シングルマザーが薬物依存、子どもと引き離される困難…支援者「SOS出せる社会に」

弁護士ドットコムニュース / 2019年9月15日 9時37分

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ニュースなどで目にする女性の薬物犯罪。未成年の子どもがいる女性が逮捕されることもあるが、彼女たちはなぜ薬物依存症になってしまうのだろうか。

薬物を使っているボーイフレンドと出会ったり、風俗で働くことになり客に薬物を勧められたりする場合もある。男性が背後にいるパターンだ。

また、過去にDVなどの暴力や虐待を受けた女性も少なくないようだ。あるシングルマザーは、薬物を止められなくなり、子どもと引き離されてしまったという。彼女が薬物依存症になった背景には、男性に暴力を振るわれるなどの被害体験があった。 彼女たちと関わる際には、何が重要なのか。薬物使用者の支援に携わるソーシャルワーカーの古藤吾郎さん(NPO法人アパリ)に聞いた。

●子どもがいる女性「SOSを出せる」向き合い方を

古藤さんは「違法薬物を使用する女性に限らず、多くの女性の受刑者は、男性や近親者たちによる『被害』的な体験があります」と指摘する。

しかし、覚せい剤などの違法薬物の使用は「犯罪」だ。女性に未成年の子どもがいれば、児童相談所が介入し、母子が引き離されることもある。

古藤さんは「子どもの安全が第一」としたうえで「支援の場では、母親をどう支えるかを大切にしている」と話す。

「『薬物を止めることができない母親から子どもを引き離そう』という姿勢で向き合えば、母親はますます殻にこもり、SOSを出すことができなくなります。その結果、薬物が止まりにくくなるかもしれないし、子どもの福祉が脅かされる可能性も高まってしまいます。

どのようにすれば、子どもが母親から引き離されることなく、そして母親が安心して回復や支援につながることができるか、という視点で考え始めることが必要です」

●「薬物を止めさせようとする」ことが解決ではない

古藤さんによると、子育て支援を受けながら母親が安心して回復できる場を提供する施設もある。その1つが薬物依存症の女性を支援する施設「ダルク女性ハウス」だ。

同施設は「母子プログラム」を2004年に開始。母親の心のケア、薬物依存症の回復、そして自立に向けたサポートに力を注ぎ、孤立しがちな母子を支援している。

古藤さんは「薬物を止めさせることで、本人が抱えている問題がすべて解決するわけではありません。薬物を止めたあとに生き延びていけるように、支援環境を整えていく必要があります」と強調する。

過去に辛い体験をし、薬物を使い続けることで生きてこられた女性たちが多いという。しかし、社会の中で違法薬物を徐々に減らしていくことは難しい。1度でも使用すれば、刑罰が科されるためだ。

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