槇原敬之さんも所持、「RUSH」規制は重すぎる? 輸入した男性が「無罪」を訴える理由

弁護士ドットコムニュース / 2020年8月27日 9時53分

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規制されている危険ドラッグ「RUSH(ラッシュ)」を海外から個人輸入したとして、医薬品医療機器等法および関税法違反で起訴された男性(50代)に対し、千葉地裁は6月18日、懲役1年2月(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡した。

裁判で男性は、ラッシュは法律が規制する「指定薬物」にはあたらないとし、無罪を主張した。男性側によれば、この主張が裁判に持ち込まれるのは日本初だという。男性と弁護団で主任弁護人を務める森野嘉郎弁護士に話を聞いた。(編集部・吉田緑)

●ラッシュを輸入し、税関にみつかる

男性(以下、仮名「ヒデさん」)は職を失うなどのさまざまな社会的制裁を受け、精神的に追い込まれたという。森野弁護士は「刑罰まで科す必要があるのか」とラッシュの規制を疑問視する。

「ラッシュ」については、今年8月に有罪判決(懲役2年・執行猶予3年)を言い渡されたシンガーソングライターの槇原敬之さんが、覚醒剤取締法違反(所持)のほか、ラッシュを所持していたとして医薬品医療機器法違反(同)に問われたことで、記憶に残っている人もいるかもしれない。

ヒデさん本人の話をもとに、裁判を振り返りたい。

ヒデさんは、2014年に使用が規制される前からラッシュを使用したことはあった。といっても、誰かが持っていれば使わせてもらう程度で、まったく使わない期間も長かったという。

ラッシュの使用や所持が規制されたことは知っていたというヒデさん。しかし、医薬品の輸入代行業者を通じて海外からラッシュを買えることを知り、この方法ならば合法なのではないかと思ってしまったという。「今考えれば、法律的な知識が乏しかったと思います」とヒデさんは肩を落とす。

そして2015年12月、初めて購入したラッシュは無事、自宅に届いた。

ところが、同じ月に再び購入したラッシュは自宅に届かず、翌1月に再送してもらっても届かなかった。同じ年の6月、ヒデさんは税関に家宅捜索と任意聴取を受け、告発された。

それから約11カ月後の2017年5月、ヒデさんは警察による家宅捜索と任意聴取を受けた。このことは職場に知られることとなり、当時、地方公務員として働いていたヒデさんは懲戒免職処分になった。

その2カ月後に在宅起訴され、今年6月にようやく有罪判決が言い渡された。コロナの影響もあり、裁判は3年に及んだ。

●懲戒免職処分をはじめとする「社会的制裁」

「職を失ったことが一番大きな不利益でした」とヒデさんは振り返る。精神的にも追い込まれ、解雇されてから1年間は定職に就かずに生活していたという。

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