法と仏の教えで「俗世の苦しみ」に向き合う  僧籍を持つ本間久雄弁護士の生き方

弁護士ドットコムニュース / 2020年7月5日 9時20分

古来より、寺院は地域で人々の悩みや問題を受け止めてきた機関だった。

「いわゆる『駆け込み寺』という言葉がありますけれども、昔から困りごとのトラブルは地域のお寺に持ち込まれていたんじゃないかなと思います」

●寺院法務に本格的に取り組む

現在、寺院法務も手がける。

「いわゆる会社法務とか企業法務とか知財法務とか分野がありますけれども、お寺に特化したものとして寺院法務があります。

お寺の抱えている問題で最も多いのが、借地です。法の整備がされていない昔から、土地を貸しているお寺が多いのですが、現在は地代や更新料の増額、借地管理に関するトラブルになっているケースが少なくありません。

ほかにも、墓の管理の問題も多いです。檀家さんが墓地の管理料を払ってくれないなどのトラブルですね。また、墓地規則を変えたい、宗派の離脱をしたいなど、宗教法人法にほかの法律が関わってくることが特徴的です」

中には高齢者施設や幼稚園、保育園、病院を運営するお寺もあり、法務は多岐にわたる。こうした寺院法務を本格的に取り組んできたのが、本間弁護士だ。近年は、特に寺院法務のニーズの高まりを感じるという。

「今までは、お寺の内々で済ましていたことが、ネットで検索されてこういうふうな解決法があるんじゃないかと。だんだんと外部に相談して解決したいという方向性を持たれている気がします」

●現代社会に仏教はなぜ必要なのか?

弁護士として印象に残っている仕事がある。

「刑事事件の国選弁護人を担当することがあるのですが、長年断絶していたご家族に私から連絡したことをきっかけに、再び親子の絆が戻ったり、身寄りがない方について、行政などと掛け合って、帰属先を確保したり。そういうふうな活動をできると、やっぱり弁護士をやっていて良かったなと思います」

そう話す本間弁護士に、僧侶としての顔がのぞく。

「誰かのお役に立てたかな、人の人生にプラスに作用できたかなと、喜びを感じます」

現在社会にとって、仏教の必要性を感じることが多い。

「今はネットやSNSで表面的には人との繋がりがあるように思えますが、はたしてそれは本当に、人と人との真心の付き合いなのか、と思うところがあります。

つい先日も、女子プロレスラーの方がSNSの誹謗中傷によって亡くなりました。そうした負の側面が強くなってきているということは、人間関係が希薄になって、世間は砂漠のようなっているのではないかと感じます。

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