日本郵便の「同一労働・同一賃金」上告審弁論、正社員との格差是正求める 最高裁判決の行方は

弁護士ドットコムニュース / 2020年9月11日 10時2分

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日本郵便の契約社員らが、同じ仕事をしているのに正社員と待遇格差があるのは労働契約法20条(不合理な労働条件の禁止)に違反しているとして、「同一労働・同一賃金」と損害賠償などを求めた3件(佐賀、東京、大阪)の事件について、最高裁判所(第一小法廷 山口厚裁判長)は9月10日、大阪と東京の事件の弁論をおこなった。佐賀事件の弁論は24日に開かれる。

10日、弁論を終えた東京・大阪事件の原告、代理人の弁護士が会見した。大阪の原告は「戦いは6年たちました。コロナ禍であるからこそ、非正規に光をあてる判決をお願いしたいと思います」と訴えかけた。

なお、東京事件の原告は非正規社員3人。大阪事件の原告は非正規社員8人(うち、1人がすでに退職)。

●高裁判決

東京事件の弁護団の棗一郎弁護士らが、最高裁の判決の行方を検討した。まず、これまでの高裁判決を振り返る。

契約社員らは、休暇や手当における正社員との格差は、労契法20条に違反するとして、東京、大阪、佐賀の各地裁で裁判を起こし、それぞれ東京、大阪、福岡の高裁で2018年〜2019年に二審判決が出ている。

地裁、高裁で争われてきた手当・休暇の各項目について、最高裁で弁論のおこなわれた東京と大阪の高裁判決をみていく。

(1)「住居手当」 正規非正規の格差が「不合理である」と判断が下され、東京高裁、大阪高裁ともに10割の支給が認められた(新一般職という限定正社員との比較)。

(2)「年末年始勤務手当」 ・東京高裁(格差は不合理。10割支給が認められた) ・大阪高裁(雇用5年超の契約社員に10割支給を認めた) 

(3)「扶養手当」 ・東京高裁(請求せず) ・大阪高裁(認めず。不合理ではないとした)

(4)「夏期冬期休暇」 ・東京高裁(不合理を認める。ただし、損害なしとして賠償は認められていない) ・大阪高裁(雇用5年超にのみ損害賠償認める)

(5)「有給の病気休暇」(正社員には90日の有給病気休暇が与えらえれている。有期社員には無給の10日の休暇しかない) ・東京高裁(不合理と認めた。しかし、実際に休んで損害がある人にのみ認める) ・大阪高裁(雇用5年超にのみ賠償を認める)

そのほか、「早出勤務等手当」、「祝日給」、「夜間特別勤務手当」、「夏期年末手当(賞与)」、「外務業務手当」、「郵便外務業務精通手当」は、すべて認められなかった(祝日給のごく一部は認められた)。

●上告審の争点

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