バスの「運賃箱」にメダルや外貨を入れて不正乗車、どんな罪になる?

弁護士ドットコムニュース / 2019年9月29日 9時26分

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路線バスの運賃箱にメダルや外貨などを入れる不正が相次いでいることを朝日新聞(9月18日)が報じた。

自動感知機能をもつ運賃箱を設置すれば不正を防ぐことが期待できるが、高額のため、すべてのバス会社が設置できず、不正が起きているようだ。

報道によると、偽造された回数券もみつかったことがあるという。自宅のコピー機で作った回数券を使った男性が、偽造有価証券行使の疑いで逮捕(その後、処分保留で釈放)された。

ゲームセンターのメダルや外貨、おもちゃのお金などを運賃箱に入れた場合、どんな罪に問われるのか。泉田健司弁護士に聞いた。

●「詐欺利得罪」が成立する可能性も

ーーメダル、外貨、おもちゃのお金などを運賃箱に入れた場合、どのような犯罪が成立する可能性があるのだろうか

「いずれも、詐欺利得罪(刑法246条2項)が成立すると考えられます。未遂、つまりメダル等を運賃箱に入れたけれども、運転手が気付いた場合も処罰されます(刑法250条)。

詐欺利得罪の法定刑は、詐欺罪(刑法246条1項)と同じく、10年以下の懲役です。『財物の交付を受けたのか』、それとも『財産上の利益を得たか』の違いに過ぎないので、詐欺罪とほとんど同じと考えてよいでしょう。

なお、偽造の乗車券や回数券を用いたり、期限切れの定期券を用いた場合も詐欺利得罪が成立します」

●「有価証券」よりも「通貨」を偽造・使用した方が法定刑が重い

ーー「偽造有価証券行使」の疑いで逮捕された男性は、自宅のコピー機で回数券をカラーコピーしたと思われるものを使ったようだ。偽造、模造した硬貨を使った場合は、詐欺利得罪とは別の罪に問われるのだろうか

「回数券は『有価証券』にあたります。そのため、これを偽造して使用する行為は、有価証券偽造罪(刑法162条1項)および偽造有価証券行使罪(刑法163条1項)にあたります。法定刑は、いずれも3月以上10年以下の懲役です。

ほかにも、公債証書や株券、手形、小切手、勝馬投票券や宝くじ、クーポン券、乗車券なども有価証券とされています。これらの偽造と行使についても同様です。

硬貨を偽造して使用する行為は、通貨偽造罪(刑法148条1項)、偽造通貨行使罪(刑法148条1項・2項)が成立します。法定刑はいずれも無期または3年以上の懲役とされています。

有価証券の偽造よりも通貨の偽造の方が悪影響が大きいことから、罪の重さがかなり違います」

●さらなる技術的対策が必要になることも…

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