iPS技術を利用して肌年齢をリセット!?
美容最新ニュース / 2014年10月22日 8時0分
コーセーの研究内容2014年10月15日、コーセーと京都大学の共同研究グループは同じ人の異なる年齢で採取した皮膚線維芽細胞からiPS細胞を作成し検討したところ、老化過程の進行を示す「テロメア」の短縮が回復していることを明らかにしたと発表しました。
この研究成果は第28回化粧品技術者連盟世界大会(パリ:10月27日~30日)で発表する予定です。
テロメアテロメアは細胞の染色体の両端にある構造の名前です。細胞分裂を起こすごとにテロメアは短くなり、限界を超えると細胞分裂が止まってしまいます。
テロメアは細胞が老化していることの指標あるいは寿命の限界を示すものです。
今回の研究内容iPS細胞は、皮膚線維芽細胞など分化した細胞に遺伝子的な操作を行うことにより作成できる、様々な組織や臓器の細胞に分化能を有する幹細胞です。
同一供与者より異なる年齢(36~67歳)で得られた線維化細胞からiPS細胞を作成したところ、各年齢の線維化細胞ではテロメアが年齢を重ねるとともに、短くなっていたのに対して、iPS細胞はほぼ同じテロメアの長さを有していました。(画像はプレスリリースより)
さらにこのiPS細胞から表皮細胞を分化することにも成功しました。
このことから、自家移植のために細胞を採取してiPS細胞を作成する際には細胞提供者の年齢は影響を及ぼさないことが想定されます。
今後の展開今回の研究は36歳から67歳という年齢層のデータであることから、さらに細胞提供者の年齢や遺伝子レベルでの治験を蓄積することで、老化過程の再現やメカニズムの解明が進む可能性があります。
iPS細胞を基礎的実験に用いることにより、皮膚の生理機能解析や化粧品成分の評価系の確立、動物実験の代わりに用いることなどが期待されているとのことです。
今回の研究だけではまだ不足していますが、今後研究が進むことにより、細胞レベルのアンチエイジングの夢が現実になるかもしれません。
【参考】
・コーセー プレスリリース
http://news.kose.co.jp/pdf/news/20141015.pdf
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