「嵐」チケット高額転売の女性に有罪、「不正転売禁止法」で禁止されている行為は?

弁護士ドットコムニュース / 2020年9月1日 10時0分

写真

関連画像

人気アイドルグループ「嵐」のコンサートの電子チケットを不正に高額転売したなどとして、20代女性が「チケット不正転売禁止法」違反などの罪に問われた事件で、大阪地裁は8月27日、懲役1年6カ月(執行猶予3年)、罰金30万円、偽造身分書の没収を言い渡した。

チケット不正転売防止法は、人気アーティストのコンサートや、スポーツイベントのチケットが、高額で転売されるケースが相次いでいたことから、東京五輪・パラリンピックを見据えて、2019年6月に施行されていた。

●全国で初めて適用された

報道によると、女性は2019年6月から9月にかけて、転売が禁止された嵐のコンサートの電子チケットを会員制交流サイト(SNS)で不正転売した疑い。

大阪府警が2019年10月、全国で初めてチケット不正転売防止法を適用して、書類送検した。その後、大阪地検が今年2月、在宅起訴していたという。

こうした状況を受けて、ジャニーズ事務所は2019年10月、チケットの不正転売・不正購入をやめるようファンに呼びかけた。

●コロナ禍によって、世の中が一変している

そもそもチケット不正転売防止法では、どんな行為が禁止されているのだろうか。コロナ禍において、今後どのような事態が考えられるのだろうか。音楽コンサートのチケット転売問題に取り組んできた太田純弁護士に聞いた。

――チケット不正転売禁止法では、どんな行為が禁止されているか?

ごく簡単に言えば、券面(チケットの表面)や電子チケット上で、(1)特定の人だけが入場できること、(2)転売を禁止していることが表示されているものについて、他人に対して、定価よりも高い値段で転売する行為が禁止されています。また、不正転売を目的とした仕入れ行為も禁止されています。

今回のケースは、報道などによると、偽造の身分証を用いた点や、定価の8〜14倍程度で転売した点もあり、懲役刑(執行猶予付き)のほか、その売価相当の30万円の罰金を併科したとのことで、違法収益が手もとに残らない結果になったものと思われます。

――今回のケースをどう捉えたか?

本来、法律の主眼としては、違法収益が反社会的勢力の収入源になっているとして、不正転売目的での仕入業者(ダフ屋)を摘発することが期待されていた中、末端で不正転売をしたケースを報道で取り上げても、世間的には、あまりインパクトがないような気もします。

今回のケースは、昨年6月の法律施行後、全国初適用ということですが、在宅(書類送検)起訴ということもあって、摘発から判決まで、10カ月も時間がかかっています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング