どうしてNHK受信料を「支払う義務」があるの?

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月17日 9時46分

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政府は8月15日、NHKの受信料について「契約を締結した者は支払う義務がある」とする答弁書を閣議決定した。

議員会館のテレビをめぐって「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が「『契約』は法律上の義務だからするけれども、『支払い』は別。受信料は踏み倒します」と発言したことを受け、中谷一馬衆院議員(立民)が質問していた。

N国のホームページには、受信料について「法令上は契約して支払う義務があります」としており、実はこの論点では対立していないようにみえる。

一方、報道によると、立花党首は政府答弁について「支払いは司法が判断する」と話しているそうだ。一体どういうことなのか。

●放送法は「契約義務」だけ

放送法64条1項には、テレビ(受信設備)を持っている人は、NHKと「契約をしなければならない」とある。しかし、受信料を「支払わなければならない」とは明記されていない。

これは意図的なもので、放送法をつくる際に「支払い義務」が「契約義務」に改められた経緯がある。強制性の強さを嫌ったものとみられている。

では、支払い義務の根拠はどこにあるのか。放送法には契約内容が定められておらず、総務大臣の認可を得た「放送受信規約」で規定されている。この中に「放送受信料を支払わなければならない」(5条)という文言がある。

つまり、テレビがあるからNHKと契約せねばならず、契約をしたからには規約に基づいて受信料を払わなくてはならない、ということだ。放送法と支払いの間には「契約」というワンクッションが挟まれている。

この点を踏まえてか、答弁書では「受信契約を締結した者は、受信契約に基づく受信料を支払う義務がある」という表現が取られている。

●N国「裁判されるまで支払わなくてよい」と主張

NHKとの契約を拒否したり、契約したのに受信料を払わなかったりした場合、NHKは裁判を起こして受信料を回収することになる。提訴されれば、特殊な事情がない限り、勝ち目はない。

ただし、実際に裁判になる例は少数で、裁判で負けても罰則はない。N国はHPで「受信料は裁判されるまで支払わなくてよい公共料金」と主張している。「受信料は踏み倒す」「裁判を起こせ」といった立花党首の発言も、同趣旨のものと考えられる。

海外には公共放送の受信料について、罰則つきの支払い義務を課している国もある。

国会でも過去に、放送法が「支払い義務」を直接定めていないために、受信料の不払いを招いているとして、支払い義務を明示する改正案が審議されたことがある。しかし、反対が多く成立には至っていない。

「罰則付きの義務化」について立花党首は、受信料が公平負担となるため、国民の多数が賛成するなら反対しないとしている。

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