初開催のサーキットで果敢なバトルも見られた、2012年F1第19戦アメリカGP決勝レース・リポート!

Autoblog JP(オートブログ) / 2012年11月19日 13時0分

初開催のサーキットで果敢なバトルも見られた、2012年F1第19戦アメリカGP決勝レース・リポート!


2012年F1第19戦アメリカGP決勝レースが18日(日本時間19日)、テキサス州オースティン郊外にあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われた。今朝お伝えした結果速報に続いて、レースのリポートをお届けしよう。

Gallery: 2012 F1 United States Grand Prix


 
前日に行われた予選では、金曜日のフリー走行時から他を圧倒する速さを見せつけていたレッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・ポジションを獲得。続いてマクラーレンのルイス・ハミルトンがそれに0.1秒差まで迫る2番手タイムを叩き出す。3番手にはレッドブルのマーク・ウェバー。4番手タイムを記録したロータス・ルノーのロマン・グロージャンだったが、予選前にギアボックスを交換したため5グリッド降格のペナルティが科せられた。代わって2列目には同じロータス・ルノーのキミ・ライコンネンが並ぶ。その後ろ、3列目はメルセデスのミハエル・シューマッハとフェラーリのフェリペ・マッサ。チャンピオンシップをベッテルと争うフェラーリのフェルナンド・アロンソはタイヤがなかなか温まらないことに苦しみ予選9番手タイム。8番グリッドからスタートする...という予定だった。

しかし決勝レース当日になって、フェラーリ・チームはマッサのギアボックスを交換(というか、封印を破ったらしい)することで敢えて5グリッド降格のペナルティを受ける作戦に出た。というのもこのコース、偶数側のグリッドは走行ラインから外れるため路面状況が悪くグリップが良くない。そこでアロンソを路面のクリーンな7番グリッドに押し上げるためにマッサには下がってもらったというわけだ。これぞフェラーリNo.2ドライバーの非情な役割...というところだが、マッサは「チームとチームメイトを助けるために」それを受け入れたそうだ。



そして日曜日の現地時間午後1時、日本では月曜日の午前4時に決勝レースがスタート。先頭で飛び出したのはベッテル。そしてやはり偶数列側のマシンは出遅れた。2番グリッドのハミルトンはその横をすり抜けて行こうとするウェバーに対し、牽制するようにマシンをアウト側に寄せるが、1コーナーでアウトからウェバーがやすやすとハミルトンの前に出る。同じく4番グリッドからスタートしたライコネンも、1コーナーに達する前にアロンソとシューマッハに抜かれてしまう。対照的に路面のクリーンな7番グリッドを手に入れたアロンソは好スタートを決め、1コーナーまでに6番手からスタートしたフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグとライコネンをパス。続いて1コーナーでアウトからシューマッハを抜いて4位にポジションを上げる。ライコネンは続く2コーナーでヒュルケンベルグと軽く接触し、コースの外にはみ出してしまう。



オープニング・ラップを終え、順位は1位がベッテル、2位にウェバー、3位はハミルトン、そして4位までアロンソが上がり、5位シューマッハ、6位ヒュルケンベルグ、7位ライコネンと続く。予選でタイヤの温度をコースに上手く合わせることが出来ず16番手からスタートしたザウバーの小林可夢偉は1つ順位を落とし17位だ。

予選では見事にタイム・アタックを決め上位グリッドからスタートしたシューマッハだったが、やはりレース・ペースは振るわず、序盤から早くも次々と順位を落としていく。

3周目、3位のハミルトンがウェバーに仕掛ける。ブレーキングで並び掛けたがややオーバーラン、再びウェバーが前に出る。

4周目になる頃には、トップのベッテルと2位ウェバーのタイム差は2秒に開いていた。ここでハミルトンがようやくウェバーをオーバーテイク。予選順位を取り戻す。



序盤の混乱の中で、同僚ライコネンの前へ出るところまで順位を上げていたグロージャンだったが、前を行くヒュルケンベルグに抑えられ、7周目にスピンしてコースオフ。12位まで順位を落とす。10周目にピットへ戻りタイヤ交換。

予選でトラブルに見舞われ12番手からスタートしたマクラーレンのジェンソン・バトンは、さらに1周目には15位まで順位を落としていたが、そこから次第に挽回。逆に順位を落としてきたシューマッハにコース幅ぎりぎりまで寄せられながらもこれをオーバーテイク。11位まで上がる。

バトンと同じくスターティング・グリッドは事情により中盤に沈んだマッサも次第に順位を上げて行き、フォース・インディアのポール・ディ・レスタを抜いて7位まで順位を上げた。

一方、トップを走るベッテルとそれを追うハミルトンはほぼ同ペース。その差1.2〜1.4秒というところを保ち続けている。これが1秒以下になるとハミルトンはDRS(可変リア・ウイング:一時的に空気抵抗を減らして前車の追い越しが有利になるデバイス)が使えるようになる。当然ベッテルは1秒以内に彼を入れたくない。12周目に最速タイムを記録して逃げる。

ヒュルケンベルグはそろそろタイヤが苦しい状態になったのか、13周目にライコネンに抜かれ、15周目にはマッサにも前へ出られてしまう。

これで順位は1位がベッテル、そこから1秒強遅れて2位ハミルトン、3位ウェバー、4位アロンソ、5位ライコネン、6位マッサ、7位ヒュルケンベルグ。

17周目、3位を走行していたウェバーのペースが落ちたようだ。後ろからアロンソが迫って来る。そんなウェバーにチームから無線で「KERSにトラブルが出ているからブレーキ・バランスを戻せ」と連絡が入る。その直後、ウェバーはマシンをコース脇に止めてそのままリタイア。オルタネーターの故障だったそうだ。何故かトラブルに見舞われるのはベッテルではなくウェバーの方が多い。

18周目のラップ・タイムでベッテルとハミルトンの差がやや開く。19周目、珍しくアロンソが僅かにミスをしたのか、19コーナーでややコースオフする場面も。レースはそろそろ中盤へ差し掛かかる。



20周目を終えたところで、ハミルトンとアロンソが同時にピットに入りタイヤを交換。フェラーリのピットクルーは、アロンソの右リアタイヤがなかなか外れず手間取る。ピットにおける静止時間は6.3秒。1周後にベッテルもタイヤ交換のためにピットへ。レッドブルのクルーは2.7秒で送り出す。



23周目、履き替えたハード(硬め)タイヤがなかなか温まらないアロンソを、まだタイヤ交換していないバトンが追い抜いていく。

これで順位は、1位が変わらずベッテル、2位にまだタイヤを交換していないライコネン、3位がハミルトン、4位にこちらもまだピットに入らず走り続けているマッサ、そして5位がバトン、6位アロンソ。24周目にハミルトンがライコネンをかわしてベッテルを再び追撃。その周の終わりにライコネンもピットへ戻りタイヤを交換する。

そのさらに2周後まで引っ張ったマッサも、タイヤ交換のためにピットへ。アロンソの後ろという順位でコースに復帰する。ところがまだタイヤが温まらないうちに、ライコネンたちに抜かれてしまう。

31周目、ハミルトンにチームから無線で「(先ほど交換したタイヤをチェックしたところ)タイヤの状態はいい。大丈夫だ。このまま行くぞ」と連絡が入る。これを聞いたハミルトンは俄然ペースを上げてベッテルを追う。片やベッテルの方は周回遅れのマシンに引っ掛かり、2人の差はついに1秒を切る。

34周目、そして35周目と、ハミルトンはストレートでDRSを使ってベッテルに迫る。だが、なかなか前に出るところまで行けない。ベッテルは35周目、36周目と最速ラップタイムを更新して逃げる。この攻防が数周に渡って続く。

35周目を走り終えたところでバトンがタイヤ交換のためにピットへ。7位でコースに復帰する。39周目にグロージャンを抜いて6位へ。40周目、マッサもライコネンを抜き返す。

42周目、バック・ストレートで遂にハミルトンがベッテルをオーバーテイク。微妙にラインを変えて牽制するベッテルに対し、ハミルトンは迷わず怯まず、最高速度をフルに発揮して前へ出ることに成功する。レッドブルのマシンは最高速度が全車中最下位という、ギア比が低めのセッティング。300km/h弱しか出ない。一方ハミルトンのマクラーレンはDRSを開いたとき315km/hに達する。トップに立ったハミルトンは、44周目になる頃にはベッテルに対し1.4秒の差を付けていた。そのチームメイトであるバトンは46周目、ライコネンもパスして5位にポジションアップ。マクラーレンはやはり速い。予選のトラブルが悔やまれる。



そして56周のレースを終えてチェッカーフラッグ。優勝したルイス・ハミルトンは表彰台でアメリカを代表するレーシング・ドライバーであるマリオ・アンドレッティからインタビューを受け、「我々にとって今季最高のグランプリになりました」と喜びを表現。2位のセバスチャン・ベッテルは「5年前のアメリカGPが私のF1初レースでしたから、またアメリカに戻れて嬉しい」と語った。2007年、カナダGPで負傷したロバート・クビサの代役として、BMWザウバーのテスト・ドライバーを務めていたベッテルがアメリカGPに急遽出場することが決まったのだった。それ以来5年ぶりに開催されたこのアメリカGPが、彼にとってちょうど100戦目にあたる。そして3位に入ったことでワールド・チャンピオン獲得に望みを繋げたフェルナンド・アロンソは、サーキットについて感想を訊かれ「レイアウトも素晴らしく、楽しんでレースが出来た。でもそれ以上に集まったファンの皆さんが素晴らしかった」とコメントした。それを聞いた観客の中から「アロンソ・コール」が巻き起こる。小林可夢偉はタイヤがグリップしないことに苦しみ、14位でレースを終えている。



次戦は2012年の最終戦となるブラジルGP。そしてそこで今年のワールド・チャンピオンも決定する。現在ベッテルとアロンソのポイント差は13。次戦でアロンソが優勝しても、ベッテルが4位以内に入れば3年連続チャンピオンに決まる。逆にもしベッテルがリタイアした場合、アロンソは表彰台に上れなければ3度目のタイトル獲得とならない。見逃せない闘いは来週、現地時間の11月25日午後2時(日本時間では26日午前1時)にスタートする。

優勝 ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
2位 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
3位 フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
4位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
5位 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
6位 キミ・ライコネン(ロータス・ルノー)
7位 ロマン・グロージャン(ロータス・ルノー)
8位 ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア・メルセデス)
9位 パストール・マルドナド(ウイリアムズ・ルノー)
10位 ブルーノ・セナ(ウイリアムズ・ルノー)
11位 セルジオ・ペレス(ザウバー・フェラーリ)
12位 ダニエル・リカルド(トロロッソ・フェラーリ)
13位 ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
14位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
15位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
16位 ミハエル・シューマッハ(メルセデス)
17位 ヴィタリー・ペトロフ(ケータハム・ルノー)
18位 ヘイキ・コバライネン(ケータハム・ルノー)
19位 ティモ・グロック(マルシャ・コスワース)
20位 シャルル・ピック(マルシャ・コスワース)
21位 ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT コスワース)
22位 ナレイン・カーティケヤン(HRT コスワース)

なお、今回のレース結果によりレッドブル・レーシング・ルノー・チームは、コンストラクターズ・タイトル3連覇を達成した。残るドライバーズ・タイトルも手中に収めることが出来るだろうか!?



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