テレワークで高まる不眠リスク「ベッドを仕事場にしないで」 江戸川大睡眠研究所・山本隆一郎氏に聞く

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月5日 10時3分

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テレワークが進み、働く環境が大きく変わっています。自宅で仕事をすることでオンとオフの切り替えがつかず、長時間労働やサービス残業につながる懸念も出てきています。法律的な問題は弁護士ドットコムで何度も扱ってきたので、今回はテレワークに伴う睡眠の問題そのものにフォーカスします。

テレワークで寝る時間や起きる時間が不規則になり、睡眠障害に悩む人もいます。睡眠と心理学の両面で研究を行う江戸川大学睡眠研究所の山本隆一郎准教授に、コロナ禍がもたらした睡眠の変化や、寝つきが悪く困っている時の対処法を聞きました。(ライター・国分瑠衣子)

●テレワーク浸透で「遅寝遅起き」の傾向

――江戸川大学睡眠研究所ではどのような研究を行っているのですか。

「日本の人文系大学では国内初となる睡眠研究所で、睡眠と心理学の両面から研究を行っています。寝不足でどのように認知機能が落ちるのか、起床後のパフォーマンスがどう変わるのかといったことや、睡眠条件と夢との関連性なども研究しています。私は、臨床心理学の立場から睡眠に問題を抱えている人がどのように生活を工夫すればよいかといった研究をしています」

――テレワークが進み、睡眠に影響が出ているとお考えでしょうか。

「2017年にILO(国際労働機関)が、オフィス以外の場所でテレワークをする方は、職場で働く方と比べて仕事でのストレスを感じている方が多く、不眠の訴えが多いということを報告書にまとめています。自宅で仕事をするテレワークは自分のペースで仕事を進めるため、仕事の区切りをつけることが難しい部分もあると思います。

現時点で、コロナ禍が睡眠にもたらす影響を学術論文として報告した日本の疫学研究は私の知る限りありません。ただ、コロナウイルスの感染が拡大した中国やギリシャ、フランスなどいくつかの国では、コロナ前と比較して不眠の有病率が高まっているという報告もあります。

また、いくつかの研究で睡眠覚醒のリズムが後退し『遅寝遅起き』気味になり、結果としてコロナ前より睡眠時間が伸びている方が増えていることが報告されています。

世界的に見ても日本は通勤時間が長い国です。通勤時間がなくなった分、朝遅くまで寝ていることができるようになり、起床時刻が遅くなっていると考えられます。実はこうした起床時刻の遅延化については研究者の中でも賛否両論があり、肯定的に見る研究者もいます。なぜかというと若い人は、遅く起きることが体に合っているからです。

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