「コミケは撮影風紀が一番乱れる」 コスプレ女性に「殺到・接写」が繰り返されるワケ

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月18日 9時8分

囲み撮影ができるのは人気のパラメーターであるため、人気コスプレイヤーだと囲みを想定して知り合いなどにあらかじめ仕切り役を頼みます。

突発的に囲み撮影が発生したときは、日頃からよく撮影に来てくれるカメラマンなどに仕切りを任せることもあります。ALLさんの場合は中国の方ということもあって、どちらの条件も満たせなかったのでしょう。

●普段はコスプレを撮らないカメラマンも参加

二つ目は、コミケが通常のコスプレメインのイベントではなく、一般の方が多く参加する「コスプレ参加も可能」なイベントであることです。普段はコスプレ撮影しない人も撮影するということです。

コスプレメインのイベントだと、カメラマンは登録料を支払って参加し、被写体を綺麗に撮ることで、本人のツイッターなどに載せてもらうことを目的としています。

同じコスプレ写真が重複し過ぎないよう、被写体が一度のイベントで使用する(投稿やリツイート)写真の数は限らます。そのため、カメラマン同士の一種の競争が生まれます。カメラマン同士が顔を覚えてしまうのも珍しくありません。

しかし、コミケのようにカメラマン登録料が発生しないイベントでは(今回のコミケは初めて入場規制中の一般参加者は有料のリストバンドが必要になりましたが)、記念撮影などでコスプレイヤーを撮影する人も増えます。それ自体は悪いことではなく、喜ぶコスプレイヤーも多いでしょう。

ただ一方で、ほぼ毎回、ALLさんのような接写やローアングル撮影問題が発生するのは、あまりコスプレ撮影の経験がないカメラマンが参加したことも背景にあると思います。

そうなると、中にはコスプレ撮影のクオリティーはさて置き、女性をとにかく撮ることを目的にする人もいるでしょう。集団心理により行動がエスカレートした部分もあるのではないでしょうか。

普段からコスプレ撮影しているカメラマンからは、「コミケは一番撮影風紀が乱れる」という声も多く聞きます。

●イベント撮影のターニングポイント

筆者は2018年冬のコミケ(C95)に参加した際、中国の人気コスプレイヤーを接写ローアングルで撮影したカメラマンを捕まえたことがあります。

被害者本人の意向で、コミケスタッフを呼び、警察に突き出して欲しいと伝えましたが、「その場合は被害にあったコスプレイヤーにも同行してもらう必要がある」と言われました。

結局、その場でデータを全て削除することで被害届は出さないという結果になりましたが、そのカメラマンがイベント出入り禁止になるといった措置は取られませんでした。

もちろん、コミケにも撮影規約がありますが、中国人コスプレイヤー相手だと特に、日本語があまり喋れないから、見つかっても相手は泣き寝入りするはず、などと考えるカメラマンが一定数いるのかもしれません。

海外からの参加も珍しくなくなっており、イベントにおけるコスプレ撮影の在り方を見つめ直すターニングポイントに来ている気がします。

【ライタープロフィール】

乃木章(のぎ・あきら) ライター・カメラマン。年200本ほどコスプレ記事を執筆しており、日本だけでなく中国・台湾にも取材に行く。フォトレポートだけでなく、歴史や文化、風習、背景など多角的に取り上げている。また、中国語が得意なことから、中国・台湾コスプレイヤーのインタビューを定期的にしている。

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