好きな本を読んで、仕事に役立つ「記憶力」と「思考力」を鍛える 木山泰嗣教授が語る「読書術」

弁護士ドットコムニュース / 2020年7月27日 10時1分

司法試験の勉強をしていた時も歩く時間はすごく貴重でした。予備校の自習室でひとりで朝から夕方まで勉強して帰る途中で、頭の中で授業をしたり、その日にやったことを説明したりしました。

記憶力を培うには、5W1Hを意識して体験することが効果的だと考えています。丸暗記したことは忘れてしまいますが、体験したことはなかなか忘れません。ですから、読書の後に、歩くなどの身体を使う行動で『体験』しておくと、記憶のためには効果的です」

――これまで読書をしてこなかったという人に対しては、興味がある身近な分野の本を勧めています。

「本を読む習慣がない人は興味のあるものから入れば、義務感というか『学ばなければならない』という重圧から解放されると思います。本を読む経験ができるほうが大事で、読書の経験や自信を積み重ねていけば『違うジャンルも読んでみよう』と次の段階にいけるようになる。

子どものころから読書の習慣がある人は当たり前のことかもしれませんが、私のように大人になってからでもできるんだということを伝えたいですね」

●著者に突っ込みをいれながら読むことで、「思考力」を鍛える

ーー思考力を高めるためには、どうすればいいのでしょうか。

「『なぜ(Why)?』を常に考えながら読むことですね。記憶力も高まりますが、思考力も高まります。『なぜ、このテーマの本が流行っているんだろう?』という仮説を立ててみるのもいいでしょう。また、小説も含めて、『なるほど、なるほど』とその世界観に引きずり込まれるだけではなく、『疑ってかかる』という読み方が大事ですね。著者にどんどん突っ込みを入れながら、批判的に読むんです。

思考力を高める読書について、より具体的に言えば、同じテーマでもさまざまな考え方の著者の本を読むことです。例えば『キャッシュレス決済』であれば、利点を説く本だけではなく、問題点を指摘する本を読んでみます。一方の側面からだけではなく、反対の側面からも物事をみておくことは、思考力を身につけるためにはとても大事です。

また、頭の回転が速い人の思考プロセスを本でゆっくり確認することもできます。実際に会って話をしてみたら、早口で使われる言葉も難しい人の本も、自分のペースで読むことができます。読書の良さは相手のスピードに左右されない点です」

――思考力をつけるために、目次の活用も提案されています。

「タイトルや目次は著者が考えるものなので、どんなことが書かれているのか想像するのは思考力を鍛える点では大事です。思った通りのことが書かれていれば自分の思考力が優れているという満足を得られますし、そうではないことが書かれていれば、良い意味で裏切られたとその本に満足することができます。想像することが大事だと思います」

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