ヒト型セラミドが角質細胞タンパク産生促進 ナノ化で効果倍増
美容最新ニュース / 2014年12月3日 8時0分
ヒト型ナノセラミドの新しい作用が明らかに2014年11月27日、富士フイルムは肌の保湿成分「ヒト型セラミド」に角層細胞の外壁を形成するタンパク質の産生する作用があり、この効果は「ヒト型ナノセラミド」では2倍になることを確認したと発表した。
研究成果は「第75回日本化粧品技術社会研究検討会」(東京:2014年11月27日)で発表。
セラミドの機能セラミドは角層細胞間脂質成分としてラメラ構造を形成し、角質細胞とともに肌のバリア機能を実現している。
セラミドは加齢により減少し、肌のバリア機能が低下することが知られているが、この低下は「ヒト型セラミド」を補給することにより回復可能。
「ヒト型セラミド」は結晶化しやすく、角質層への浸透性が悪かったが、富士フイルムの技術により、ナノ化し、角質層への浸透性をあげることに成功していた。
肌のバリア機能角層細胞とセラミドを含む細胞間脂質とで構成されている角質が肌のバリア機能を担っている。
角層細胞は多数のタンパク質が結合した外壁で囲まれ強固な構造がラメラ構造の土台となり肌のバリア機能を発揮している。
インボルクリンは外壁を構成する代表的なタンパクの一つ。トランスグルタミナーゼと呼ばれる酵素はインボルクリンなどの外壁構成タンパクを結合させる酵素の一つ。
研究の結果三次元培養表皮モデルで、「ヒト型ナノセラミド」は、ナノ分散していない「ヒト型セラミド」と比較し、インボルクリンについては約2倍、トランスグルタミナーゼについては約2.5倍の産生促進効果があることを確認。
正常ヒト表皮細胞に「ヒト型セラミド」を添加するとセリンパルミトイルトランスフェラーゼというセラミドを合成する酵素の量が加えなかった場合の1.7倍に増加した。
考察ヒト型セラミドの効果は単なる不足したセラミドを補うことだけでなく、外壁を構成するタンパク質や、外壁のタンパク質の結合を促す酵素の量を増やすことが判明した。
この作用はヒト型セラミドをナノ化することにより倍加した。
さらに、角質細胞に含まれるセラミド合成酵素の発現にも影響を与えており、ヒト型セラミドのバリア機能促進に関する新しい機序となることが期待される。
(画像はプレスリリースより)
【参考】
・富士フイルム プレスリリース
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0939.html
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