業務委託先からのパワハラ、もう耐えられない…違約金なしで契約は切れるか

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月26日 10時5分

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パワハラを理由に、業務委託契約を終了することは可能か。そんな質問が弁護士ドットコムに寄せられた。女性は、業務委託契約で週4日、オフィスで仕事をしているが、上司からのパワハラを理由に、退職を検討しているという。

相談者によれば、「理不尽に大勢の前で怒鳴られる」「仕事のやり方が気にくわない、あなたにやらせると失敗するからという理由で、業務開始から1カ月で、上司の独断でプロジェクトから外される」などの出来事があった。

現在は「その後の仕事から外されていて、仕事がない状態」だという。ほかの社員からも「これはひどいと抗議してくれている」そうだ。

今回の事例は、この女性が本当に業務委託と言えるのかどうか、という別の大きな論点も含む。が、仮に真の業務委託だったとして、業務委託でも「パワハラ」と主張できるのか。業務委託を途中で終了する場合、違約金は発生するのだろうか。大部博之弁護士に聞いた。

●「相手に不快な思いをさせているか」「人格権を侵害しているか」

「ご質問に答える前に、この女性は業務委託契約に基づいて仕事をしているのか、という点が気になりました。というのも、同じ職場で仕事をしているとはいえ、契約形態が業務委託となると、話が変わってきます。

まず、業務委託という契約形態の場合、労働契約ではないので、会社との間で指揮命令関係はなく、ある程度、自己の裁量で仕事ができますし、仕事を受ける受けないかの諾否の自由があります。

これがなく、実質的に指揮命令関係にあるというのであれば、もはやそれは業務委託契約ではなく、労働契約と評価される可能性もあります。今回の相談については、あくまでも真の意味で業務委託契約と評価できる場合を前提に考えます」

労働契約と評価されるかどうかについては、確かに気になります。それはさておき、真の業務委託だったとして、パワハラに該当するのでしょうか。

「業務委託契約ですから、女性はそもそも会社から指揮命令を受ける関係にはありません。パワハラに該当するかどうかを検討するうえで、上司の行為が正当な業務指導の範囲か考慮する必要はありません。

検討すべきは、相手に不快な思いをさせているか、人格権を侵害しているといえるか(この場合には上司に、民事上不法行為責任が成立し、慰謝料を請求できる可能性が出てきます)という点です。これに該当すれば、パワハラにあたるということになります。

ただ、労働契約ではないので、パワハラ行為を放置した会社に対して安全配慮義務違反に基づく責任を追及することはできません」

●「違約金を免れる余地はある」

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