「教師がトイレで娘にわいせつ行為」 両親の必死の訴えを信じない学校…提訴に至るまでに何があった?

弁護士ドットコムニュース / 2020年9月26日 8時34分

「娘は教師を見た瞬間に、動けない状態になりました。それから、私のところに駆け寄って抱きついてきました。娘は震えていました。

少なくとも、その教師を別の学校に異動させるのが普通だと思っていましたから、新年度になってもその教師が学校にいたこと、そして、接触をさせないと約束したにもかかわらず、実際はまったくそのような対応がとられていなかったことに、本当に腹が立ちました」

男性教師の姿を見て、再び強い恐怖を抱いた女の子は、通学できなくなってしまった。学校側は、「娘さんが安心して登校できるよう最善を尽くす」と聞こえの良い言葉を並べるばかりで、実際の学校は女の子にとって安心できる環境ではなかった。

悩みに悩んだ末、両親は児童虐待などの事件を扱っている村山直弁護士に依頼した。村山弁護士が千葉県教委、自治体の教委、学校それぞれに対しきちんと対応するよう申し入れをおこなった。

「自治体の教委と学校は、トイレでおこなったわいせつ行為については否認しました。くすぐったことなどは一部、認めましたが、『女の子を励ますためだった』と弁解し、セクハラであることは否認しています」と村山弁護士。自治体の教委と学校は、「男性教師本人が否定している。事実が確認できるまでは異動はできない」と繰り返すばかりだった。

県教委も「教員の異動は、市町村教委の内申をもっておこなうものであり、内申がないので何もできない」として、自治体の教委への指導や監督を実施しなかった。

●事件発覚から半年、やっと男性教師は異動

こうしたやりとりは、文書でおこなわれていたが、進展しないと判断した村山弁護士は、学校における虐待事件など、子どもの人権を守るための活動をしているNPO法人「千葉こどもサポートネット」の米田修理事長に協力を依頼した。両親をまじえ、2018年6月に県教委、自治体の教委、小学校と協議をおこなうことになった。

父親は「協議で自治体の教委の担当者は『なんでこの場があるのかわからない』と言っていました。これ以上何を求めるのか、という意味でしょうね」と話す。

長年、教師による体罰・暴言や、わいせつ事件などの学校内虐待について、子どもの支援活動をしてきた米田理事長は、「子どもへの虐待が起きたときに、加害者と被害者を引き離すのはセオリーです。子どもの権利を守るという基本からで、家庭内虐待では当たり前のことですが、学校ではまだまだ遅れています」と指摘する。

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