事故のドライバー、無罪だったのに免許戻らず職失う…「行政の対応ひどい」弁護団がクラファン

弁護士ドットコムニュース / 2020年8月12日 10時23分

今回の問題を契機に、まずは『無罪になれば免許取消し処分を自動的に見直す』ような運用がされることを目指したいと思っています。

行政訴訟はこの目標への第一歩であり、社会的意義があります。だからこそ、手弁当でも構わないという5名の有志が集まりました。しかし、手弁当で良いとは決して思っていません」

行政訴訟は審理期間の長いケースが多い。「報酬なし、必要経費は持ち出し、訴訟終了まで相当時間がかかる」という状況で、経済的な不安を一切抱えることなく活動し続けられる弁護士がどこにでもいるわけではない。

そこで考えたのが、クラウドファンディングの活用だ。きっかけは、日本で初めて裁判費用をクラウドファンディングで集めた亀石倫子弁護士の存在だという。

亀石弁護士は、クラウドファンディングで費用を集めたいわゆる「タトゥー裁判」において、控訴審での逆転無罪判決を得た(2020年8月11日時点、最高裁で審理中)。

「クラウドファンディングの活用を訴訟活動につなげた大きな先例と言えると思います。

『社会的意義のある訴訟なら、手弁当でもやるべき』ということで、本当にいいのでしょうか。社会的意義のある訴訟でも、報酬の発生する仕事としてできるようにしたいと考えています」

自分たちの現状を良しとしてしまっては、「どれほど社会的意義のある訴訟でも、お金がないならやらないよ」ということにもなりかねない。弁護団にはそんな危機感もあるようだ。

●クラウドファンディングでのプロジェクトは「元気玉」

クラウドファンディングで集まった支援金はどう使われるのか。木村弁護士は「弁護団の弁護士費用や、裁判で意見書などを提出するにあたって専門家へ依頼する際の実費などに使う予定」と説明する。

「目標金額は200万円としましたが、正直なところ、実際にかかる費用や実費は200万円を超えるでしょう。結局は手弁当になってしまうだろうというのが実情です」

それでも、「この金銭的な支援は、単なる資金援助ではない」という。

「クラウドファンディングでお金を出して支援してくださる方は、この問題に興味を持っている人です。

そういった方々はこの問題を継続的に追ってくれますし、周りの人へ伝えてくれるなど、さらに広く知ってもらえる可能性を高めてくれます」

その上で、クラウドファンディングでのプロジェクトを「元気玉のようだ」と表現する。(編注:元気玉は漫画『ドラゴンボール』で主人公・孫悟空が使う必殺技)

「みなさんの力を少しずつでも分けてもらえれば、大きな力になり、それが社会を変える原動力となる。今回のプロジェクトにはそんな大きな意義と可能性があると考えています」

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