産経につづき毎日も「読者の違法勧誘」、「押し紙」だけじゃない新聞のモラル問題

弁護士ドットコムニュース / 2020年1月2日 10時1分

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2019年3月、新聞業界にちょっとした衝撃が走った。産経新聞と大阪府内の2つの系列販売店に、読者に対する「違法勧誘」があったとして、大阪府から再発防止を求める措置命令が出されたのだ。2月には産経大阪本社に立ち入り検査が入っていた。

新聞は読者を勧誘するとき、洗剤やビール券などを提供することがある。ただし、景品の金額には上限がある。おおざっぱにいうと、6カ月分の購読料の8%まで(通称「6・8ルール」)、産経大阪版だと1900円ほどだ。

ところが、産経では数年単位の長期契約に対し、近畿圏内で過去10年間に最大8万1000円相当の景品を出していた。

しかも、大阪本社が代金を業者に立て替え払いした後、販売店に請求するなど、新聞社自体がこの不正に関与していた。

●同じエリアで今度は「毎日販売店」が不正

話はこれで終わらない。2019年12月、大阪府内の毎日新聞販売店にも「6・8ルール」違反などがあったとして、措置命令が出された。3000円~1万円の商品券などを提供していたという。

なんと、この販売店は3月に措置命令が出た産経販売店と直線距離で2.7kmほどと近くにあった。大阪府消費生活センターによると、一部エリアが被っているという。

つまり、産経が措置命令により「適正な景品」を配るしかなくなったところに、毎日販売店がルール違反の「豪華景品」を持って営業していたという構図だ。

しかも、この毎日販売店では、読者によっては新聞そのものも値引きして販売していた。新聞の値引きは独占禁止法(新聞業特殊指定)に違反する恐れもある。

●なぜ大阪で不正が相次ぐのか?

背景の1つには、産経、毎日の2社にとって大阪が経営上、重要な位置にあることがあげられる。

産経新聞は、大阪本社の発行部数の方が東京本社よりも20万部ほど多い(2017年)。夕刊も大阪本社のみの発行だ。

一方、毎日新聞も都道府県別でみると、朝刊の販売部数1位は大阪府の45万部で東京都(19万6000部)の2倍以上になっている(2019年)。

新聞各社の部数減がなかなか止まらない中、経営上の要所として大阪では激しい読者獲得競争が繰り広げられていることがうかがえる。

新聞社の不正問題にくわしい江上武幸弁護士(福岡)は次のように語る。

「『押し紙』の問題と並んで新聞社のモラル崩壊のひどさには驚きを通り越してあきれ果てています。新聞社の経営陣や記者の人たちにも自浄作用を発揮するよう猛省を求めます」

●きっかけは問題になった販売店が起こした裁判だった

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