元交際相手につきまとい、殺害する男たち…法廷でみた「被害者意識の強さ」と怒りの燃料

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月3日 8時17分

写真

関連画像

今夏、一方的に恨みを募らせた元交際相手による殺人事件が立て続けに起こった。いずれも加害者がその後自殺している。別れてもなお相手に追いすがり、自分の意のままにする彼らのような人間はなぜ生まれるのか。(ライター・高橋ユキ)

8月12日の夕方、栃木県宇都宮市のコンビニエンスストアにおいて、接客中だった同市在住のアルバイト店員Aさん(45=当時)が、店にやってきた男に突然、カウンター越しに刃物で胸を刺された。Aさんは病院に運ばれたが亡くなった。男はカウンター内に侵入しようとしたところ他の店員に止められ、その後自分で腹を刺し、死亡した。

Aさんは4人の子を持つシングルマザーだった。昨年5月から男と交際していたが、ほどなくして別れ話が持ち上がると、男はAさんに意味不明なメールを15通送信。Aさんは同月8日、そして事件前日と2度、宇都宮東署に相談していた。

応対した署員は、警察ができる具体的な支援策についてAさんにアドバイスを行なったが、男に対して事実確認や警告などはしていなかった。男は事件翌日、容疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検された。

県警は対応の内容について「Aさんにはアドバイスをするなど適切に対応しており、問題はなかったと考えている」と発表している。

同月30日午前10時ごろ、東京都中野区に住むBさん(38=同)が自宅アパートの部屋で死亡しているのを、訪ねてきた弟が発見し110番通報した。Bさんは顔や背中など、23箇所を刺されており、右腕には抵抗した際にできたとみられる傷も確認された。

その4時間ほど前、同区のマンション7階から男(34)が飛び降りて死亡しているのが見つかっていた。のちにこの男が、Bさんを殺害して自らも自殺を図ったことが判明する。さらに、Bさんのアパートに設置された防犯カメラにこの男が脚立を持っている姿が映っていたことも明らかに。男が脚立を使いベランダから部屋に侵入したとみられている。

ふたりはともにパティシエで元同僚だった。事件当時、Bさんは渋谷区の人気洋菓子店に勤務しており、男は世田谷区で洋菓子店を経営していた。そしてふたりも、先のAさんの件と同様、過去に交際関係にあった。

2016年から付き合い始めたふたりだったが、昨年5月、Bさんが男に殴られたとして警察に相談。8月に男は傷害容疑で書類送検されていた。

さらに11月、男がBさんの勤務する洋菓子店に現れたため、警視庁は男につきまといをやめるよう警告していたという。一時期Bさんは自宅を離れ別の場所に住むなどの対策をとっていたが、今年4月、警察に「(男からの)接触や連絡はない」と伝え、自宅に戻っていた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング