職場の忘年会を取り仕切る「幹事」 あまった「経費」でキャバクラに行ってもいい?

弁護士ドットコムニュース / 2013年12月10日 16時40分

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忘年会シーズンまっただなか。終電近い時間ともなると、駅前には宴会帰りと思われる会社員のグループをいくつも見かける。泥酔した上司や、2次会へ連れていけと声を荒げる同僚の面倒を見るのは、幹事の役目。幹事を任された若い社員たちが懸命に場を仕切っている。

彼ら幹事は、会社から渡される経費をもとにお店や食事のコースを決めている。いわば、忘年会用の経費を自由に使える立場にあるのだ。参加者を満足させられるのであれば、予算を使い果たす必要はないわけだが、はたして幹事は、どこまで自由に忘年会用の経費を使うことができるのだろう。

たとえば、あまった経費で私物を購入したり、幹事だけでキャバクラなどへ飲みにいくことは許されるのだろうか。幹事は忘年会を楽しむことができないのだから、それくらいは許してほしい――こんな声が聞こえてきそうだが……。今井俊裕弁護士に聞いた。

●お金は参加者全員のために支払われるべき

「幹事が会社から忘年会の費用を預かるという関係を法的にみると、次のようになります。

会社は幹事に、(1)忘年会を円滑に実施するため、店や料理の選定から予約事務、代金支払事務を委託し、(2)その代金支払に充てる金銭を預託した関係、といえます」

このように今井弁護士は説明する。つまり、忘年会の幹事は、「会社から委託された事務」で、お金はあくまで「その事務のために預かったもの」と考えて良いようだ。

「職場の忘年会とは、その職場に在籍している人たちが皆で、行く年の仕事の疲れを感謝の念をもって癒し、来る年の円満な職場環境を願うという、我が国文化に根ざした会食です。

忘年会の性質が以上のようなものであれば、会社の意思としては、職場や部署の全員の参加者のために支払われるべきものとして幹事に預けたのであり、職場のごくごく一部の者のために費消するのは許されません」

つまり、そもそもみんなで使うべきお金なのだから、一部で使うのはダメだということだ。となると、幹事は「引き受け損」ということになるのだろうか?

「幹事は大役(笑)でしょうが、もし、幹事業務が会社の業務命令とされるならば、それは会社との雇用契約に付随する業務です。雇用契約に付随する業務であれば、その手間は月給に含まれています。

また、もし、業務命令とまではいえなければ、会社と幹事との準委任契約に基づく事務です。準委任契約に基づく事務であれば、原則的には無償です。

もっとも、一次会終了後に生じた残金は、幹事その他ごく一部の者が、その役目代として費消して良い、との会社の黙認の意思が認められれば、それはそれで結構なことですが」

今井弁護士はこのように話していた。

残ったお金を使えるのは、会社側が「幹事が残金を使って良い」と何らかの形で認めているような場合に限られるようだ。幹事を引き受け、お金を預かる際には、こうした点もさりげなく確認してみると良いのではないだろうか。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
平成11年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における個人情報保護運営審議会、開発審査会の委員歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp

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