私語禁止、壁に向かって反省文、職員のモラハラ…虐待から逃れた子どもが「一時保護所」で直面するリアル

弁護士ドットコムニュース / 2020年1月20日 10時26分

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虐待を受けた子どもなどを、緊急の避難先として保護する「一時保護所」という施設がある。その名の通り、あくまで一時的に保護を行う施設であり、滞在できるのは原則2カ月まで。その間に、親元に帰す、児童養護施設へ預ける、などの判断が下される。

しかし、2019年に実態調査を行った東京都の第三者委員が、子どもを管理するルールが「過剰な規制で人権侵害にあたる」と指摘した。

一時保護所の課題とは何か。一時保護所に入所していた経験があるNPO法人「OAC(社会的養護で育つ子どもたちの地位向上ネットワーク)」の安田和喜さん(25歳)に話を聞いた。(ジャーナリスト・肥沼和之)

●父からの暴力「チェーンソーで足を切られそうになった」

―― 安田さんはいつ頃、どういった経緯で一時保護所に入ったのですか。

父親の虐待が原因で、14歳の頃、都内の一時保護所に入りました。父は造園会社を経営していたのですが、僕が小学校3年のころに倒産し、そのあたりから日常的に虐待が始まりました。うちは父子家庭で、助けてくれる家族はいませんでした。

暴力は当たり前で、チェーンソーで足を切られそうになったこともあります。家にお金が全然なく、近所の畑の無人販売所から野菜を盗んで来いとか、叔母さんや友達のお母さんからお金を借りてこい、と言われたこともあります。

中学2年のとき警察に逃げ込み、「虐待されている、助けてください」と訴えたのですが、父を呼ばれて家に帰され、めちゃくちゃ殴られましたね。次の日も同じ警察署に行き、殴られた痕を見せて、ようやく一時保護所に連れていってもらいました。

●「女子を見る」「女子と喋る」は禁止

――安田さんが入った一時保護所には、何人くらいの子どもたちがいましたか。

約50人です。小学生が約10人、残りは中学生です。僕は6人部屋に入れられました。男女比は男6割・女4割くらいだったのですが、施設内では女子と喋ることも、見ることさえも禁止なんです。

生活空間は一緒なのですが、床に男女を隔てる赤い線があって、そこを越えるとペナルティを与えられます。今思うと、性的な事故を未然に防ぐためだったのかもしれません。

――ものすごく徹底していますね。一日のスケジュールはどのような感じなのでしょう。

朝6時に起床して、まずトイレや床などの掃除をします。終わったら廊下に整列して、担当の職員にチェックしてもらい、7時から朝食。おしゃべりは禁止です。職員からの評価がいい子だけ、おかわりができました。

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