過熱してしまったらしい。そんな中、スタートを知らせる赤いシグナルが1つずつ灯り、それらが一斉に消えてレースがスタート...と思いきや、降格して6番グリッドにいたマルドナドのマシンだけが、シグナルが完全に消えるよりも先に素早く動き始めてしまう。それからやや遅れて他の全車がスタート。マルドナドにはフライング・スタートの疑いが掛かり、レース後に審議されることになった。

逆に、スタートで出遅れたのは「思うようにクラッチが、セッティングしたとおりに動いてくれなかった」という小林可夢偉のマシン。すぐ後ろにいたペレスは、チームメイトを避けるように右(奇数列側)にステアリングを切る。



その動きが気になったのか、あるいは隣のルイス・ハミルトン(マクラーレン)を牽制しようとしたのか、8番グリッドからスタートしたロータス・ルノーのロマン・グロージャンは、ペレスよりもさらに右側に進路を変え、7番手スタートのハミルトンに幅寄せ。コース脇まで追いやられたハミルトンは寄ってくるグロージャンをこれ以上避けようがない。挙げ句、2台はもつれるように激しく接触(上の画像)。グロージャンのマシンは跳ね上がり、1コーナーに差し掛かっていたアロンソのフェラーリに追突し、さらにペレスと可夢偉、2台のザウバーを巻き添えにしてコースの外へ飛び出した。



この事故で、アロンソ、ハミルトン、グロージャンのマシンが大破。すぐにセーフティ・カーが出動する。マシンを降りたハミルトンはグロージャンに詰め寄り、「頭がおかしいんじゃないか?」とジェスチャー付きで抗議(下の画像)。一方、アロンソはマシンの中でしばらく動けず。コース・マーシャルにシートベルトを外してもらい、ようやくマシンの外へ出る。シューマッハの記録まであと1つというところまで迫っていたアロンソの連続入賞は23で途切れてしまった。ペレスもマシンを壊し、そのままリタイア。小林可夢偉は傷ついたマシンですぐさまコースに戻り、ピットへ入って壊れたフロント・ノーズを交換。セーフティ・カーに先導されているマシンの隊列の、最後尾についてレース再開を待つ。



4周目にセーフティ・カーが戻り、5周目からレースが再スタート。このときの順位は、ポール・ポジションから上手くスタートを決め、混乱に巻き込まれなかったバトンがトップ。2位にこちらも事故を避けられたライコネン。3位には11番手スタートだったフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグが大きくポジションを上げ、4位に同じくフォース・インディアのポール・ディ・レスタが、こちらも9番グリッドからジャンプ・アップ。5位のミハエル・シューマッハ(メルセデス)は13番手からのスタートだった。

この周、ライコネンのペースが上がらず、ヒュルケンベルグに抜かれてしまう。この後の無線のやり取りで分かったことだが、ライコネンのマシンは5速ギアに入らないというトラブルを抱えていたようだ。6周目を終えたとき、トップのバトンと2位ヒュルケンベルグとの差はすでに3.6秒にまで拡がっていた。7周目にはシューマッハがディ・レスタをかわして4位に。彼はちょうど20年前にここで初優勝を挙げ、しかもこれがF1参戦300戦目となる記念レース。予選では出遅れたが、今日は表彰台まであと一歩というところまで来ている。その周の終わりに、小林可夢偉は再びピットへ戻りタイヤ交換。スローパンクチャーが起きていたそうだ。



これで順位は、1位バトン、2位ヒュルケンベルグ、3位ライコネン、4位シューマッハ、5位ディ・レスタ、そして6位ダニエル・リカルド、7位ジャン・エリック・ベルニュというトロロッソ・チームの2台が続き、8位ウイリアムズのブルーノ・セナを挟んで、9位マーク・ウェバー、10位セバスチャン・ベッテルと、レッドブル勢が続く。2台のトロロッソが、2台のレッドブルよりも前を走っているわけだ。TVの画面で観ていると見間違いそうになる。9周目、ベッテルがウェバーの前へ出る。

10周目の終わりに、後続を抑えていたディ・レスタがタイヤ交換のためにピットへ。11周目、シューマッハがライコネンをパスして表彰台圏内へ。その周の終わりにライコネンとウェバーがピットへ戻りタイヤを交換する。

13周目のシケインで、ベッテルがセナをオーバーテイク。14周目、トラブルを抱えているはずのライコネンがファステスト・ラップ(ここまでの中で全車中最速ラップタイム)を記録。タイヤ交換を終えてコースに戻ったヒュルケンベルグの前に出ることに成功する。

多くのドライバーが1度はタイヤ交換のためにピットインしている中で、まだタイヤを交換していないシューマッハが2位、ベッテルが3位に順位を上げている。トップのバトンもまだピットに入っていない。

19周目を走り終えたところでシューマッハがピットへ。このとき、すぐ後ろに迫っていたベッテルの前を横切るようにピットロードへ向かったため、この行為がレース後の審議対象に。



次の周にはトップのバトンもタイヤ交換のためにピットへ向かう。マクラーレン・チームは、作業時間わずか2.6秒という迅速さでバトンをコースへ送り出す。バトンは1位のままレースに戻る。

さらに遅れて、ようやくベッテルが1回目のタイヤ交換へ。レッドブル・チームの作業時間は3.7秒。コースに復帰したときには、シューマッハの前に出ることに成功していた。

これで順位は、1位がバトン、2位ライコネン、3位ヒュルケンベルグ、4位ウェバー、5位がフェラーリのフェリペ・マッサ、6位にベッテル、7位リカルド、8位シューマッハとなる。

27周目の終わりには、ヒュルケンベルグ、ウェバー、マッサが2度目のタイヤ交換のためにピットへ向かう。次の周にはライコネンとリカルドも2回目のピットイン。ベッテルはついに2位までポジションを上げてきた。これを追う3位がシューマッハだ。

31周目のシケインでライコネンがシューマッハをかわして3位へ。しかし次の周のストレートではシューマッハがDRS(可変リアウイング:一時的に空気抵抗を減らして最高速度を上げることが出来る追い越し用装置)を使ってライコネンを抜き返す。だがこれでバトルは終わらない、34周目、急な上りこう配を駆け上りながらほぼ全開で連続する緩いカーブを抜けていく「オー・ルージュ」の飛び込みで、ライコネンはシューマッハを再びオーバーテイク。シューマッハはこのスパ・フランコルシャン・サーキットで史上最多の6勝を記録しており、片やライコネンは5回参戦して4勝を挙げている。2人とも得意としているコースなのだが、今回はライコネンに軍配が上がった。タイヤ交換を1度で済まそうとしていたシューマッハ陣営だったが、予想以上に消耗していたようだ。作戦を変更して35周目の終わりに2回目のタイヤ交換をするためにピットへ。これで表彰台が遠のく。

36周目には、マッサがウェバーを抜いて前へ。現在のチャンピオンシップ・ポイントは1位がアロンソで2位がウェバー。マッサはチームメイトのアロンソを援護したことになる。その頃、アロンソはTwitterで「やあ、みんな応援メッセージ有難う!僕は元気で、今はもう100%モンツァ(次戦)のことを考えているよ。フォルツァ(頑張れ)、マッサ、フェラーリ!」とつぶやいていた。



そして44周のレースが終わりチェッカーフラッグ。スタートからピットストップの時間も含めて1度もトップを譲らなかったジェンソン・バトンが優勝。今季2勝目を挙げた。2位は1回のタイヤ交換で走り切ったセバスチャン・ベッテルが大躍進。チャンピオンシップ・ポイントでもウェバーを抜いて2位となった。3位のキミ・ライコネンはマシン・トラブルにも関わらず、スタート時の順位を守った結果となった。レース開始直後の事故に巻き込まれ最後尾までポジションを落とした小林可夢偉は、その後も粘り強くレースを続け、13位でゴール。レース後にマシンを降りてから、サイドポッドやその他の部分が壊れているのを見て、なぜ自分が遅かったのか、分かったそうだ。

序盤の大きな事故はグロージャンに責任があるとみなされ、次戦イタリアGPにおける出場停止処分と5万ユーロ(約492万円)の罰金が科せられた。

また、フライング・スタートをしたマルドナドは、本来ならレース中にドライブスルー・ペナルティが科せられるところだが、再スタート後の5周目にティモ・グロックと接触してリタイア。フライングに対して5グリッド+グロックとの接触で5グリッド、ということで次戦イタリアGPでは10グリッド降格となるペナルティが科せられた。

なお、レースの結果順位は以下の通り。

優勝 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
2位 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
3位 キミ・ライコネン(ロータス・ルノー)
4位 ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア・メルセデス)
5位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
6位 マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
7位 ミハエル・シューマッハ(メルセデス)
8位 ジャン・エリック・ベルニュ(トロロッソ・フェラーリ)
9位 ダニエル・リカルド(トロロッソ・フェラーリ)
10位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
11位 ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
12位 ブルーノ・セナ(ウイリアムズ・ルノー)
13位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
14位 ヴィタリー・ペトロフ(ケータハム・ルノー)
15位 ティモ・グロック(マルシャ・コスワース)
16位 シャルル・ピック(マルシャ・コスワース)
17位 ヘイキ・コバライネン(ケータハム・ルノー)
18位 ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT コスワース)

今回アロンソがノー・ポイントに終わり、ベッテルが2位に入ったことで、2人のポイント差は24に縮まった。さらに8ポイント差でウェバー、そこから1ポイント後れてライコネン。マクラーレンの2人にもまだまだ権利があるだろう。次戦イタリアGPは一週間後、9月9日の現地時間14時、日本時間21時に決勝レースがスタートする。フェラーリの地元でどのような戦いが繰り広げられるだろうか!?

最後に可夢偉の公式チャンネルから、レース後に撮影されたコメントを動画でどうぞ。

<関連動画はこちら>


Gallery: 2012 F1 Belgian Grand Prix



Image Credit: Dimitar Dilkoff, Geert Vanden Wijngaert, Yves Logghe, Luca Bruno/AP | Mark Thompson/Getty | Sauber Motorsport AG


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