巨人の投打のキーマン、丸佳浩と菅野智之にしか挑めない大記録

ベースボールキング / 2019年3月26日 14時37分

◆ ふたりにしか挑めない記録

 いよいよ開幕まで残すところ3日。セ・リーグは広島のリーグ4連覇を阻止するべく他の5球団がどこまで奮起できるかに注目が集まる。そのなかでも対抗馬となりそうなのは、やはり巨人ではないだろうか。

 原辰徳監督が4年ぶりに復帰し、オフシーズンにはFA戦線で大物選手たちを獲得しただけでなく、新外国人選手もメジャーでの実績が豊富な大物と契約。その補強ぶりは、「平成最後の大補強」とも評された。ただ、見方を変えればそれだけ本気だということ。球界の盟主として、なんとしても意地を見せたいところである。

 2012年以来の日本一奪回に向けて余念のない巨人だが、そんなチームを投打で支えることになりそうな丸佳浩、菅野智之のふたりには、偉大な記録に挑めるチャンスがある。


◆ セ界初の期待

 まずは、広島からFAで加わった丸佳浩。今季の大型補強の象徴ともいうべき存在で、2年連続でセ・リーグMVPを獲得している球界を代表する選手だ。ある意味、“優勝請負人”とも呼べる丸が額面通りの活躍を披露できれば、当然ながら3年連続となるリーグMVPという偉業も見えてくる。

 過去のプロ野球史を振り返ると、MVPを3度以上獲得した選手は両リーグ合わせると「8人」いる。しかし、「3年連続」となるとハードルが上がり、山田久志(1976年~1978年)とイチロー(1994年~1996年)のふたりのみだった。野手に限ればイチローしかいないし、セ・リーグでは誰も達成していない大記録だ。

 MVPは他のタイトルとは異なり、自らの成績だけではなく、チーム成績にも左右される部分がある。そのため、3年連続というのは容易ではない。丸が例年通りの成績を収め、なおかつ巨人が優勝してはじめて、イチロー以来の偉業達成が視界に入るということだ。


▼ 3度以上リーグMVPを獲得した選手
※球団は当時のもの

・川上哲治(巨人)
1941年、1951年、1955年

・山本一人(南海)
1946年、1948年、1951年

・長嶋茂雄(巨人)
1961年、1963年、1966年、1968年、1971年

・野村克也(南海)
1961年、1963年、1965年、1966年、1973年

・王貞治(巨人)
1964年、1965年、1967年、1969年、1970年、1973年、1974年、1976年、1977年

・山田久志(阪急)
1976年、1977年、1978年

・イチロー(オリックス)
1994年、1995年、1996年

・松井秀喜(巨人)
1996年、2000年、2002年


◆ 歴代の名投手に肩を並べることができるか?

 野手のキーマンが丸佳浩ならば、投手の鍵を握るのは不動のエース・菅野智之。圧倒的な投球内容で、ここまで3年連続で最優秀防御率、2年連続で最多勝のタイトルを獲得。さらに2017年からは2年連続で沢村賞を受賞するなど、文句なしの球界ナンバーワン投手となった。そんな菅野には当然、3年連続の沢村賞受賞という偉業の可能性が残されている。

 沢村賞はリーグMVPとは異なり、勝利数や完投数などの選考基準を満たすことが条件で、現在は5名の選考委員によって選出される。このタイトルも3度獲得した選手は複数いるが、3年連続となると、金田正一(1956~58年)ただひとり。菅野が3年連続で沢村賞を受賞すれば、なんと61年振りの快挙となる。


▼沢村賞を3度獲得した投手
※球団名は当時のもの

・杉下茂(中日)
1951年、1952年、1954年

・金田正一(国鉄)
1956年、1957年、1958年

・村山実(阪神)
1959年、1965年、1966年

・斎藤雅樹(巨人)
1989年、1995年、1996年


 イチロー以来となる3年連続のリーグMVPがかかる丸佳浩、そして、金田正一以来となる3年連続の沢村賞受賞が期待される菅野智之を擁した今季の巨人。7年ぶりの日本一奪還とともに、投打の軸を担うふたりの成績にも注目したい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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