校長が女子大生に「性経験はあるよね?」 教育実習中のセクハラ、教職を断念する学生も

弁護士ドットコムニュース / 2019年9月15日 9時17分

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教員を目指す大学生たちにとって、教育実習は教員免許状を取得するために欠かせない科目だ。その重要な現場で、指導教員などによる「教育実習セクシャルハラスメント(以下、実習セクハラ)」にさらされる危険があることはあまり知られていない。

学校という閉ざされた社会の中で、立場の弱い者に対して行われる卑劣な行為。実習セクハラの実態を追ってみた。(ルポライター・樋田 敦子)

●恩師から「お前の胸は小さいな」

「教員志望だった学生が、実習セクハラを理由に教職をあきらめたケースを何度となく見てきました。進路が絶たれただけではなく、一生を左右するような深刻な心の傷を抱えてしまうケースもあるのです」

こう証言してくれたのは、教職課程を受け持っていた元大学の教員だ。この元教員は、教え子の話として、ある事例を話してくれた。

実習セクハラに遭った大学生Aさん(当時21歳、以下年齢は当時のもの)は、首都圏の私立大学4年生のときに、母校の公立中学校で教育実習を行った。Aさんの指導教諭(46歳)は、この中学校に通っていたときの部活の顧問。気心が知れ、尊敬できる存在だった。

実習が始まって1週間が経ち、春の体育祭が終わった頃、ほかの実習生も交え、教員で打ち上げをすることになった。全員参加型の1次会の懇親会が終わり、2次会のカラオケで事件は起こる。

その指導教諭はAさんとすれ違いざま、ダボダボのジャージの上から胸を触り「お前の胸は小さいな」と言い放った。かつての恩師からの意外な行為にショックと戸惑いを隠せず、Aさんは気が動転し、泣いてトイレに駆け込んだ。自分の中で信頼が崩れていくのを感じていた。

トイレにはもう一人の女性がいた。臨時採用の教諭をしていたBさん(23歳)も、同じ教諭に同じように胸を触られ、泣いていた。

2人はそれ以上、宴席にはいられず、Aさんは帰宅して母親に事情を話した。母は「ショックだったのはわかるけれど、あなた自身が立ち向かわなければいけない問題よ」と自らの手で問題を解決するように促したという。

「二度とその教諭の顔を見たくなかった」Aさんだったが、教員免許状を取得するためには、実習の単位を取らなければならなかった。途中でやめることもできず、そのまま実習2週目に入った。ところが体が拒否したのか、体調を崩した。発熱もした。それでも実習を続けなければならないーー。

Aさんの様子がおかしいことに気づいた教諭から声をかけられ、思い切って、校長らに被害を相談した。

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