車で自転車をはねてしまった! 「けがはない」と言われたら立ち去ってもいい? 

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月31日 8時54分

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車で交差点を右折中、高校生が乗った自転車を巻き込んで転倒させてしまったが、「救急車はいりません」「何かあれば医療機関等で診てもらいます」と言われて、そのまま何もしなかったところ、後日トラブルになったという相談が弁護士ドットコムに寄せられた。

事故当時、高校生はケガをした様子もなく、自転車も壊れていなかったが、後日、警察に連絡をしたため、ひき逃げ事件として扱われ、相談者が救護義務違反で在宅起訴されてしまったそうだ。

相談者は、高校生が「ケガは大丈夫」「救急車はいらない」と言っていたため、納得していないが、このような場合でも警察に連絡して対応しないと、罪になりうるのか。阿部泰典弁護士に聞いた。

●道路交通法は「救護義務」を規定している

ーー「救護義務」とはどのような義務なのだろうか

「道路交通法は、交通事故があったときは、『当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない』と規定しています(道路交通法72条1項前段)。

なお、ここで出てくる『交通事故』とは、『車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊』とされています(同法67条2項)。

つまり、事故を起こしてしまい、被害者が負傷していたり、物が壊れていたりした場合は、救護しなければならないこととなっています」

●救護義務違反は「やむを得ない」

ーー今回のケースでは、被害者の高校生が「ケガは大丈夫」「救急車はいりません」と言っており、けがをした様子もなく、自転車も壊れていなかったようだ。それでも、救護の必要があるのだろうか

「たしかに、今回のケースでは、救護の必要性がないようにもみえます。

しかし、必要な措置をとらずに、運転者自身の判断で、被害者の負傷は軽微であるから救護の必要はないとしてその場を立ち去ることは許されないとした裁判例があります(最高裁昭和45年4月10日判決)。

この裁判例では、人身事故を発生させたときは、運転者は直ちに車両の運転を停止し、十分に被害者のけがの有無や程度を確かめる必要があると示しています。

そして、被害者がまったく負傷していないことが明らかである場合や、負傷が軽微なため被害者が医師の診療を受けることを拒絶した場合などを除き、少なくとも速やかに医師の診療を受けさせる等の措置はとるべきだとしています」

ーーそうすると、今回のケースでも救護しなければならなかったということだろうか

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