夏のボーナス削減、医師や看護師がストライキ「とにかく破れかぶれ」「全国の現場に伝えたい」 船橋二和病院

弁護士ドットコムニュース / 2020年7月15日 22時49分

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夏のボーナスが減額されたことや、労働条件が悪化していることに反対して、千葉県船橋市の総合病院「船橋二和病院」(千葉県船橋市)の小さな労働組合が7月10日、ストライキを決行した。

ストライキには、病院につとめる医師や看護師など計8人が参加して、ネット上でも注目をあつめた。労働組合は7月15日夜、船橋市内で会見を開いて、ストライキに至る経緯を報告した。

●年々ボーナスが減額されていた

ストライキをおこなったのは、船橋二和病院労働組合。計9人(医師4人、看護師4人、理学療法士1人)が加入している小さな労働組合だ。この病院には、もう1つ別の組合があり、そちらのほうが加入者は多い。

労働組合によると、船橋二和病院では、昨年冬のボーナスが減ったこと(1.0カ月分)などが原因で、70人ほどの大量退職が起きていたという。

ことしに入って、新型コロナウイルスの対応による現場の混乱がつづく中、夏のボーナスがさらに減額されて、過去最低(0.9カ月分)となった。

こうした状況を受けて、労働組合側は7月7日、次のような5つの項目をかかげて、病院側と団体交渉をおこなった。

(1)正規・非正規に関わらず、夏のボーナス「1.5カ月分」を支払うこと
(2)退職金の減額案を白紙撤回すること
(3)4週8休提案(事実上の労働時間延長)を白紙撤回すること
(4)医療減免制度撤廃案を白紙撤回すること
(5)安全と労基法を守ることができるだけの人員配置(大幅増員)をすること

しかし、病院側がゆずらなかったため、予告通知したうえで、ボーナス支給日にあたる7月10日、この労働組合として初めてのストライキを決行することになった。

●「ボーナスが出なくて当たり前になる」

労働組合の書記長で、医師の柳澤裕子さんは会見で「必死だった。ここでやるしかなかった。一日大変だった。とにかく破れかぶれで訴えた。これ以上、我慢していたら、ボーナスが出なくて当たり前になる」と話した。

「医療機関だけでなく、すべての業界がマイナスになっている中で、ボーナスが出るだけましという声もある。だが、一生懸命医療していて、誇りをもっているが、少しずつ損なわれている」(柳澤さん)

ストライキは予想以上の反響となった。柳澤さんによると、ビラの受け取りも良く、駅前で15分だけの街宣行動もおこなったが、「同じ思いだ」と声をかけてくれる医療関係者もいたという。

医師の関口麻理子さんも「当日の前に、職場の仲間から『がんばってほしい』とあった。当日は、ほかの医療機関の人から声をかけてくれるなど、病院以外の仲間、同じ思いの人と連帯できた」と振り返った。

●「全国の医療現場に伝えたい」

実は、病院側は、古くなった病棟の建て替え計画でひっ迫する中で、とどめを刺すように新型コロナによる減収があったという。

労働組合側は、人件費削減などに強い不満はあるが、そうした状況に理解も示しており、最終的には、国が補償すべきだという考えだ。

だが、病院側からは、ストライキに対する反発があったという。

東京女子医大でもボーナス全額カットから大量退職が発生している。柳澤さんは、病院側と労働者が声を一つにして、国に訴えるチャンスだと捉えている。

「病院経営が非常に厳しくなっていく現状で、医療費を抑制しなければならないという中で、本来あるべき姿からねじまがっている。この状況を変えたい。1つのストでどうなるかわからないが、全国の医療現場に伝えたい」(柳澤さん)

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